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獣王との戦い
金がない
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「あれ? ユナとアイナはいないのか?」
「今朝早く、2人でどこかに出かけたらしいよ」
サリスとの戦闘を終え、1日近く睡眠に費やしたシンは、食事でも取ろうと宿屋の食堂に赴いたのだが、集まっていた面々の中に赤と桃色の髪をした何かと目立つ2人がいない事に疑問を持った。
エルリックの返答から2人が何をしているか気になったが、追いかけて行くのも面倒くさいのでシンは考えるのをやめた。
今、食堂にはエルリックとナナとティナが着席している。
おそらくエルリック達もシンと同じく1日近くを睡眠に費やしたのだろう。
エルリックにしては珍しく動きが緩慢なところがある。
ナナに関しても疲労は残っているのだろうが、異常はない様子が窺える。
サリスとの戦闘直後、糸が途切れたように崩れ落ちた時は心配したが、無事であるならば安心だ。
体調が万全になるまでは、ティナに付きっきりになってもらうが、それぐらいは我慢をしてもらうしかない。
「それよりシン、相談したい事があるんだが」
食事を受け取り、先ほどから主張の激しい胃袋へ流し込もうとした矢先、エルリックが神妙な面持ちで言葉を投げかけてくる。
エルリックとは共に死線を潜り抜けて来た仲である。
その表情を見ただけで、なんとなく緊迫した内容になる事が判断出来る。
確信している訳ではないが、エルリックが何を話題にしようとしているのか予想はつく。
明るい話題ではない事は確定していると言っても良い。
そうなるとここから話される事は良い話題ではない事となる。
今の自分達の事で、エルリックが相談する事となるとシンが考えられるのは一つしか思い浮かばない。
「あまりこういう事は言いたくなかったんだけどね。 そうも言ってられなくなって来たんだ」
「なんだね?」
苦々しく話すエルリックに吊られ、シンの口調もおかしなものとなる。
「リリアナ様から預かった資金が、なくなってきたんだ」
「やっぱりそうか…」
「やっぱりという事は、自覚はあったんだね?」
エルリックが問題視していたのは、やはりと言うべきか、資金の問題であった。
リリアナが王家から持ち出した資金は、莫大なものであったが、それもこの1年ほどの月日で無くなりかけているのだ。
経済難をもたらした原因は、数多く考えられる。
氷の世界への冒険費に、世界樹の試練での宿泊や消耗費などあらゆる出費が重なった。
出費ばかりが増え続ける一方、シン達の収入はゼロである。
それに加え、エルリックが指摘しているのは、シン達の氷の世界での無駄な浪費だろう。
ただアイナを探し連れて来るだけならば、ここまでの事にはならなかっただろう。
しかし、シンとユナは氷の世界で店舗に並ぶ数々の品物に目を惹かれ、あろう事かかなりの金額を費やしている。
エルリックもこれに関して思うところがあるらしくシンに対する視線は厳しい。
元々城の兵士として節制をしていたエルリックにとって、シン達の浪費癖は許し難い事なのだろう。
ユナやナナは、砂の世界でも最高峰の傭兵団を率いていた事もあり、かなりの収入を受けていたはずだが、その性格ゆえ貯めるなどと言う事を知らないようであった。
ユナ達への文句が頭に浮かぶシンであるが、実はシンが1番問題がある。
元々、一文無しで旅をしていた上、一切の収入をもたらしてもいない。
ユナやナナは、狩りなどで食費の面で貢献していたが、シンは何か役に立つ事をした事がない。
それなのにも関わらず、リリアナが持ち込んだ資金を食い散らかしているのだ。
「何か仕事をしなければいけないね。 何があるかな?」
真剣に収入を得る事を考えているエルリックだが、シンは細かく稼ぐつもりはない。
どうせするならば、自分達の強さを活かし、高収入が得られるものがいいと考えているのだ。
「そんな仕事は、ないだろうね。 魔獣の被害は世界樹の中にいる限りあり得ないし、外の人達にはそんな報酬を用意する余裕がないはずだし」
森の世界の住人は、強者が多い。
ユグンの街にいる限り魔獣は入り込まないし、来たとしても自分達で討伐する。
世界樹の外の住人は、未だに重税に苦しんでいるし、外の者も使命を果たしていないとはいえ強者がいる。
魔獣討伐などで報酬を得るのは難しいだろう。
「なあ、ナナの武器ってそのまま残しておけないのか?」
隣で静かに食事をしていたナナを見たシンは、名案を思いついたように問いかける。
「出来る」
シンの問いにナナは短く返事をする。
それは、シンにとって最高の答えだった。
「君は、なかなか悪知恵が働くね」
シンのしようとしている事をエルリックはすぐに読み取ったらしい。
あまり良い考えだと思わないが、少しでも資金の欲しい今は、方法を選んでいられない。
今の宿屋の宿泊費すら、危ういのだから。
「よし、飯を食い終わったら部屋に戻ろう」
いち早く食事を終えたシンは、自室へと戻る。
人目には触れないほうがいいだろうと考えたのだ。
しばらく待つとナナを連れたエルリックが戻ってくる。
万が一の為に、ティナに周囲を監視させながらシンは己の考えをナナに伝える。
「最初は、そうだな。 剣が良いかな、使う人も多いし」
「こんな感じ?」
剣と言われたナナはすぐさま創造する。
ナナの創り出す武器は業物である。
その上耐久性も優れている。
ユナの皇龍刀やアイナの蒼紅蓮と比べれば見劣りするが、あれらは使える者が限られる。
一般的な視点からすると、使いやすく長持ちし斬れ味も良いナナの武器は最高峰の品物と言えるだろう。
幸い、世界樹の試練に挑む冒険者達も多いこのユグンでは、武器の売買は盛んである。
それを利用しない手はない。
「もうちょっとシンプルなやつが良いな、余計な装飾はなくて良い、目立つからな」
「わかった」
シンの指示通り、ナナはオーソドックスな剣を創り出す。
無駄を一切省いた銀色に輝く剣は、見た目だけでなく性能も高い。
冒険者達からすれば、余計な装飾を付けた扱い辛い剣のよりも扱い易い方を選ぶ。
鑑賞用の剣よりも、実用性が重視された剣を使うのは当然の事だ。
「鞘は作れるか?」
「任せて」
ナナが創り出せる物は金属の類いのみである。
多少重量が増してしまうが、抜き身の剣を持ち歩く訳にはいかない。
「よし、試しに売ってみよう」
自身の生み出した剣がどれほどの評価を得るのか、ナナも気になるらしくシン達に同行する。
最初から大量に売りには出さない。
仮に高価な値段が付けられても、まだ同じような物があれば、たちまち値段が下がってしまうからだ。
「あそこにしよう。 なかなか筋が良さそうだ」
実家が武器屋であるエルリックは、商店街の中で吟味した店舗を勧める。
品揃えや状態から良い店と悪い店の判断が出来るらしい。
「なあ、この剣を引き取って貰いたいんだけど良いかな?」
「ああ良いよ、ちょっと見せな」
ガタイの良い髭面の店主は、シンから剣を受け取ると唸ったように声を上げる。
剣を見た店主の瞳が輝くようにシンは感じた。
「これは、どんな鍛冶屋が作ったんだ? 滅多に拝めねぇ業物じゃねぇか」
ナナの創り出した剣は、想像以上に高評価されたようである。
この子が作ったなどと気安く教えるつもりはないので、適当に出身の世界で見つけたと嘘をつく。
「これを作った奴の顔を拝みたいくらいだな。 そうだな、この剣なら金貨5枚、いや7枚でどうだ?」
想像以上の金額の提示に、シン達は驚きを隠せない。
それだけあれば、しばらく寝泊まりする位なら問題にならないほどの額である。
「そんな驚く事はないだろう? 無駄がないフォルムに斬れ味も鋭い。 重量が少しあるが、それほど気になるものでもない。 これだけの業物、それだけついて当然だ。 まあ、売値はもっと高いがな」
ガラガラと笑いながら話す店主だが、悪い人ではなさそうだ。
足元を見られている訳ではないし、ぼったくるつもりでもない。
売却額を受け取り、シン達は宿屋へと戻る。
まさかいきなりここまでの額が舞い込むとは思ってもいなかった。
「これは、何度も使える手ではないようだね」
苦笑いを浮かべるエルリックだが、多少は心配が薄れたのだろう。
帰りにナナにご馳走をすると約束をしていた。
それを聞いたナナはご機嫌になり、もっと作ろうかと提案するが、頻繁に使える手段ではない。
精度を落とすのも考えたが、旅人や冒険者がそこまで頻繁に武器を売りさばくのもおかしな話だ。
氷の世界と違い、遺跡などで発掘する手段のない森の世界では、鍛冶屋による製造しか武器の入手手段はないのだ。
「まあ、なんとかなって良かったな」
気楽に考えているシンであるが、この時売った剣は、無銘の名剣として森の世界で語り継がれる事となる。
メリィやアルファスの跡を継ぐ、次代の獣王が愛用する事となる剣は、その製造の過程が一切明かされる事がなく、森の世界で名も無き名匠の存在が誕生するのだ。
「今朝早く、2人でどこかに出かけたらしいよ」
サリスとの戦闘を終え、1日近く睡眠に費やしたシンは、食事でも取ろうと宿屋の食堂に赴いたのだが、集まっていた面々の中に赤と桃色の髪をした何かと目立つ2人がいない事に疑問を持った。
エルリックの返答から2人が何をしているか気になったが、追いかけて行くのも面倒くさいのでシンは考えるのをやめた。
今、食堂にはエルリックとナナとティナが着席している。
おそらくエルリック達もシンと同じく1日近くを睡眠に費やしたのだろう。
エルリックにしては珍しく動きが緩慢なところがある。
ナナに関しても疲労は残っているのだろうが、異常はない様子が窺える。
サリスとの戦闘直後、糸が途切れたように崩れ落ちた時は心配したが、無事であるならば安心だ。
体調が万全になるまでは、ティナに付きっきりになってもらうが、それぐらいは我慢をしてもらうしかない。
「それよりシン、相談したい事があるんだが」
食事を受け取り、先ほどから主張の激しい胃袋へ流し込もうとした矢先、エルリックが神妙な面持ちで言葉を投げかけてくる。
エルリックとは共に死線を潜り抜けて来た仲である。
その表情を見ただけで、なんとなく緊迫した内容になる事が判断出来る。
確信している訳ではないが、エルリックが何を話題にしようとしているのか予想はつく。
明るい話題ではない事は確定していると言っても良い。
そうなるとここから話される事は良い話題ではない事となる。
今の自分達の事で、エルリックが相談する事となるとシンが考えられるのは一つしか思い浮かばない。
「あまりこういう事は言いたくなかったんだけどね。 そうも言ってられなくなって来たんだ」
「なんだね?」
苦々しく話すエルリックに吊られ、シンの口調もおかしなものとなる。
「リリアナ様から預かった資金が、なくなってきたんだ」
「やっぱりそうか…」
「やっぱりという事は、自覚はあったんだね?」
エルリックが問題視していたのは、やはりと言うべきか、資金の問題であった。
リリアナが王家から持ち出した資金は、莫大なものであったが、それもこの1年ほどの月日で無くなりかけているのだ。
経済難をもたらした原因は、数多く考えられる。
氷の世界への冒険費に、世界樹の試練での宿泊や消耗費などあらゆる出費が重なった。
出費ばかりが増え続ける一方、シン達の収入はゼロである。
それに加え、エルリックが指摘しているのは、シン達の氷の世界での無駄な浪費だろう。
ただアイナを探し連れて来るだけならば、ここまでの事にはならなかっただろう。
しかし、シンとユナは氷の世界で店舗に並ぶ数々の品物に目を惹かれ、あろう事かかなりの金額を費やしている。
エルリックもこれに関して思うところがあるらしくシンに対する視線は厳しい。
元々城の兵士として節制をしていたエルリックにとって、シン達の浪費癖は許し難い事なのだろう。
ユナやナナは、砂の世界でも最高峰の傭兵団を率いていた事もあり、かなりの収入を受けていたはずだが、その性格ゆえ貯めるなどと言う事を知らないようであった。
ユナ達への文句が頭に浮かぶシンであるが、実はシンが1番問題がある。
元々、一文無しで旅をしていた上、一切の収入をもたらしてもいない。
ユナやナナは、狩りなどで食費の面で貢献していたが、シンは何か役に立つ事をした事がない。
それなのにも関わらず、リリアナが持ち込んだ資金を食い散らかしているのだ。
「何か仕事をしなければいけないね。 何があるかな?」
真剣に収入を得る事を考えているエルリックだが、シンは細かく稼ぐつもりはない。
どうせするならば、自分達の強さを活かし、高収入が得られるものがいいと考えているのだ。
「そんな仕事は、ないだろうね。 魔獣の被害は世界樹の中にいる限りあり得ないし、外の人達にはそんな報酬を用意する余裕がないはずだし」
森の世界の住人は、強者が多い。
ユグンの街にいる限り魔獣は入り込まないし、来たとしても自分達で討伐する。
世界樹の外の住人は、未だに重税に苦しんでいるし、外の者も使命を果たしていないとはいえ強者がいる。
魔獣討伐などで報酬を得るのは難しいだろう。
「なあ、ナナの武器ってそのまま残しておけないのか?」
隣で静かに食事をしていたナナを見たシンは、名案を思いついたように問いかける。
「出来る」
シンの問いにナナは短く返事をする。
それは、シンにとって最高の答えだった。
「君は、なかなか悪知恵が働くね」
シンのしようとしている事をエルリックはすぐに読み取ったらしい。
あまり良い考えだと思わないが、少しでも資金の欲しい今は、方法を選んでいられない。
今の宿屋の宿泊費すら、危ういのだから。
「よし、飯を食い終わったら部屋に戻ろう」
いち早く食事を終えたシンは、自室へと戻る。
人目には触れないほうがいいだろうと考えたのだ。
しばらく待つとナナを連れたエルリックが戻ってくる。
万が一の為に、ティナに周囲を監視させながらシンは己の考えをナナに伝える。
「最初は、そうだな。 剣が良いかな、使う人も多いし」
「こんな感じ?」
剣と言われたナナはすぐさま創造する。
ナナの創り出す武器は業物である。
その上耐久性も優れている。
ユナの皇龍刀やアイナの蒼紅蓮と比べれば見劣りするが、あれらは使える者が限られる。
一般的な視点からすると、使いやすく長持ちし斬れ味も良いナナの武器は最高峰の品物と言えるだろう。
幸い、世界樹の試練に挑む冒険者達も多いこのユグンでは、武器の売買は盛んである。
それを利用しない手はない。
「もうちょっとシンプルなやつが良いな、余計な装飾はなくて良い、目立つからな」
「わかった」
シンの指示通り、ナナはオーソドックスな剣を創り出す。
無駄を一切省いた銀色に輝く剣は、見た目だけでなく性能も高い。
冒険者達からすれば、余計な装飾を付けた扱い辛い剣のよりも扱い易い方を選ぶ。
鑑賞用の剣よりも、実用性が重視された剣を使うのは当然の事だ。
「鞘は作れるか?」
「任せて」
ナナが創り出せる物は金属の類いのみである。
多少重量が増してしまうが、抜き身の剣を持ち歩く訳にはいかない。
「よし、試しに売ってみよう」
自身の生み出した剣がどれほどの評価を得るのか、ナナも気になるらしくシン達に同行する。
最初から大量に売りには出さない。
仮に高価な値段が付けられても、まだ同じような物があれば、たちまち値段が下がってしまうからだ。
「あそこにしよう。 なかなか筋が良さそうだ」
実家が武器屋であるエルリックは、商店街の中で吟味した店舗を勧める。
品揃えや状態から良い店と悪い店の判断が出来るらしい。
「なあ、この剣を引き取って貰いたいんだけど良いかな?」
「ああ良いよ、ちょっと見せな」
ガタイの良い髭面の店主は、シンから剣を受け取ると唸ったように声を上げる。
剣を見た店主の瞳が輝くようにシンは感じた。
「これは、どんな鍛冶屋が作ったんだ? 滅多に拝めねぇ業物じゃねぇか」
ナナの創り出した剣は、想像以上に高評価されたようである。
この子が作ったなどと気安く教えるつもりはないので、適当に出身の世界で見つけたと嘘をつく。
「これを作った奴の顔を拝みたいくらいだな。 そうだな、この剣なら金貨5枚、いや7枚でどうだ?」
想像以上の金額の提示に、シン達は驚きを隠せない。
それだけあれば、しばらく寝泊まりする位なら問題にならないほどの額である。
「そんな驚く事はないだろう? 無駄がないフォルムに斬れ味も鋭い。 重量が少しあるが、それほど気になるものでもない。 これだけの業物、それだけついて当然だ。 まあ、売値はもっと高いがな」
ガラガラと笑いながら話す店主だが、悪い人ではなさそうだ。
足元を見られている訳ではないし、ぼったくるつもりでもない。
売却額を受け取り、シン達は宿屋へと戻る。
まさかいきなりここまでの額が舞い込むとは思ってもいなかった。
「これは、何度も使える手ではないようだね」
苦笑いを浮かべるエルリックだが、多少は心配が薄れたのだろう。
帰りにナナにご馳走をすると約束をしていた。
それを聞いたナナはご機嫌になり、もっと作ろうかと提案するが、頻繁に使える手段ではない。
精度を落とすのも考えたが、旅人や冒険者がそこまで頻繁に武器を売りさばくのもおかしな話だ。
氷の世界と違い、遺跡などで発掘する手段のない森の世界では、鍛冶屋による製造しか武器の入手手段はないのだ。
「まあ、なんとかなって良かったな」
気楽に考えているシンであるが、この時売った剣は、無銘の名剣として森の世界で語り継がれる事となる。
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