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1話 

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「うう。・・・断然、シンデレラちゃんがいいよ。なんであの人たちなんだろう?」



『・・・』


そんなミコトちゃんを、もっと上の空からみおろしていた、ゴッドさんがふと呟いた。





『ふっふっふ。ミコトちゃん。




こいつは真の悪人だ、この人は本当に善人だなんて、




そんな、人間は単純ではないからね。










時間はたっぷりあるから、


どっちの姉さんにするか、


いっぱいいっぱい、悩んで決めるといいよ。・・・といっても、すぐ決まりそう・・・デスネ』



























「・・・ねえ、姉さん、私たちもそろそろ戻らないと。お母さまが」



「・・・今日はとてもいいお天気ね。あの空も怖くなってしまうほど、青くて、綺麗」




ふと、義理姉の姉の方のマリーが、テラの言葉に返答するでもなく、誰に言うでもなく呟いた。





「・・・そ、そうね。姉さん」

(・・・いきなり、どうしちゃったのかしら?マリー姉さん)



いつもと少し違う彼女の様子に少し戸惑いつつも、実妹のテラがいつも通り同調した。








「きゃー!!」



「ど、どうなさったのマリー姉さん!?」




その瞬間、突然悲鳴を上げ、その場にへたりこんだ義理の姉マリーに、彼女に付き添って歩いていたテラも思わず驚きの声を上げた。






「あ、・・・あんた・・・」





わなわなと、マリーが誰もいない空中を指さして、再び叫ぶ。






「・・・あ、あんた誰!誰なのよ!!」


 



続く

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