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間章 僕と師匠の日常
第24話 別に怒ってません
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「弟子君、暇だから何かしよう」
「ちょっと待ってください。今仕事してますから」
僕は、手に持つ杖に魔力を込めます。僕の目の前には、バラバラに砕け散った魔法石。今日の仕事は、魔法石の修理です。
魔法石は、魔法使いでなくとも魔法を行使することができるようになる優れものです。ですが、とても繊細であるという欠点もあります。軽い衝撃を与えるだけでもすぐに壊れてしまうのです。また、その修理にはかなりの技術が必要となります。
「えい!」
杖を軽く振ると、砕けた魔法石の一部がピタリとくっつきます。さらに振ると、別の部分も。それを何度も繰り返していきます。だんだんと、元の形を取り戻していく魔法石。
「ひーまー」
「…………」
「ひーーーまーーー」
「静かにしてくだ……ああ!」
ガシャンという大きな音。絶妙な加減でくっついていた魔法石の欠片が、バラバラになってしまったのです。おそらく、師匠に話しかけられたことで、杖への魔力供給が乱れてしまったのでしょう。
「もう! 邪魔しないでください!」
「ありゃ。ごめん、ごめん」
軽い調子でそう告げながら、師匠は、どこからともなく杖を取り出しました。ヒュッと杖を一振りすると、僕の目の前にあった魔法石の欠片がみるみる一つになっていきます。
「さ、終わり。じゃあ弟子君。何かしよっか」
数秒後、僕の前には、完璧に修復された魔法石が。
「…………はい」
「あ、あれ? 弟子君、何か怒ってる?」
「別に怒ってません」
自分の声が不機嫌になっているのは分かっています。ですが、それを止められませんでした。
僕、いつになったら、師匠と対等の存在になれるのかな……。
「ちょっと待ってください。今仕事してますから」
僕は、手に持つ杖に魔力を込めます。僕の目の前には、バラバラに砕け散った魔法石。今日の仕事は、魔法石の修理です。
魔法石は、魔法使いでなくとも魔法を行使することができるようになる優れものです。ですが、とても繊細であるという欠点もあります。軽い衝撃を与えるだけでもすぐに壊れてしまうのです。また、その修理にはかなりの技術が必要となります。
「えい!」
杖を軽く振ると、砕けた魔法石の一部がピタリとくっつきます。さらに振ると、別の部分も。それを何度も繰り返していきます。だんだんと、元の形を取り戻していく魔法石。
「ひーまー」
「…………」
「ひーーーまーーー」
「静かにしてくだ……ああ!」
ガシャンという大きな音。絶妙な加減でくっついていた魔法石の欠片が、バラバラになってしまったのです。おそらく、師匠に話しかけられたことで、杖への魔力供給が乱れてしまったのでしょう。
「もう! 邪魔しないでください!」
「ありゃ。ごめん、ごめん」
軽い調子でそう告げながら、師匠は、どこからともなく杖を取り出しました。ヒュッと杖を一振りすると、僕の目の前にあった魔法石の欠片がみるみる一つになっていきます。
「さ、終わり。じゃあ弟子君。何かしよっか」
数秒後、僕の前には、完璧に修復された魔法石が。
「…………はい」
「あ、あれ? 弟子君、何か怒ってる?」
「別に怒ってません」
自分の声が不機嫌になっているのは分かっています。ですが、それを止められませんでした。
僕、いつになったら、師匠と対等の存在になれるのかな……。
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