大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第二章 郵便屋さん

第35話 今度はからかいなしでお願いします

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「ふー。やっと終わってくれた」

「もう少し続けてもいいんだけどね」

「や、やめて。ボク、絶対死んじゃうから」

 師匠の言葉に、ブンブンと全力で首を振る郵便屋さん。もうこりごりだという気持ちが、ありありと伝わってきます。郵便屋さんが首を振るたびに、その綺麗な短い黒髪が大きく揺れていました。

「それで、今日の用事は僕たちをからかうことだけだったんですか?」

「いや、実のところ、弟子ちゃんに話があるっていうのは本当なんだよ」

「……またからかうつもりじゃないですよね」

「こ、今度は違うよ。ボク、今、結構困ってるんだから」

 トーンの低い郵便屋さんの声。先ほどとはまた違った郵便屋さんの様子に、僕と師匠は顔を見合わせました。僕たちは互いに頷き合い、郵便屋さんに向き直ります。

「とりあえず、お話を聞かせてもらってもいいですか? 今度はからかいなしでお願いします」

「……分かった」

 そう言って、郵便屋さんは話し始めました。

 郵便屋さんが勤める会社は、かなり広い地域に郵便物を配達しています。だからこそ、会社では、ほうきを扱って空を飛ぶことのできる魔法使いは、とても重宝されているのです。会社にいる魔法使いは、郵便屋さんを含めて五人。ですが……。

「実は、最近、町で厄介な風邪が流行っててね。うちの魔法使いが二人もダウンしちゃったんだよ。今日なら郵便物が少ないから何とか人手は足りてるんだけど、明日がね……。社長が言うには、これまで以上に大量の郵便物が来る予定らしくて」

 郵便屋さんの言いたいことが何となく見えてきました。
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