大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第二章 郵便屋さん

第53話 すいませんでした

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「あと、一つだけ。郵便屋さんに言いたいことがあったんです」

「な、何かな?」

 顔を引きつらせる郵便屋さん。僕が次に放つ言葉を、怖がっているように見えます。

 僕は、郵便屋さんに向かって、深々と頭を下げてこう告げました。

「すいませんでした」

 訪れる沈黙。窓の向こうから聞こえる風の音。それが、妙に大きく感じられました。

「どうして?」

 しばらくして、郵便屋さんがポツリと呟きました。

 それに応じるように、僕は頭を上げます。僕の目に映ったのは、目を大きく見開いた郵便屋さん。

「どうして、弟子君が謝るの?」

「……僕が、何もできなかったからです」

「え?」

「郵便屋さんがほうきから落ちた時、僕は何もできませんでした。郵便屋さんを助けてくれたのは師匠なんです」

 僕は、事の経緯を郵便屋さんに説明しました。郵便屋さんがほうきから落ちたこと。僕が郵便屋さんを助けられなかったこと。偶然戻ってきていた師匠が郵便屋さんを助けたこと。

「僕にもっと力があれば、郵便屋さんを助けられたんです。だから、本当にすいません」

 僕に力がないことは自覚しているつもりです。それでも、目の前にいて何もできないというのは、師匠の力に頼らなければならないというのは、こんなにもつらいことだったんですね。

 郵便屋さんは、僕の言葉をただ黙って聞いていました。僕が全てを言い終え、再度頭を下げた時、郵便屋さんは、「はあ」と小さくため息を吐きました。そして、こう告げたのです。

「弟子ちゃん、そういうところだよ」
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