大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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間章 町で偶然会ったのは

第56話 どうもっす

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 ある日の午前中。大勢の人が行き交う町の通り。あちらこちらから聞こえる人々の会話。客引きの声。所々に存在する露店からは、何かが焼ける香ばしい香り。時折、空からほうきに乗った魔法使いが降り立ち、買い物をした後に飛び去っていきます。

 そんな通りを歩きながら、僕は頭を悩ませていました。

「今日の晩御飯、何にしようかな?」

 昨日は魚料理。となると、今日は肉料理でしょうか。それなら、師匠の好きなシチューを作ってもいいかもしれませんね。そういえば、さっき、お肉屋の店員さんが、「今日は豚肉が安いよ」って大声で宣伝してましたっけ。じゃあ、メインは豚肉入りのシチューで、付け合わせは……。

 ―――あれ? 彼氏さんじゃないっすか。

 あ。そういえば、いつも食べてるパンのストックが残り少なかったような。今日のうちに買っておきたいかも。

 ―――彼氏さん? 気付いてないんすか? おーい。

 うーん。持ってきたお金、足りるかな?

「彼氏さんってば!」

 急に、背後から僕の肩が叩かれました。僕は、驚いて振り向きます。そこにいたのは、見覚えのある女性。具体的には、つい先日、郵便屋さんの会社へ行ったときに出会った女性。

「後輩さん?」

「どうもっす。彼氏さん。こんな所で会うなんて偶然っすね」
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