大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第三章 旅の魔女

第74話 バリン!

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 次の瞬間、師匠の杖の先が青白く光り、魔力の塊が現れました。その大きさは、旅人さんが勝負の最初に放っていたものの二倍はあるように思えます。

 それを見た旅人さんは、素早く杖を振るいました。すると、旅人さんの目の前に、透き通った薄緑色の壁が現れました。おそらく、師匠の攻撃に備えたのでしょう。

「…………」

 無言のまま、師匠は、魔力の塊を旅人さんに向けて放ちました。ものすごいスピードで飛んでいく魔力の塊。それは、あっという間に旅人さんが作った壁まで到達し……。

 バリン!

「え!?」

 壁を貫通した魔力の塊。それは、勢いそのままに、旅人さんにぶつかりました。

「きゃあああああ!」

 吹き飛ばされる旅人さん。その悲鳴が、辺り一面に響き渡ります。

「旅人さん! 大丈夫ですか!?」

「うう……」

 地面に横たわる旅人さん。僕の言葉に、うめき声だけが返ってきます。絶対に大丈夫ではありません。

「……弟子君、とりあえず、家に運んで治療しようか」

「りょ、了解です!」

 こうして、師匠と旅人さんとの勝負は決着を迎えました。結果は、師匠の勝利。いや、圧勝と言ってもいいでしょう。

 この日、僕は、はっきりと理解しました。師匠が、想像以上にとんでもない力を持っている魔女であることを。そして、僕が、師匠と対等の存在になるなんて、夢のまた夢であることを。
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