82 / 164
第三章 旅の魔女
第81話 とある魔女?
しおりを挟む
「って、もうこんな時間!」
旅人さんは、壁にかけてある時計を見て、焦ったようにそう言いました。時計の針は、十八時を指し示しています。いつの間にか、かなりの時間が経っていたようです。
「旅人さんは、これからどうするんですか?」
「一応、町で宿をとっているので、今からそこに戻ろうかと。明日の朝には、また次の国へ向けて出発します」
「そうなんですね」
旅人というのも、案外忙しいんですね。できれば、もっともっといろんな話を聞きたかったところですが。まあ、自分の都合を旅人さんに押し付けてしまうのも嫌ですし。一年後の楽しみということにしておきましょう。
「じゃあ、私はそろそろ……あ!」
椅子から立ち上がったところで、旅人さんは、何かを思い出したように声をあげました。
「どうしたんですか?」
「いえ。実は、森の魔女さんに聞きたいことがあったんです」
「……え? 私?」
突然の指名に、師匠が驚いたようにそう言いました。
といいますか、師匠。その手に持っているお菓子の包み紙は何ですか? まさか、僕と旅人さんが話している最中、こっそり戸棚から……。
「えっと……何かな?」
「私、とある魔女さんを探してまして。森の魔女さんなら、その魔女さんのこと、ご存じかなと思ったんです」
「とある魔女? 誰のこと?」
師匠の質問に、旅人さんは、目をキラキラと輝かせながらこう答えました。
「『戦花の魔女』さんです!」
旅人さんは、壁にかけてある時計を見て、焦ったようにそう言いました。時計の針は、十八時を指し示しています。いつの間にか、かなりの時間が経っていたようです。
「旅人さんは、これからどうするんですか?」
「一応、町で宿をとっているので、今からそこに戻ろうかと。明日の朝には、また次の国へ向けて出発します」
「そうなんですね」
旅人というのも、案外忙しいんですね。できれば、もっともっといろんな話を聞きたかったところですが。まあ、自分の都合を旅人さんに押し付けてしまうのも嫌ですし。一年後の楽しみということにしておきましょう。
「じゃあ、私はそろそろ……あ!」
椅子から立ち上がったところで、旅人さんは、何かを思い出したように声をあげました。
「どうしたんですか?」
「いえ。実は、森の魔女さんに聞きたいことがあったんです」
「……え? 私?」
突然の指名に、師匠が驚いたようにそう言いました。
といいますか、師匠。その手に持っているお菓子の包み紙は何ですか? まさか、僕と旅人さんが話している最中、こっそり戸棚から……。
「えっと……何かな?」
「私、とある魔女さんを探してまして。森の魔女さんなら、その魔女さんのこと、ご存じかなと思ったんです」
「とある魔女? 誰のこと?」
師匠の質問に、旅人さんは、目をキラキラと輝かせながらこう答えました。
「『戦花の魔女』さんです!」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる