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第三章 旅の魔女
第82話 知らない
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旅人さんが口にした魔女の名前。一応、僕も聞いたことがあります。ですが、具体的なことは全く知りません。せいぜい、ここから遥か遠い国々の戦争で活躍した魔女としか……。
「…………戦花の魔女が、どうしたの?」
師匠は旅人さんにそう尋ねました。声音はいつも通り。ですが、気のせいでしょうか。その表情は、いつもより険しくなっているように見えました。
「私のパ……師匠が言ってたんです。もし、旅先で戦花の魔女に会えたら、絶対に勝負してもらえって。なんでも、師匠が戦争に参加させられてた時、その魔女さんが味方の軍にいたらしいんです。それで、たくさんの敵を、単独でやっつけちゃったそうなんですよね。それも、一回だけじゃなくて何回も」
「……へー」
「でも、戦争中に、わざと味方に攻撃したってことで、国を追い出されちゃったらしくて。今では、どこでどうしてるのか分からないんだそうです。師匠は、遠い国でのんびり暮らしてるんじゃないかって予想してましたけど」
「…………」
「まあ、そういうわけで、会えたら勝負したいなって思ってるんです。話を聞く限り、すごい力を持ってる魔女さんですからね。何事もチャレンジあるのみです!」
キラキラと目を輝かせる旅人さん。おそらく、戦花の魔女と勝負する日をよほど楽しみにしているのでしょう。
「それで、森の魔女さん。どうですか? 戦花の魔女さんについて、何かご存じないですか?」
「…………」
旅人さんの質問に、師匠は無言で答えます。そして、旅人さんの顔をまじまじと見つめ始めました。それはまるで、旅人さんの本心を探っているかのよう。
「えっと」
「…………」
「も、森の魔女さん?」
「…………」
困惑する旅人さん。無言を貫く師匠。異様な雰囲気が、この場を支配しています。僕は、どうすればいいか分からず、ただ黙って二人のことを見守っていました。
師匠が口を開いたのは、しばらく後になってからのことでした。
「ごめんね。知らない」
「…………戦花の魔女が、どうしたの?」
師匠は旅人さんにそう尋ねました。声音はいつも通り。ですが、気のせいでしょうか。その表情は、いつもより険しくなっているように見えました。
「私のパ……師匠が言ってたんです。もし、旅先で戦花の魔女に会えたら、絶対に勝負してもらえって。なんでも、師匠が戦争に参加させられてた時、その魔女さんが味方の軍にいたらしいんです。それで、たくさんの敵を、単独でやっつけちゃったそうなんですよね。それも、一回だけじゃなくて何回も」
「……へー」
「でも、戦争中に、わざと味方に攻撃したってことで、国を追い出されちゃったらしくて。今では、どこでどうしてるのか分からないんだそうです。師匠は、遠い国でのんびり暮らしてるんじゃないかって予想してましたけど」
「…………」
「まあ、そういうわけで、会えたら勝負したいなって思ってるんです。話を聞く限り、すごい力を持ってる魔女さんですからね。何事もチャレンジあるのみです!」
キラキラと目を輝かせる旅人さん。おそらく、戦花の魔女と勝負する日をよほど楽しみにしているのでしょう。
「それで、森の魔女さん。どうですか? 戦花の魔女さんについて、何かご存じないですか?」
「…………」
旅人さんの質問に、師匠は無言で答えます。そして、旅人さんの顔をまじまじと見つめ始めました。それはまるで、旅人さんの本心を探っているかのよう。
「えっと」
「…………」
「も、森の魔女さん?」
「…………」
困惑する旅人さん。無言を貫く師匠。異様な雰囲気が、この場を支配しています。僕は、どうすればいいか分からず、ただ黙って二人のことを見守っていました。
師匠が口を開いたのは、しばらく後になってからのことでした。
「ごめんね。知らない」
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