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第五章 弟子
第126話 どうぞ
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「どうぞ」
「……は?」
「手足。切るんですよね」
僕の言葉に、男性がピシリと固まりました。先ほどまでの醜悪な笑みは、もうありません。その代わりに現れたのは、まるで不気味なものを見るかのような歪んだ表情でした。
「マジか、お前」
「マジですよ。師匠を殺すより、自分の手足を切られる方が何倍もいいです」
きっと、師匠なら大丈夫です。僕を人質にされたくらいで、こんな奴らに負けるとは思えません。そして、こいつらを倒した後、僕は師匠に怒られてしまうんでしょうね。どうしてそんな選択をしたんだって。自分の体をもっと大切にしろって。まあ、それまでに僕が生きていたらというのが条件に付きますけど。
でも、しょうがないじゃないですか。天秤にかけられたのが、師匠を殺すことなんですから。わがままで。面倒くさがりで。子供っぽくて。そして、僕の大好きな人。そんな人を殺すなんて、絶対できません。
キッと男性を睨む僕。その時、男性の上半身が、小さく後ろに傾くのが分かりました。
「……おい。そこの机にあるナイフ、取ってくれや」
「ん? ナイフで手足を切るのはきつくないか? 魔法でやった方が……」
「ああ。最後には魔法でやるさ。ただ、それだと痛みが少ないからな。ある程度焦らしながらの方が、こういう強がってる奴には効果的だ」
後ろの四人組に向かってそう告げる男性。男性の言葉に、四人組の一人が、「はあ」と大きな溜息を洩らします。
「時々思うけど、お前ってネジが外れてるよな。今着てるローブだって、もっと安くていいのがたくさんあるのに、特別なやつだからって……」
「うるせえな。早くよこせって」
「はいはい」
男性の手に渡るナイフ。倉庫の薄暗い照明に照らされたそれは、恐ろしい輝きを放っています。相手を傷つけることなんて厭わない。そんな、音のしない声が聞こえてくるかのよう。
「反撃しようったって無駄だぜ。お前の杖は、お前が眠ってる間に奪っといたからな。つっても、手足を縛られたままだとそれもできねえか。せいぜい、自分の選択を恨んどきな」
ナイフの刃先が僕に近づいてきます。ゆっくりと。それはもうゆっくりと。
僕は、ギュッと目をつぶって……。
「……は?」
「手足。切るんですよね」
僕の言葉に、男性がピシリと固まりました。先ほどまでの醜悪な笑みは、もうありません。その代わりに現れたのは、まるで不気味なものを見るかのような歪んだ表情でした。
「マジか、お前」
「マジですよ。師匠を殺すより、自分の手足を切られる方が何倍もいいです」
きっと、師匠なら大丈夫です。僕を人質にされたくらいで、こんな奴らに負けるとは思えません。そして、こいつらを倒した後、僕は師匠に怒られてしまうんでしょうね。どうしてそんな選択をしたんだって。自分の体をもっと大切にしろって。まあ、それまでに僕が生きていたらというのが条件に付きますけど。
でも、しょうがないじゃないですか。天秤にかけられたのが、師匠を殺すことなんですから。わがままで。面倒くさがりで。子供っぽくて。そして、僕の大好きな人。そんな人を殺すなんて、絶対できません。
キッと男性を睨む僕。その時、男性の上半身が、小さく後ろに傾くのが分かりました。
「……おい。そこの机にあるナイフ、取ってくれや」
「ん? ナイフで手足を切るのはきつくないか? 魔法でやった方が……」
「ああ。最後には魔法でやるさ。ただ、それだと痛みが少ないからな。ある程度焦らしながらの方が、こういう強がってる奴には効果的だ」
後ろの四人組に向かってそう告げる男性。男性の言葉に、四人組の一人が、「はあ」と大きな溜息を洩らします。
「時々思うけど、お前ってネジが外れてるよな。今着てるローブだって、もっと安くていいのがたくさんあるのに、特別なやつだからって……」
「うるせえな。早くよこせって」
「はいはい」
男性の手に渡るナイフ。倉庫の薄暗い照明に照らされたそれは、恐ろしい輝きを放っています。相手を傷つけることなんて厭わない。そんな、音のしない声が聞こえてくるかのよう。
「反撃しようったって無駄だぜ。お前の杖は、お前が眠ってる間に奪っといたからな。つっても、手足を縛られたままだとそれもできねえか。せいぜい、自分の選択を恨んどきな」
ナイフの刃先が僕に近づいてきます。ゆっくりと。それはもうゆっくりと。
僕は、ギュッと目をつぶって……。
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