大人で子供な師匠のことを、つい甘やかす僕がいる。

takemot

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第六章 大人で子供な私のことを

第148話 本当に大丈夫?

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「まさか、憧れの魔女さんと会えるなんて!」

「は、はあ」

 ぎこちない笑みを作りながら、私は彼と握手をした。

 どうやら、『森の魔女』の名とその噂は、多くの人に広まっているようだ。別に嫌というわけではない。仕事柄、名が知られるのはとても都合がいい。だが……。

「ありがとうございます!」

「う、うん」

 …………目がキラキラしてる。

 ここまでの反応をされると、さすがに恐縮してしまう。

「それで、えっと……シチュー、でしたよね。あ、もしかして、作る人を集めて何かするんですか? もしかして、魔法の研究を……」

「い、いや。ただ、手作りのシチューが食べたいなと思っただけでね」

「なるほど。じゃあ、ぜひ協力させてください。僕、料理得意なので」

 そう告げながら、ドンッと自分の胸を叩く彼。

「そ、そうなんだ。じゃあ、頼もうかな」

 本当に大丈夫?






 ほうきに二人で乗り、私の家へと向かう。もちろん、ほうきを扱うのは私。

 聞いた話によると、彼は、町で一人暮らしをしている魔法使いらしい。だが、簡単な魔法しか使うことができず、ほうきで空を飛ぶこともできないんだとか。

「今は魔法薬を作ってお金を稼いでるんですよ。まあ、収入は全然安定しませんけどね」

「ご両親は?」

「実は僕、孤児なんです。両親の顔は一回も見たことがなくて」

「……そっか。変なこと聞いちゃったね。ごめん」

「い、いえいえ。魔女さんが気に病むことじゃないですよ」

 私の背後で、彼がブンブンと手を振っている気配を感じる。

 孤児。一人暮らし。安定しない収入。

 彼の姿が、一昔前の自分と重なるように思えた。
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