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二章
三十四話
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必要な資料を携え、俺は携帯電話ショップに入った。
「いらっしゃいませ」
愛想よく店員が挨拶してくれる。
俺は壊れたスマホを握りしめ、笑顔を返す。さぞかしひきつっていることだろう。
高校生一人ともあり、本当に携帯を買えるのか心配だったが、杞憂に終わった。購入したのはスマートフォンではなく、折りたたみ携帯だ。昔使っていたものと色も形もよく似ている機体があったので、それを選んだ。
店を出て、ライムグリーンの携帯を開く。ソーセージが割れるような小気味のよい音。懐かしい。
アドレス帳には見知った名前がずらりと並ぶが、俺自身のアドレスは変わっている。
しかし、今の俺には友達と呼べる人間はなかなかいなかった。相手方も、忙しい時期にメールが送られてきたら不快なはずだ。
考えた挙げ句まずは岸本に連絡をすることにした。
『柿市翼です。メアド変えました。登録よろしくお願いします』
文面はこんな感じでいいだろうか? ひとまず送信ボタンを押した。
返信はすぐに来た。
『真っ先に身どもに挨拶するとはいい心がけなのだ。今度は普通の携帯電話を使い始めたのか?』
そうだ、と送ると、音符が大量に踊っているメールが返ってきた。
『クラスで普通の携帯電話を使っているのは身どもだけだったのだ。ようやく仲間が増えたのう』
それはよかった、としか返信しようがない。岸本のクラスではスマートフォンがステータスになっているのだろうか?
素っ気ないメッセージを入力するか悩む。返信が遅くとも大丈夫だ。メールなら「既読」の二文字がついてこない。正直気が楽だ。
そうだ、久しぶりにテンプレートでも使ってみようか。あれこれ思索していると、岸本から連続でメールが来た。
『そういえば、柿市に知らせたいことがあるのだ。今、暇かの?』
率直な質問だ。今時間があるのか聞いてくるあたり、よほど知らせたい情報があるのだろう。
時計を見る。針は夕方の十七時を指していた。
あまり家には帰りたくないし、少しだけなら大丈夫だろう。いい気晴らしになるかもしれない。
『分かった。それじゃあ、学校近くの喫茶店で』
送信ボタンを押し、携帯電話を折りたたんでポケットにしまった。
「いらっしゃいませ」
愛想よく店員が挨拶してくれる。
俺は壊れたスマホを握りしめ、笑顔を返す。さぞかしひきつっていることだろう。
高校生一人ともあり、本当に携帯を買えるのか心配だったが、杞憂に終わった。購入したのはスマートフォンではなく、折りたたみ携帯だ。昔使っていたものと色も形もよく似ている機体があったので、それを選んだ。
店を出て、ライムグリーンの携帯を開く。ソーセージが割れるような小気味のよい音。懐かしい。
アドレス帳には見知った名前がずらりと並ぶが、俺自身のアドレスは変わっている。
しかし、今の俺には友達と呼べる人間はなかなかいなかった。相手方も、忙しい時期にメールが送られてきたら不快なはずだ。
考えた挙げ句まずは岸本に連絡をすることにした。
『柿市翼です。メアド変えました。登録よろしくお願いします』
文面はこんな感じでいいだろうか? ひとまず送信ボタンを押した。
返信はすぐに来た。
『真っ先に身どもに挨拶するとはいい心がけなのだ。今度は普通の携帯電話を使い始めたのか?』
そうだ、と送ると、音符が大量に踊っているメールが返ってきた。
『クラスで普通の携帯電話を使っているのは身どもだけだったのだ。ようやく仲間が増えたのう』
それはよかった、としか返信しようがない。岸本のクラスではスマートフォンがステータスになっているのだろうか?
素っ気ないメッセージを入力するか悩む。返信が遅くとも大丈夫だ。メールなら「既読」の二文字がついてこない。正直気が楽だ。
そうだ、久しぶりにテンプレートでも使ってみようか。あれこれ思索していると、岸本から連続でメールが来た。
『そういえば、柿市に知らせたいことがあるのだ。今、暇かの?』
率直な質問だ。今時間があるのか聞いてくるあたり、よほど知らせたい情報があるのだろう。
時計を見る。針は夕方の十七時を指していた。
あまり家には帰りたくないし、少しだけなら大丈夫だろう。いい気晴らしになるかもしれない。
『分かった。それじゃあ、学校近くの喫茶店で』
送信ボタンを押し、携帯電話を折りたたんでポケットにしまった。
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