ある日突然異世界へ(本編完結.番外編展開中)

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秘密のヒーラーは街へ行く。

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朝です。スッキリ目覚めました!

「ユーリ様おはようございます!」

今朝はマリーがカーテンを開けてくれた。
「おはよう!マリー。今日もお天気良さそうね。」
窓の外を見ながら言う。
「マリー、アルの包帯をかえたいんだけど、呼んでもらえるかしら?」

「かしこまりました!」
そう言って数分後にアルが部屋にくる。

「おはよう!ユーリ。昨日はよく眠れたよ!肩も痛まなかったしね。」
「それは良かったわ!今日もお仕事ですか?」
「あぁ、ちょっと休めないね。」
「では包帯をかえてから出勤して下さいね。」
そう言いながら包帯を外していく。
昨日は傷に気を取られていたからあまり考え無かったけど…アルって騎士なんだよね。服を着ていると細いと思ったけど…鍛えられたなかなか逞しい上半身をしていらっしゃる。
慣れてはいるとはいえ…基本お年寄りの看護をしていた私にはなかなか刺激が強かったようです。
ちょっと赤くなりながら包帯を取りきる。
傷は…
「あら、もう随分浅い傷になったわね!」
昨日は縫う必要があるほどの深さがあったが、今はもう随分と治癒に向かっている。
「すごいな!もう明日には治りそうだな。」
そこへサリーが入ってくる。

「おはようございます。アルフレッド様、治癒されてもしばらくは包帯を巻いていてくださいね。急に治ると怪しまれますから。」

そうだった!秘密のヒーラーだから!(笑)

「ですから、しばらく毎朝ユーリ様がアルフレッド様の包帯をお願いしますね。」
あっサリー満面の笑みを浮かべている。
「サリー…」
「ユーリ頼むよ!」
アルまでなんだか笑ってる。昨日はアルが恥ずかしがっていたのに…
毎朝アルの上半身裸をみるのね…ヤバイヤバイ!これ以上赤くなるわけにはいかないわ!

「アル、まだ完治していないので昨日のオイルを使うわね。」

手早く処置を済ませてガーゼを当てて包帯を巻いていく。
「ユーリ様包帯を巻くの上手ですね。」
マリーが感心してみている。
「こういう仕事をしていたからね。」

「ユーリは今日は何か予定はあるの?」
アルが聞く。
ん~特に決まって無いけど…
「特には…」
「サリー、マリー、ユーリをアロマのお店に連れて行ってあげてくれ。」
「喜んで!」
「ユーリ、手当ての御礼をさせて。一緒には行けないけど治癒に役立ちそうなものをまた仕入れておいで!」
またあのお店に行けると思うと胸が高鳴る。
「アル!ありがとうございます。」



さてさてここは馬車の中。
「ユーリ様私達もご一緒出来て嬉しいです!」
2人はとっても嬉しそう!
「3人で楽しみましょうね!」

到着すると、また素敵なお庭が出迎えてくれる。
石畳みを歩いてドアを開けると色んな精油達の匂いが香っていた。

「いらっしゃい!先日はありがとうございました。精油は気に入ったかしら?」
前回接近してくれた年配の女性が出迎えてくれる。
「はい!色々入ってて使いやすいです!」
「ユーリ様はアロマキャンドルやアロマオイルを作ったり芳香浴をしたりしておりますよ!私は精油がこんなに使えるなんて知りませんでした!」
マリーがちょっと興奮気味に話す。
「マリー、精油はまだまだ色々な使い方が出来るのよ。これからまだまだ楽しみにしていてね!」
そんなことを話していると…
「ユーリ嬢?良かったら今度作ったものをここに持って来てくれないかしら?」
お店の女性が言う。
なんでかしら?
「えーとキャンドルとかオイルとか…これから作るものとかを持って来れば良いかしら?…あの貴方のお名前を聞いても良いですか?」
「あらごめんなさい。私はマリアよ。改めてよろしくね。あなたの作るものに興味があるの。いつでもいいから是非持って来てね!」
「マリアさん、わかりました。近いうちに持ってきますね!」
マリアさんの意図はちょっとわからなかったけれど…関心があるなら是非持ってきましょう!

「ユーリ様、何を買われますか?」
サリーが聞く。
「そうね~精油の買い足しと無水エタノールと精製水に、蜜蝋が欲しいかな?」
「なんに使うんですか?」
サリーが興味をひかれたらしい。
「今日帰ってからのお楽しみよ。」
すぐに教えちゃ面白く無いじゃない?(笑)

なんやかんやと言いながら色んな精油を試してみたりマリアさんとお話しして楽しい時間を過ごしました。
「ユーリ様、せっかくなんで美味しいものを食べてから帰りませんか?」
マリーがニッと笑いながらお誘いしてくれる。
もちろん行きますよ!
「喜んで!」
お店を出て街を3人で歩いてみる。

前に連れて行ってもらったパンケーキ屋さんを通り過ぎる。
「マリー?何を食べに行くの?」
気になって聞いてみる。
「ユーリ様、内緒です!」
どうやら私がさっきサリーに言った事のお返しをされたみたい(笑)

「楽しみについていきます!」

「ユーリ様、他にいきたいところはありますか?」
サリーが聞いてくれる。
「そうね~…あっ液体とかクリーム状のものを入れるような容器はどこかに無いかしら?」
作った物を入れる容器があるとこれからたくさん作れるし、可愛ければプレゼントもしやすいしね。
サリーは思案顔。
「可愛い雑貨屋さんが一軒、この先にあったはずです。食べる前に行きましょう。マリーいいわね?」
「もちろんです!」

しばらく歩くとお店の入り口からたくさんの雑貨が置いてあるお店があった。
「容器的なものは…」
指差し確認しながら見ていくと…
「あったわ!可愛らしい~!」
セトモノなんだけど手のひらサイズで蓋が貝の形の容器を発見!
あとスプレー式の容器やポンプ式の容器も発見!
「ユーリ様欲しいもの全部ありましたか?」
サリーが確認してくれる。
「ありました。でもこんなに買って良いかしら?」
よく考えたら私無職じゃない!
「ユーリ様大丈夫です。アルフレッド様からお預かりしてますから。」
サリーがお財布らしきものを見せてくれる。そして私はお店の外にさっさと追い出されてしまった。
後ろにはマリーがニコニコしながら付いてきているので戻れないし…これは本格的に何か仕事見つけなきゃ!

「お待たせしました。」
サリーが戻って来た。
「ではでは今度こそ美味しいものを食べに行きましょう!」
マリーが張り切っている。

雑貨屋さんから5分程歩いた頃、甘いいい匂いが漂うお店が目の前にある。

「こちらです!」
マリーの目が輝いているみたいだ。(笑)
中に入るとテーブルに案内される。

「ユーリ様、本来は侍女の私たちがユーリ様と一緒にテーブルを囲むなどありえない…」

サリーがちょっと困り顔で説明をし出したので…
「サリー、私はこの世界の人間じゃないし貴族でも無いんだから、気にせず一緒に食べましょう!私を1人にしないでね。ほら、マリーも食べたいでしょ?」
マリーの嬉しそうな顔がみれて私も嬉しくなる。
3人でテーブルを囲んで座ったところでメニューが来る。
広げてみると…
「アップルパイだわ!」
この世界にもあるのね!!
「ユーリ様もアップルパイでよろしいですか?あとお飲み物も選んで下さいね!」
「ええ。飲み物は…アップルティーで!」
2人も同じ物を注文して来るのを待っていると、
隣に座っているおば様方の会話が耳に入ってくる。
どうやら隣町で急な熱で始まり頭痛や身体中が痛くなる病気が流行っていると。
ついついそう言う話には耳がダンボになってしまう私。

もしかしてインフルエンザみたいのが流行っているのかしら?

じゃあ時期にこっちにも来るわね。
色々対策を考えなくちゃだわ!

1人で物思いにふけっているうちにアップルパイとアップルティーが届けられる。
「お待たせしました!ゆっくりお召し上がりください。」
店員さんが愛想よく去っていく。

「マリー、サリーいただきましょう。美味しそうね。」
「「「いただきます」」」

フォークをパイ生地に差し込むとサクッなる!
トロッとしたりんごと一緒に口に運ぶ。
ん~程よい酸味と甘みがいい!
「おいし~!」
「幸せです~」
「止まりません!」
3人はペロリと平らげました。
アップルティーも風味がフレッシュで美味しい!
「「りんごが赤くなると医者が青くなる」って言葉が私の世界にはあるんだけどね、りんごってすごく身体に良い果物なのよ。」
「そうなんですか?」
「消化にも良いからお腹の調子が悪い時はすりおろして食べると良いしね、風邪を引いて食欲がない時もりんごはオススメよ。」

ふと隣から声がかけられる。
「りんごってそんなに良いものなの?」
隣のおば様だわ!
「は、はい!それにアンチエイジング効果や美肌にも良いそうです。」
と情報を付け加える。
「ありがとう!帰りにりんごを買って帰らなきゃ」
おば様はニッコリ笑って言いました。

サリーもマリーもすごく頷いてました。
そして帰りに八百屋に寄ってカゴいっぱいのりんごを買いましたとさ。(笑)
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