ある日突然異世界へ(本編完結.番外編展開中)

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仕事を軌道に乗せましょう。

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マリーとサリーにマリアさんとの事を話すと2人ともとっても喜んでくれました。

「ユーリ様のアロマは是非いろんな人に使ってきただきたいものですもの!」
「私達もお手伝いさせていただきますね!」

アルとお出かけした次の日から、私はせっせと製品作りに没頭してます。
容器はサリーがたくさん仕入れてきてくれました。

とりあえずキャンドルは1回に10個が限界かな?
ロウを溶かす作業をマリーが手伝ってくれていて、その横ではエアーフレッシュナーを作るための容器の消毒をサリーが手伝ってくれています。
私はマッサージオイルを作っていきます。
きっと女性が買いに来るのが多いわよね?

「オイルは女性が欲しい物にしたいよね?やっぱり浮腫対策かな?」
「フシュですか?それはなんですか?」
浮腫は医療用語だったかな?
「えっと浮腫はね、むくみの事を言うのよ。」
と解説すると、
「むくみですか!それなら是非欲しいですね!脚のマッサージなら自分でも出来ますし売れると思いますよ?」
サリーがアドバイスをくれたので浮腫対策のマッサージオイルを作ることに!
ジュニパーとサイプレスとゼラニウムを入れて作りましょう。浮腫もきっとどっかいっちゃうはず!
私も仕事の後は脚がパンパンになっちゃってよくお世話になった精油達だしね。
あとはハンドクリームだね。
蜜蝋を溶かさないとね。
「ユーリ様、私の手を見てください!とっても綺麗になりましたよ!」
マリーが手を見せてくれる。
すべすべつやつやの手になっている。
「では同じレシピでハンドクリームを作りますね。」

そうして一週間3人で作り続けました。
出来たものは…
アロマキャンドル5種類各20個
エアーフレッシュナー3種類各10本
マッサージオイル ムクミ用 20本
ハンドクリーム 30個

初回はこんな感じで持って行こうと思います。
売れ行きを見ながら作るものをこれから検討しなきゃです。
明日お店に納品するので緊張します。
こんな時こそリラックスアロマです。(笑)
「こんにちは~。」
今日はサリーとマリアさんのお店に来ています。
「待っていたわ!」
マリアさんがちょっと興奮気味に声をかけてきた。「ユーリ嬢、あなたの作ってくれたものだけど、とっても評判良いわよ!いつ入荷か?ってお客様に毎日聞かれていたの。」
どうやら前回買ってくれた物をサンプルとしてお店に出していてくれたそう。
サンプルはもうほとんど無くなっていた。
「ありがとうございます!マリアさんがこうして宣伝して下さったからですね!」

マリアさんは私の作る物を置くスペースを作ってくれていたので、製品をサリーと並べていく。
納品書をマリアさんに渡して帰る時に若い女の子がお店に入ってきた。
「今日こそはハンドクリーム入荷されましたか?」
「今入荷された所だよ。」
マリアさんがハンドクリームを渡すと彼女は大事そうに受け取る。
「私、すっごい手荒れ症なんだけど、このハンドクリームを付けたら調子良かったんですよ!また無くなったら買いにきます!」
そう言って帰って行った。
彼女がお客様第1号ね。誰かの為になる物が作れるって嬉しい事ね。
「サリーまた頑張って作りましょうね。」
「はい!ユーリ様。私ちょっと感動しました。」
サリーも多分同じ気持ちね。

帰りにまた容器を買って帰ります。
まだ売れ行きはわからないからまた同じように作りましょう。
帰ったらマリーにも今日の出来事を伝えなきゃね。
帰ってお店での出来事をマリーに話すとやっぱり嬉しかったみたい。
「ユーリ様私頑張ってお手伝いしますからね!」
と言ってくれた。


夕方アルの帰宅が知らされ、お迎えに行く。
「アルおかえりなさい。お疲れ様です。」
「ユーリただいま!今日は何か良い事あった?」
私の顔に書いてあるのか?って位にアルは勘が鋭い。
「わかりますか?ちょっと嬉しい事がありましたよ。」
そんな会話をしていると、

「まるで新婚夫婦のようね。」

とアルのお母様が言う。
「母上!からかわないで下さい。」
アルが真っ赤になっている。

私も急に恥ずかしくなる。なんだか毎日こうしてお出迎えをするのが当たり前になっていたけど…よくよく考えたら迷惑だったかな?

「アル…なんだかごめんなさい。」
私アルが優しいから甘えすぎよね。
思わず謝ってしまう。
「ユーリ、謝る必要はないよ。俺は…嬉しいよ?」
アルが赤い顔して言う。
「あ、ありがとう。」
アルは私が出迎える事は嫌じゃないとわかってホッとする。
部屋に戻りアルの事を考える。
「私アルの事…考えるとドキドキするみたい…」
「ユーリ様?」
側にマリーがいたがマリーにははっきりとは聞こえなかった。
「なんでもないわ。さ~ちょっとだけ明日の準備をしましょうね。」
まだドキドキしていたけれど、気付かないフリをして作業に入る。
だってまだ、私は半人前だから。


一週間後次はマリーとマリアさんのお店を訪れると…
「ユーリ嬢、棚を見てちょうだい!」
マリアが言う。売れなかったのかな?
2人で棚を見に行くと…
「空っぽだわ。」
そうなの。並べた商品は綺麗に無くなっていました!
「全て売れたんですか?」
「そうだよ。特に人気だったのはハンドクリームとアロマオイルみたいだよ。買った人の口コミが凄かったみたいだよ。」
と教えてくれた。
「今回は前回同様で作りましたが、次回分は調整して作ってきますね!」
マリアさんのお店で報酬のお金を受け取り、その中きらオイルや精油などを買う。

雑貨屋さんではハンドクリームとオイル入れをたくさん購入した。
お財布を見るとお金は…まだまだある。
「マリー、みんなにアップルパイをお土産に買っていきたいのだけどどうかしら?」
「ユーリ様。きっと喜ばれると思います!夕食後のデザートに良いですね。」
そう言ってくれたのでホールで2つ買って帰った。
やっぱりアルのお家のお陰で今があるからね、ちょっとでもありがとうを伝えなきゃね。
厨房へ行きアップルパイを渡す。
「夕食後のデザートに出していただきたいのですが…ホールで2つあればここで働く人の分もあるかしら?」
「ユーリ様、ありがとうございます。もちろんです!」
「良かったわ。自分でやっと稼ぐ事が出来たのでお裾分けです。」
部屋に戻りマリーとサリーにはお金で渡す。
「ユーリ様!いただけませんよ!勝手に手伝わせてもらっただけですし。」
「いいえ、あなた達が手伝ってくれたから商品化出来たのよ。少しだけど受け取ってね!」
「ユーリ様!ありがとうございます。」

夕食時にはアルのお父様やお母様にもお礼を言われなんだかくすぐったい感じです。
アルもニコニコ食べてくれている。
もう少し収入が得られたらアルには何か特別なプレゼントがしたいな。

「ユーリ?」
ポーっとそんな事を考えていたら急に目の前にアルの顔が!
「ア、アル!?ち、近いです!」
「ユーリが呼んでも反応ないからじゃん。」
アルが笑っている。私はそんなにボーッとしてたのかな?
「ユーリ、明日から俺はしばらく家を空けるから。王子の警護で多分一週間位かな?」
「そんなにですか?身体に気を付けて行って来てくださいね。あっ!後でオイルとか用意するので良かったら持って行って下さい!」
「ありがとう。ユーリのは役立つからな!」

アルがそう言ってくれたので張り切って作成する!
「怪我の危険もあるわよね?後は眠くなったり…」
1人でブツブツ言いながら作っていく私。
アルに渡すものだからやっぱり私が作りたい。
「出来た!」
オイルは筋肉痛用と傷用。
エアーフレッシュナーはインフルエンザみたいのが流行ってるかもしれないから感染対策用と睡魔対策用。
後はアルの好きな柑橘系のも追加。
出来あがったものを持ってアルの部屋へ向かう。
なんだか妙に緊張する。
そっか、いつもはアルが来てくれているからだ!
ドアをノックするとお風呂上がり!って感じのアルが出迎えてくれた。
髪の毛からはまだしずくが滴っていてタオルがかけられている。シャツを着ているけれど胸元がチラッと見えていて妙に色気がある。
「アル、寛いでいるところにごめんなさい。」
ちょっと視線を外しながら言うと、
「ユーリならいつでも歓迎するよ!」
ってニコニコのアルが言う。
部屋の中へ案内され二人掛けのソファーに誘導されるまま座る。
「あの、明日持っていけるものを作ったので…」
アルが私の隣に座る。近いです。
「ありがとう!これで何があっても安心だな!」
そっか…やっぱり危険があるんだよね。
「アル、気を付けて行ってきて下さいね。アルに何かあったら…」
「ユーリを残しては死ねないよ!ちゃんといい子で待ってて。」
ふわっと急に身体が包まれる。
アルに抱きしめられている!耳元でアルが喋る。
「ユーリは可愛いな。このままユーリと一緒に居たいけど、そろそろ理性が保ちそうに無いかも。どうする?」
アルがニヤッて笑ってる!
「アル!か、帰ります!」
反射的にアルから離れて急いで部屋を出る。
もうどうやって自分の部屋に戻ったかわからないくらい心臓がバクバクしている。
「ユーリ様?アルフレッド様には渡せましたか?」
サリーがそう言いながら振り向くと目を丸くしている。
「ユーリ様ゆでダコの様です!…何かありましたか?アルフレッド様と…」
「ないないない!ちょっと揶揄われただけよ!」
慌てて否定するもサリーは多分確信しているんだ!
「もう寝ます!」
恥ずかしくなったの布団を頭までかぶる。
明日アルを見送ったら一週間お仕事頑張ります!
あっと言う間に夢の中の住人になりました。
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