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「お兄様!シザール様は私を助けてくれたんですよ?お兄様が頼んでくれたのでしょう?」

「いや頼んだと言うか、本当は僕が行きたかったんだが…シザールが…」

お兄様の視線がシザール様に向いております。
何か言いたげですね?

「どういう事ですか?」
何か事情がありそうですね。

「クリスティーナ嬢が絡まれたあの時、俺はカイゼルの側にいたんだ。カイゼルが飛び出そうとしてたが、静止したんだよ。初めの奴らだけならカイゼルでも良かったんだが、ルベルドが出てくると爵位的に武が悪い。あいつはどうしようもないやつだが、公爵家嫡男だからな。
この一件でカイゼルが責任を問われる様なことがあってはならないからな。」
お兄様に何かあってはいけません!
シザール様が私たち兄妹を守って下さったのね。
「シザール…そこまで考えて…。」
お兄様がちょっとウルウルしています。

「まぁ、クリスティーナ嬢からの株も上がるかな?って思ったのもあるけどな!」

シザール様が冗談を言っておりますわ。

「なんだよ、せっかく見直しかけたのに!」

「お兄様、お陰で私は無事でしたので良かったではないですか。シザール様、ありがとうございました。」


「それにしても…今更ですが、カイゼル様の婚約者さんは今日見えませんでしたね?最愛の人?でしたっけ?」

ふと今更な疑問を口にしてしまいました。











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