秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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貴族学校へ途中入学です。

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今日は学校の敷地に初めて足を踏み入れます。


本来なら学校は春に一斉にスタートするものですが、リアムが目覚めていないので体調不良を理由に入学を見送っていました。

因みにリアムが寝たきりだと言うことは3年間伏せてきました。
しかし15歳の年に学校へ行くことは貴族の息子にとって義務であり、半年間課題をこなす事でパスしてきましたが、とうとう出席するように国からお父様へお手紙が来てしまったようなのです。

因みに課題をこなしていたのは私、エレナです。リアムと一緒に勉強していたので、女の子の私もなかなかのお勉強好きなんです!


貴族学校は基本寄宿舎がありそこから毎日通います。
空き部屋があるとの話で、2人部屋を1人で使用出来るそうです。
大変助かります。
何だかんだ着替えやシャワーで気を使うので……

今日は取り敢えず荷物整理と周辺散策がノルマです。

荷物はそんなに多くないので、一段落付いたところで校舎を散策しに行きます。

寄宿舎校舎までは徒歩10分の距離でした。
貴族学校という事ですべてが整っている感じです。広い公園を歩いている感じがします。

校舎の周りには広い運動場がありました。
奥の方には『剣術練習場』と『魔法訓練施設』と書かれた看板が見えます。
魔法……ちょっと引かれて立ち寄ってみることに。

1人の生徒らしき人がいるようです。

覗いてみると……右手に炎が現れましたよ!
実は魔法を見るのは初めてな私!

魔力を持っている人ってそんなに多くないはずだから貴重な人材なんだろうな。

右手の炎はどんどん大きくなっていきます。
手は大丈夫なのかしら?などと疑問に思っていると……


「そこで覗いてるやつ。出てこいよ。」
いきなり背後も振り向かずに話しかけられ驚く私。
「あの、すみません。つい好奇心で……。」
そう言うと、彼は炎を消し振り向いた。
黒髪に切れ長の目が似合う背の高い男の子でした。
「お前……見ない顔だな。」
「はい。明日からこの学校に来ることになりました。アラン・リアムです。よろしくお願いします。」

「ふーん。俺はライン・ハルトだ。お前魔法使えるのか?」
「えっ?いやわ、僕は魔法を見るのも初めてだから!」
私って言いそうになってしまった!気をつけなきゃ。
「試したこともないのか?」
「試す?どうやって?」
今まで魔法を使えるかも!なんて思った事無いし……
「右手を出して。」
どうやら教えてくれる気らしい。多分無理だと思うけど……せっかくだからやってみようか。
言われた通り右手を前に出してみる。
「手の先に意識を集中させてみろ。」
集中?こうかな?
自分の右手をひたすら見つめる。
「ライティング!」
彼がそう言うと、彼の右手には光る球状の物が現れた!
「ほら、真似してやってみて!」
これをやれっていうの?
「ライティング!」
そう言うと……

「光った!」

なんと私の右手の上に浮かぶ光る球体が現れたのです!
でも一瞬で光は弾けてしまいました。

「お前魔法使えるじゃん。」


驚いていると彼が言いました。
「うそ!僕魔力持ちだったんだ?」
「知らなかったんだ?訓練すればもっと凄いこと出来るぞ。」
そう言ってくれました。

「訓練する授業もあるの?」
「選択授業があるよ。魔力持ちの確認をして、あるやつは授業が受けられるんだ。」
「そうなんだね。じゃあ僕もその授業受けられるかもしれないんだね!」

嬉しくなって来て思わず彼に笑いかける。
何故か彼に視線をズラされてしまった。
ちょっと馴れ馴れしかったかな?
あれ?耳赤い?

「ライン君えっと…」
「ハルトだ。」
「ん?ハルト?」
「呼び捨てでいいよ。」
「わかった。僕の事もリアムって呼んで。
ハルトがこの学校に来て1番に出来た友達だよ。これからよろしく。」
そう言うと、
「あぁ。」
と、一言言ってくれました。

そうしてその後は、ハルトと別れて校舎をぐるっとまわって寄宿舎へ戻りました。
まさか自分が魔法を使う事が出来るなんて思ってもなかったから、ワクワクしながら眠りにつきました。


「アラン・リアム君だね。もう身体の調子はいいのかな?」
声を掛けてくれたのは今日から担任になる先生だった。
「はい。ご心配お掛けして申し訳ありません。もう大丈夫です。今日からよろしくお願いします。」
「フェイン・カールだよ。困ったことがあったらいつでも頼ってくれ。」

先生への挨拶を済ませ次は教室へ向かう。

今日の私は一応胸にはサラシを巻き、パンツに詰襟のシャツに上着を着ている。金髪の髪の毛は少し長めのショートヘア。3年前からこのスタイルだ。
男にしか見えないはず。

教室に入る前にもう一度身だしなみのチェックをする。
深呼吸してから先生に続く。

「今日からこのクラスで一緒に学ぶことになったアラン君だ。さぁ挨拶して。」
先生に教壇の真ん中へ誘導される。
「はじめまして。アラン・リアムです。どうぞよろしくお願いします。」

すると後ろの方から
「よろしく~」
「ひょろひょろしてて女みたいだな。」
「随分綺麗な顔をしているな?」
などと聞こえてきた。
私やっぱり女みたいって言われちゃうんだ。気を付けなきゃ。
そう思いながら教室を見渡すと…あっ!昨日のハルトがいた!
そして隣の席が空いてる!
「先生、僕の席はあそこですか?」
そう言いながら空席を指すと、
「あぁ、そうだよ。行って。」
そう返って来たので、急いで席に移動しました。
「ハルト、昨日はありがとう!隣よろしくね。」
と笑顔で言うと、
周りがザワついた。
「アイツライン家と知り合いか?」
「しかもハルトって呼び捨てじゃん!」
「どんな関係なんだ?」

ん?
ハルトってば有名人?
「ごめん!僕なんか迷惑掛けてる?」
そう聞くと、
「いや。気にしなくていい。」
って。
授業が始まったから 一先ずザワつきは収まりました。
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