秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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思わぬ再開

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あの日から私は毎日放課後は魔法の訓練をしている。
先日あった事をハルトや先輩達に話すと、
「じゃあもっと魔力をうまくコントロール出来るようにした方がいいな。」
と言って協力してくれています。


「上にある的を攻撃してみて。」
今日はかなり上のほうに板が吊るしてありました。
あれを攻撃…やっぱり弓かな?
弓を射るポーズを取りながら、
「ファイヤー・アロー!」
火矢が出現して弓を引き放つと、板へ向かって進む。
そして見事に刺さる。
ハルトの方を見ると、頷いている。
合格って事だよね?良かった!
「この短期間によくここまで上達したね。」
とグレイン先輩。
「可愛い顔してこんな攻撃魔法放つようになるんだもんなぁ~はじめのお前からは想像出来なかったな。」
とクシュール先輩。
「でもセンスいいよね~まぁ、講師がいいの揃ってるもんね。」
とウェスター先輩。
「いやぁ~先輩方のおかげです!僕だけならこんなに上達出来ませんでしたよ!」
そう言うと、
「まぁ一番頑張ったのハルトだけとね。」
とグレイン先輩。
確かに…訓練の仕方なんて、私一人では無理だもんね。



そして休憩に入ったところで、
「ねぇハルト、やっぱりこの前の男たちって…魔力持ちの子を探してたのかな?」
と意見を求めてみる。
「もしかしたらな。でも絶対そうとも言えないよな…」
「そうだね。証拠も無いし。でも捕まえた2人から何かわかるといいけど。……そう言えば先日呼ばれるって言ってた話がさっき来たから、明日行ってくるよ。」
「どこへ行くんだ?」
「それがね、『騎士が迎えに行く』って書いてあったんだ。だから場所は……。」
「そうなのか。気を付けて行ってこい。」

「ありがとう。結果も聞いて帰ってくるよ!」

「ねぇハルト、お兄さんとか居たりする?」
「えっ?兄が居るが何故だ?」
「いや、実はこの前助けてもらった騎士の中でね、ハルトに雰囲気が似た人が居たんだよね。その時には誰に似てるか思い付かなかったんだけど、今ふっと思ったんだ。」
「驚いたな。多分それは兄だろう。この誘拐事件を知り、騎士になると言って本当になってしまったんだ。」
「そうだったんだ!ハルトのお兄さん、素敵なお兄さんだね。学生の僕達にも優しかったし!」
「それは良かったな。」
そう言ってハルトは横を向いてしまった。

少し顔が赤いのは兄が褒められたのが嬉しかったから。

そんなハルトを私は好ましいと思った。
「お待たせしました。」
学校の門で騎士でハルトのお兄さんが待っていました。
「貴重な放課後に呼び出して悪かったね。」
そう言って馬車へ誘導する。
馬車に乗り込み走り出したところで行き先を聞く。
「今日はどこへ向かっているのですか?」
「聞きたいですか?」
何故か疑問形で返されました。
「それはもちろんです。何故僕だけ呼ばれたのかも気になりますし…。」
「ところで、君は学校で魔力の使い方の授業は受けているのかい?」
全然関係ない話になりました。
「はい。あなたの弟のハルトにも色々教わっています。」
そう言うとお兄さんは少し驚いた顔をしました。
「お顔が似ていますから。ハルトに聞いたらお兄さんがいると言っていたので。」
「そうか。君はハルトの友達だったんだね。」
さっきのハルト同様なんだか嬉しそうです。兄弟ですね。
「改めまして、ライン・アデルだ。よろしく!」
「はい!よろしくお願いします。……で、アデル様、どちらに行くんですか?」
思案顔のアデル様。そして……
「王宮だよ。」
と一言。
え~!王宮?
「何故ですか?僕には呼ばれる覚えがないのですが…。」
「行ってみればわかるよ。」
そう言われてしまったのでひたすら着くのを静かに待っていました。
馬車が止まりました。
小窓から覗くと、とても立派な門が見えました。
馬車は門を通り中へと進んでいきます。
「うわぁ~!すごい!」
庭も建物も見たことも無い程素敵で立派です。
そして馬車が完全に停車したようです。
「さぁ降りますよ。」
アデル様に促され馬車を降りる。
キョロキョロついしてしまう私。
「こっちだよ。」
アデル様に言われ付いていきます。

立派な扉を入り長い回廊を歩き大きな広間に通されました。

「王と第2王子がいらっしゃいます。」
えっとそんな方々と会うの?

アデル様を見ると礼のポーズに入っている。
私も真似をして待つ。
衣擦れの音と共に人が入ってくる気配がする。
「面をあげよ。」
声がかかり顔を上げる。

そこには初めて会う王様とその隣には知った顔の少年、フィンの姿があった。
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