秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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危機一髪!

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じりじりと囲まれる。
私たちは追い詰められ3人背中をくっつけた形で集まる。
「どうする?」
「子どもを奪還したら合図するから目を瞑ってくれるかな?」
と私が言う。
「わかったよ。」
何も聞かないで返事をしてくれるカイル。キースも頷いてくれた。
もう迷っている時間はない。
まずは子供を助けなくては!
カイルとキースが勢いよく子どもを捕まえている男に向かって走っていく。
そして体当たりをする。
いきなり動き出したので驚いた男たちは反応が遅れた。
体当たりが成功し男の子を無事に保護したのを確認し合図をする。
「二人とも行くよ!!ライティング~ブレイク!」
大きな光の玉を出現させてそれを拡散させる。
目を塞いでいなければ視力を一瞬失うほどの光だ!

男の子の目はカイルが塞いでいてくれて無事だ。
「こっちへ」
そう言って3人を呼ぶ。
男たちは目を抑えている。
「今のうちだよ。」
「急ごう!」
足早に道を進む。
後ろから男たちの声が聞こえる。
「魔力持ちがいるぞ!」
やばい!追いかけてきた。
「まって!」
4人で手をつなぐ。
「レビテーション!」
4人の体が浮遊する。
「うわ!飛んでる!」
「お前すごいな!」
カイルとキースが興奮している。
「お兄ちゃんたちありがとう」
男の子がお礼を言う。
「まだ逃げ切れるかはわからないけどね。」
下を見ると男たちが追いかけてきているのが見える。
「この浮遊の難点はスピードが遅いことだな。」
そう呟くと
「とりあえず、警備している町の騎士に引き渡すところまで頑張れるかな?」
とキース。
「そっか。このまま誘導しちゃえばいいんだね!じゃあ、騎士がどこにいるか見つけてくれる?僕はもう少し早く飛べるように頑張ってみるよ。」
正直4人を浮遊させるって結構大変のようだ。
気合を入れてなんとか舵取りを頑張っている。
「下から弓矢で狙ってきているぞ!」
カイルが焦った声で言う。
この状態でもう一個魔法使えるかな?でも…
「ファイヤーボール!」
「えっ?」
下の弓をもっている男に小さな火球が当たる。
「あっちっ!」
男は弓を落とした。

「誰?」
「私じゃないよ?」
思わず「私」と使ってしまった。
でも気付かれていない様子。

「僕だよ。」
なんと男の子が放った物だったのだ。
「君魔力持ちなのか?」
キースが聞く。
「そうだよ。今みたいにちっちゃいのしか使えないけどね。」
「いや、助かったよ。」
この子ももしかしたら、魔力持ちだから狙われたのかな?
「あそこに騎士がいるぞ!」
カイルが発見する!
後からは男達がまだ追いかけてきている。
上ばかりを見上げているので、私達の先に誰がいるのかなど見えていないだろう。
そして高度を徐々に下げていく。
「助けて~!って叫ぶんだ!」
キースが男の子に言う。
「助けて~!変な男達に追われてる!」
騎士に向かって叫ぶと……
「2人の騎士が反応してくれた!」
そして私は慎重に地面へ近付き、魔法を解く。
4人無事に着地出来ました!
地面に足がついた途端に私はふらっとよろけてしまった。
すかさずカイルが支えてくれたので倒れずに済んだ。かなり何かを消費したみたい。


男達と言えば…2人は捕まえられたようです。

「君たち、何があったんだ?」
騎士から質問され、今までの経緯を説明する。

「随分無茶したな。」
と言われました。

「すみません。さっき2人捕まりましたけど?まだ仲間がいます。その子また狙われる可能性があるので……守ってください。」
そうお願いした。
騎士は力強く頷いてくれた。

初めてまじかで見た騎士の顔は誰かに似ている気がしたけれど…思い出せなかった。



「お兄ちゃん達ありがとう!特に綺麗なお兄ちゃん、一緒に飛べてちょっと楽しかったよ。」
そう言って男の子はニカッと笑う。
あんな目にあったのにこんなに元気なんて逞しいわ。
「僕はリアム。それにカイルとキース。君は?」
そう聞くと、
「僕はフィンだよ。また会えるといいね!」
「そうだね。気を付けて帰ってね。」
そしてフィンとわかれました。


「リアム、時間ヤバいぞ!」
えっ?時間?
とっくに集合時間が過ぎていました!

そして慌てて集合場所に行くと……カール先生が1人ポツンと立っておりました。

「先生!すみません。遅れました。」
「お前達。何してたんだ?」
カール先生の額に青筋が見えるようです…。
「えっと…」
言い淀む私達。
そこへ足音が!

「すみません。それは私から説明させて下さい。」
振り向くと先程の騎士がそこにはいた。

「彼らは攫われる寸前の少年を助けてくれたんです。ですので、どうか多めに見てあげてください。
…そしてリアム君と言ったね?」
最後の言葉を私に向かって確認する。
「はい。そうです。アラン・リアムです。」
「後日改めて呼ばれる事があるそうだよ。」
「先生、そういう訳なので承知していて下さい。」
そう言って騎士は去っていきました。
「学生に甘いな。」
と先生が自分にしか聞こえない音量で呟いていた頃、

「なんで僕だけ?」
ボソッ言うと、
「魔力使ったから?」
とキース。
「助かったのはお前のお陰だしな。」
とカイル。

「とにかく学校へ戻るよ。」
先生の一言で私たちは歩き出した。

学校へ戻ってから、先生からやっぱりお小言がありました。

「君たちが少年を助けたことはとても立派だった。
でもね、治安の悪い裏通りへと行ったからこういう事に巻き込まれたのも事実だ。
君たちはまだまだ未熟だ。自分で解決出来なかったら、君たちも攫われたり、怪我をしたりするかもしれなかったんだよ?以後気を付けて行動するように!」
「「「すみませんでした!」」」


そうして私たちはどうにかこうにか解放されました。

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