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課外授業にて

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今日は珍しく学校から離れて街へ見学へ行きます。
街の生活を学習すると言う名目ですが息抜き的要素が高い授業らしいです。

「ねぇ、街で買い物も出来る?」
そう聞いたのは私です。
「もちろん。みんな結構買い物が目当てだったりするぞ。」
とカイル。
「リアムは何買いたいんだ?」
カイルが聞く。
「ハーブティーを仕入れたいんだよね。最近君たちよく飲んでくれるから、飽きないように種類も増やしたいし。」
そう言うと、
「それはそれは。リアム様にはいつも感謝しておりますよ?」
「なんで疑問形なんだよ!」


じゃれながら街を行く。
「ところで、キースはどこに行きたいの?」
さっきから静かなキースに話しかけると、
「えっ?僕?ん~許嫁にプレゼント……かな?」
「いいなずけ?え~!!キース許嫁がいるの?初耳だ!」
「俺も初耳だ!」
カイルも知らなかったらしい。

「じゃあ一緒に見てあげようか?」
「ホントか?助かるよ!ありがとう。」

私も正当な名目が出来て可愛い物が見れるしね。
リアムになってから、女子的なものは全く見れなくなったからな…。
「ここに入るのか?」
カイルの一言。
「もちろんだよ!」
と私。
「リアムに任せるよ。」
とキース。
私たちは今、女子が好むファンシーショップの前にいます!
お店の中をのぞくと、可愛い人形から髪飾りにレースのハンカチ、ブローチや可愛いお菓子なんかがあるのが見えます。
正直男子には入りにくいお店でしょう。
でもでも、きっとここで買うのが間違いないはず!
キースの許嫁に喜んで貰わなきゃね!

「さあ、入るよ!」
そう言って先頭きって入ります!
「お前男らしいな……」
と呟くのは男なはずのカイル君です。


「わぁ~これ可愛い!」
お花の飾りがついた櫛タイプの髪飾りがとっても可愛い!
でも今の私じゃ使えないな…。



「どれがいい?」
キースが聞いてくる。
「髪の毛が長いなら、これなんかどう?」
と可愛いバレッタを薦めてみる。
蝶をモチーフにルビーが埋め込んであって色も見た目も可愛い!

「いい!これにするよ!リアムは選ぶの上手だな。ってかそれ買うのか?」
お花の髪飾りをずっと持っていたらしい。
「えっと、あ、妹に?」
何故か疑問形の私。
「お前妹いたんだ~!」
カイルが何故かグイグイ来ます。

「そうなんだよ。」
余り言わない方が良かったかな…。
「可愛いか?」
何故気になるんだ?
「同じ顔だよ。」
「そっか~じゃあ可愛い系だな。」
サラッと言われるとびっくりする。
「お前静止してれば可愛いじゃん?」
追い討ちをかけられる。
「カイル君……もうそのへんで……」
「カイル、男に可愛いは失礼だよ。……まぁリアムが可愛い系なのは認めざるおえないけどな。」
キース君……フォローになってません。
「じゃあお詫びにそれは俺が買ってやるよ!」
カイルが私の手の中にある髪飾りをさっと抜き取って会計に持っていく。
「いや、自分で買うよ…」


「妹ちゃんによろしくな。」
そう言って包まれた髪飾りを渡されました。

ちょっと罪悪感を感じます。

「僕も無事に買えたから、今度はハーブティー探しに行こう。」

そう言って店を後にしました。
ハーブティーのお店では私がよく買う輸入品が更に色々種類を増やして置いてありました!

なんでもその国のヒーラーでどなたかの伯爵夫人らしいが、ハーブティーやアロマ?を調合してそれを国で広められているらしい。
不眠症用やスッキリ起きるため用、浮腫改善用など目的別に色々あるそうだ。とても良いものらしく最近になってようやく隣国までこうして回って来たらしい。
まだ貴重なものだから少し高いけれど…本当に効果が高く美味しいので、見つけると買ってしまう!
「今日は疲労回復と朝スッキリするハーブティーにしようね!」
2人にそう言ってハーブティーを購入した。


お店を出てから次はカイルの行きたいお店へ行くことに。
「カイルどこまで行くの?」
私達は何故か表通りから裏通りへと入っていく。
なんとなく薄暗く治安の悪さを感じるような場所だ。

「確かこの先に……」

「ねぇ、カイル、迷って無いよね?」
「え?カイル店の位置わからないの?」
キースも不安そうな表情をしている。
カイルを見ると…目が泳いでます。

「カイル、取り敢えず大通りに戻らない?なんとなく嫌な感じがするよ。」
「リアムの言う通りだ。戻ろう。」
キースがそう言った時
「イヤだー!助けて!」
少し先の方で子供が叫ぶ声がした!
「なんだ?行ってみよう!」
そうして急いで声のする方へ向かう私達。

すると10歳くらいの男の子を抱える男がいた!
「何してるんだ!」
走りながら叫ぶ!
「おっと、貴族の坊ちゃん方じゃないですか?こんな所へなんの用かな?」
横からいきなり他の男が現れる。

そして気付けば私たちはガラの悪いお兄さん方に囲まれていました!
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