秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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エレナのお願い

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「ハルト!第2王子の護衛も兼ねて魔力持ちの子ども攫いの犯人探しをするんだけど、ハルトも一緒に護衛件犯人探しをしてくれないかな?」
今私は一生懸命ハルトに仲間になってくれるように頼んでいます。

「僕じゃきっと心許ないからハルトが居てくれたらきっとフィンドレイ様の事も守れると思うし…アデル様も一緒だよ?」

お兄様も一緒だよ?と言ってみる。
ちょっと反応あり?

「てか、リアムはなんでそんなに犯人を探したいんだ?王子の護衛になったからと言うだけではその君の必死さの説明がつかないんだよね。」

あら、鋭い。
もう少し込み入った話をハルトにはしてもいいかな。
「実は、僕の家アラン家は、3年前この犯人のせいでかなりの迷惑を被ったんだよ。それはとても許し難い出来事だったよ。そして独自にお父様達が調査してきたようだけど、結局犯人は捕まらず、今まで来てしまった。でも最近になって手掛かりとなる話や先日の出来事が重なり、犯人を捕まえる事が出来るかも知れないと希望が見えたんだ!
おまけに、フィンドレイ様にも事情がありそうだし、ここは同じ目的のもと、手を組むことにしたんだ。
でも僕の魔法はまだまだだし、師匠であるハルトに手伝ってもらえたら百人力だと思って……。」
言い切ってから上目遣いでハルトを見ると……

「…仕方がないなぁ。手伝ってやるよ。」

ハルトが頬を少し赤くしてそう答えてくれた。
ハルトの協力が得られる事になり第2王子宛に手紙を出すと、すぐに返事が来た。
次のお休みにまたアデル様が迎えに来てくれるそうだ。
「ハルト、そう言う事だからよろしくお願いします。」
私はすぐにハルトに伝えた。

そして、
「カール先生、王様の名により、第2王子の護衛件犯人探しのお手間を僕とハルトでお手伝いする事になりました。どうぞよろしくお願いします!」
と先生にも報告しました。
先生は少し驚いた顔をされていましたが、アデル様もいることを言うと少し納得した顔をされていました。


そしてそして、大事な2人へも……
「カイル、キース、僕ちょっと話があるんだけど…。」
宿題をやりに私の部屋へ来た2人に声をかける。
「改まってどうしたんだよ。」
カイルが言う。
「僕ね、これから休みの日とか多分いない時間が増えると思うんだ。それはある人の護衛件先日僕達が捕まえた人攫いの大ボスを捕まえる為なんだ。
もしかしたら迷惑かけちゃうかもしれないから……先に話をしておこうと思って……」
「断れない方からの命令なんだね?」
キースは何かを感じ取ってくれたらしい。私は頷く。
「何か必要な助けがあれば言ってくれよ。……まぁ一緒に犯人探しをすると言っても、多分今の俺たちでは足でまといになるだろうからな……。気をつけろよ。」
とカイル。
「2人ともありがとう。 」


そうして次の休みの日。
アデル様が私たち2人を迎えに来ました。
「リアム、迎えに来たよ。ハルトは久しぶりだね。まさか弟と一緒に同じ任務に付ける日が来るなんてな。いやぁ~嬉しいね。」
アデル様がにこやかに言うと、ハルトは
「兄上!そう言う恥ずかしい事は……」
照れてます。

こんなハルトが見れるなんて。学校でのハルトからは想像も出来ない。思わずニヤニヤしてしまう私。
すると突然おでこに痛みが!

「おい、リアム!何笑ってんだよ!」

ハルトにデコピンされたようです。
「おいおい、ハルト!リアムの可愛い顔に傷つけるんじゃないよ。」
とおでこを撫でながらアデル様。可愛い顔って……
「アデル様!からかわないで下さい!僕男ですから!」
思わずにやけそうになる自分を戒めるためにも、口に出して男と言ってみる。
「兄上!リアムに触らないで下さい!」
お兄さんと一緒のハルトはいつもより幼く見えます。なんだか可愛いです。

そして道中は賑やかでした。

それでも王城につく頃には、しっかり3人背筋は伸びていました。

これから大事な話になって行くだろうから……馬車が止まり、チェックが済むと、前に通った素敵なお庭を通りエントランスで停車する。
3人が降りると、出迎えの方が

「こちらへどうぞ。付いてきて下さい。」
そう言って案内される。

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