秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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エレナの驚き

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長い廊下を歩く。
壁には素敵な絵が沢山飾ってあり、美術館の様だと思った。
それでも前を歩く人は脇目もふらずに歩くので、私も横目で見ながら慌てて付いていく。
アデル様もハルトも余り珍しく無いのかな?

そして豪華な扉が開かれ、フカフカのソファーへ案内された。
「ハルト!この椅子すごいね。座り心地良すぎ。」
そう言うと…
「お前緊張感ないね。」
と一言。
あっ、ハルト実は緊張してたのね?

そんな事をしていたら、ドアが開き、スラッと背の高い金髪の男の人が入ってきた。

すると、アデル様が騎士の礼をとったので、私達も慌てて真似をする。
「アデル、堅苦しいのはやめよ。皆も座ってくれ。」
「はい。殿下。では失礼します。」
そう言ってアデル様は礼のポーズを解き、私達の方を向き頷く。
多分座って良いという意味みたい。
てか殿下?もしかしたら第一王子かしら?
そっと顔を見るととても整った顔をしている。
えっとよく見るとフィンドレイ様にそっくりな目をしている気がする。
よく見ていると、目があってしまった。

「見れば見るほどよく似ている。」

そう言って殿下と呼ばれた美青年は、私の顔を見ながら言うのでした。
いやそれは私のセリフでは?
「 君は本当に妹とそっくりだね。確か……双子だったよね。」

目を細めて、昔を懐かしむように私を見る。
殿下と呼ばれたこの人は誰だろう?
私のことも知っているみたいだし……
「あの、どこかでお会いしましたか?」
そう言うと…

「やはり覚えていないよね。『リジューヴェネイション』」
殿下がそう言うと、えっ?!殿下が縮んでいく!?
そして…
「フィン!?…殿下。」
そう、殿下と呼ばれた人は出会った時の髪色は違うけれど…フィンが少し成長した姿になりました!
ハルトも驚いた顔をしている。

「このサイズの時に昔君とお茶会で会ってるよ。覚えていないかい?」
と小さな殿下はおっしゃいました。
きっと私ではなく、リアムが会ったのよね。
「申し訳ありません。記憶が……。」
「良いよ。多分君達が10歳位かな?綺麗な双子だと思ったんだよ。妹君にも話しかけたかったんだけど、ガードが固くて行けず、まず君に話しかけたんだよね。君を見ると益々妹君お目にかかりたいと思うよ。」

私?
10歳のお茶会……
そう言えばリアムと一緒にとっても素敵なお庭のお茶会にお呼ばれした気も……

「そうでしたか…。あの、フィンドレイ様はいったいおいくつなんですか?ちょっと驚き過ぎて……」
「フィンで良いよ。僕は18歳だよ。そこのアデルと同じだ。」
えぇーアデル様も?って事は……知っていましたね。
アデル様を見ると……
にっこり笑ってます。
「アデル様……ご存知なら教えてくださっても良かったのでは?」
と思わず言ってしまいました。
「フィン殿下の要望です。」
と一言。あ~ここは仲良しさんなんですね。
「フィン殿下、では先程の姿が本当ですか?
「そうだよ。」
「何故あの日子どもお姿だったんですか?」
そうなんです。あの日何故あの姿であんな所にいたのか?
「囮みたいなもんだよ。」
「えっ?第2王子ですよね?」
この人は……
「フィン殿下は昔から言い出したら聞かないんだよ。」
アデル様が半ば諦めたようにおっしゃります。
「ところで……」
ハルトがやっと発言しました。
「何かな?アデルの弟。」
フィン殿下がハルトも見る。
「アデルの弟のハルトです。お初にお目にかかります。殿下は何故危険な事をしながらこの事件に関わるのですか?」
私も思う疑問をストレートに聞いてくれた!
『リターン』
そう言ってフィン殿下は元の姿に戻る。
見慣れない美青年になんだか落ち着きません。

「私がこの事件を解決したいと思ったきっかけは、あるお茶会で見かけた綺麗な女の子がその後攫われそうになり、その日を境にどこにも出てこなくなってしまったのがきっかけなんだ。」
フィン殿下は私を見ながら言う。
もしかして…
「そう、君の妹がきっかけだったんだ。」

えっ?私?
「そんな……エレナとは面識も無かったのに?」
「あぁ、あの日君とは話したんだが、妹君の所までは行けなかったんだ。次こそは……と思っていた矢先の事だったんだ。」
13歳のフィン殿下。それがきっかけでこんな危ないことをするなんて……
「フィン殿下。妹の為にありがとうございます。しかし貴方は第2王子です。そんな事のために危険な真似はさせたくありません。」
そう言うと、
「いや、まぁきっかけは君の妹ではあったけれど、それだけでは無いんだよ。」
「それは何ですか?」
しばらく黙っていたハルトが聞く。
「この人攫いの目的に、ざっくり言うとこの国を混乱させる目的があったからだ。一応私もこの国を守る立場にある第2王子だからね。」
そう言われてしまうと…止めるのも難しそうだ。
「わかりました。極力僕達が貴方を守ります!」
ハルトが言う。私も精一杯頷いた。

でもまさかきっかけが私だっただなんて……てかどうしてかしら?
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