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作戦会議
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「まずは知っている情報を整理しよう。」
フィン殿下が言う。
「お願いします。」
とハルト。
「では私から……」
アデル様が話し始める。
「5年程前からこの国では10歳前後の子どもの誘拐が増えている。因みに未遂はリアム君の妹さんと今回フィンドレイ殿下の2件だと思われる。複数人で計画的に行っている。」
「攫われた子ども達はほとんどが魔力持ちが確認されていた様だ。」
とフィンが補足する。
「しかし、わ、妹は魔力持ちかどうかなんてわからなかったはずだ。」
そう。私はこの学校に来て、ハルトと出会って初めて知ったのだ。どうしてそんなことが?
「もしかしたら……魔力があると感じたんじゃないか?」
とハルト。
「えっ?感じる?ハルトも僕に魔力があると感じてたの?」
そう聞くと、
「そうだな。今思えばそう言えるだろう。」
「人によってそう言う感覚が冴えている人もいるって事だ。」
アデル様が言う。
「俺なら君を狙っただろうに…。」
ハルトが呟く。
「もしかしたら見た目が似ていたから間違えられたんじゃないのか?」
とフィン殿下。
いや、わかっていたから私が狙われたのね。
そもそもリアムに魔力があるかどうかもわからないけれど…
「ところで、その攫われた子どもたちは見つかっていないのか?」
とハルト。
「実は魔力が弱いと判断されたものはしばらくすると街外れで発見されるケースがいくつかあった。先日返ってきた子どもから聞く限り、しばらく特訓という名のしごきを受けたが、ライティング以上のことが出来なかったため返された様だと。そして、自分の他に5人の攫われたと思われる子どもたちがいたようだ。」
「では目的はその5人の奪還と言ったところかな?」
ハルトが言う。
「どこに居るかはわかっているんですか?」
と聞いてみる。
「残念ながら場所までは…帰って来た子はどうも記憶が曖昧な部分があるようだし。得た情報もすべてが正しいかはまだわからないよ。」
とアデル様。
「しかし、その子の言う話では、国王を狙う様な発言があったそうだ。細かい内容はわからないにせよ、国王暗殺などあってはならない事態だからね。そこで私の出番って訳だよ。」
とフィン殿下。
なんだか思っていたよりも大変なようです!
「では、今後どのように動きますか?」
と聞いてみる。
「また私が小さくなって囮を……」
フィン殿下が言い出したところで、
「却下。」
とアデル様。
そこで、思い付いた!
「僕が代わりに囮になります!」
「えっ?」
ハルトが驚く。
「妹になれば、もしかしたら攫い損ねた子だと気付いて接触してくるんじゃないかな?まぁあれからちょっと大きくなっちゃったから、対象として認識してくれるか怪しいけど…。」
我ながらとんでもない作戦だよな。でもこれしか思い付かなかったんだ。
みんなしばらく考えているようだったけれど…
「他に良い作戦も無いし……それ試しに行ってみようか!麗しの彼女に似た君の女装も楽しみだし!」
ってノリノリなフィン殿下です。
私ちょっと複雑な心境です。
「でもどうやって化けるんだ?」
とハルト。
「それは企業秘密よ。」
と笑っていうと、ハルトが赤くなって黙ってしまった。
「へ~ハルトはリアム君に弱いようだね。」
とアデル様。
訳知り顔でこっちを見ています。
なんとも居心地が悪いです。ハルトの方が倍は居心地悪そうですが!
「いつにしますか?実家に行って妹のドレスを借りてきます!」
そう言うと、
「では来週の今日にしよう。またあの裏路地で。」
フィン殿下が言う。
「わかりました。では犯人達が出てきたら、あっさり捕まった振りをしますので、皆さん付いてきて下さいね。」
「わかったよ。でも無茶するなよ。」
とちょっと心配そうな顔のハルト。
「大丈夫!ピンチの時は君が助けに来てくれるんでしょ?」
おどけていうと、一瞬驚いた顔をしたけれど、
「任せとけ!」
ってハルトが言いました。
思わずドキッとしちゃいました。
「おいそこ、男同士でいい雰囲気出すな~!」
ってフィン殿下にからかわれてしまいました。
フィン殿下が言う。
「お願いします。」
とハルト。
「では私から……」
アデル様が話し始める。
「5年程前からこの国では10歳前後の子どもの誘拐が増えている。因みに未遂はリアム君の妹さんと今回フィンドレイ殿下の2件だと思われる。複数人で計画的に行っている。」
「攫われた子ども達はほとんどが魔力持ちが確認されていた様だ。」
とフィンが補足する。
「しかし、わ、妹は魔力持ちかどうかなんてわからなかったはずだ。」
そう。私はこの学校に来て、ハルトと出会って初めて知ったのだ。どうしてそんなことが?
「もしかしたら……魔力があると感じたんじゃないか?」
とハルト。
「えっ?感じる?ハルトも僕に魔力があると感じてたの?」
そう聞くと、
「そうだな。今思えばそう言えるだろう。」
「人によってそう言う感覚が冴えている人もいるって事だ。」
アデル様が言う。
「俺なら君を狙っただろうに…。」
ハルトが呟く。
「もしかしたら見た目が似ていたから間違えられたんじゃないのか?」
とフィン殿下。
いや、わかっていたから私が狙われたのね。
そもそもリアムに魔力があるかどうかもわからないけれど…
「ところで、その攫われた子どもたちは見つかっていないのか?」
とハルト。
「実は魔力が弱いと判断されたものはしばらくすると街外れで発見されるケースがいくつかあった。先日返ってきた子どもから聞く限り、しばらく特訓という名のしごきを受けたが、ライティング以上のことが出来なかったため返された様だと。そして、自分の他に5人の攫われたと思われる子どもたちがいたようだ。」
「では目的はその5人の奪還と言ったところかな?」
ハルトが言う。
「どこに居るかはわかっているんですか?」
と聞いてみる。
「残念ながら場所までは…帰って来た子はどうも記憶が曖昧な部分があるようだし。得た情報もすべてが正しいかはまだわからないよ。」
とアデル様。
「しかし、その子の言う話では、国王を狙う様な発言があったそうだ。細かい内容はわからないにせよ、国王暗殺などあってはならない事態だからね。そこで私の出番って訳だよ。」
とフィン殿下。
なんだか思っていたよりも大変なようです!
「では、今後どのように動きますか?」
と聞いてみる。
「また私が小さくなって囮を……」
フィン殿下が言い出したところで、
「却下。」
とアデル様。
そこで、思い付いた!
「僕が代わりに囮になります!」
「えっ?」
ハルトが驚く。
「妹になれば、もしかしたら攫い損ねた子だと気付いて接触してくるんじゃないかな?まぁあれからちょっと大きくなっちゃったから、対象として認識してくれるか怪しいけど…。」
我ながらとんでもない作戦だよな。でもこれしか思い付かなかったんだ。
みんなしばらく考えているようだったけれど…
「他に良い作戦も無いし……それ試しに行ってみようか!麗しの彼女に似た君の女装も楽しみだし!」
ってノリノリなフィン殿下です。
私ちょっと複雑な心境です。
「でもどうやって化けるんだ?」
とハルト。
「それは企業秘密よ。」
と笑っていうと、ハルトが赤くなって黙ってしまった。
「へ~ハルトはリアム君に弱いようだね。」
とアデル様。
訳知り顔でこっちを見ています。
なんとも居心地が悪いです。ハルトの方が倍は居心地悪そうですが!
「いつにしますか?実家に行って妹のドレスを借りてきます!」
そう言うと、
「では来週の今日にしよう。またあの裏路地で。」
フィン殿下が言う。
「わかりました。では犯人達が出てきたら、あっさり捕まった振りをしますので、皆さん付いてきて下さいね。」
「わかったよ。でも無茶するなよ。」
とちょっと心配そうな顔のハルト。
「大丈夫!ピンチの時は君が助けに来てくれるんでしょ?」
おどけていうと、一瞬驚いた顔をしたけれど、
「任せとけ!」
ってハルトが言いました。
思わずドキッとしちゃいました。
「おいそこ、男同士でいい雰囲気出すな~!」
ってフィン殿下にからかわれてしまいました。
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