秘密の男装令嬢は貴族学校へ行く

ミント

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王子様とまさかのデート?

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「リアム、今日はやっと僕とデートだよ?」
そう言うのはフィン殿下。
「殿下、そんな目で見ないで下さい。」
殿下が甘い声で囁いてきます。
「フィン殿下、リアムに近すぎます!」
そう言うのはハルトです。
「ハルト、君は前回リアムと一緒にデートしただろ?それに毎日学校で一緒に居れるじゃないか。今日くらい僕がリアムを独占したって罰は当たらないんじゃないか?」
殿下は何を言っているのでしょうか?ってか男だっていってるのに。
ハルトが言い返す前に何とかしなければ!
「殿下行きますよ。ふざけて居る場合じゃありません。今日も頑張らないと。」
殿下を置いて歩き出すと、慌ててついてきた。
「リアム、気を付けて。少し離れたところで護衛してるから。」
ハルトが後ろから声をかけてくれた。振り返り
「よろしくお願いします。」
そう言って女装した私と、変装したフィン殿下と言うなんだかよくわからないコンビで街中へ入っていく。

「リアム、表情硬いぞ?そんなんじゃ可愛い顔が台無しだよ?」
茶化しながら言う殿下。
「殿下、僕は怒っているんですよ?」
そうなんです。殿下が私と一緒に歩くことは殿下に危険がある可能性が高いと言う事なんです。だから当初却下していたんです。なのに殿下が言うことを全然聞いてくれなくて…

「殿下って呼ばないでフィンって呼んで?変装している意味なくなっちゃうよ?」
私は怒っているのに、殿下は全く自分のペースで話しかけてきます。
「ではフィン様、今回フィン様の危険リスクが少なくなるために、僕が囮を代わったはずなのに、一緒に付いてきては意味がないではないですか。」
「僕はね、君だけに責任を押し付けて高みの見物を出来るような心は持ち合わせていないんだよ。」
もう何を言っても聞きません。
「仕方ないですね。でも何かの時には必ず自分の身をお守りくださいね。私も出来る限りお守りしますから。」
「わかったよ。お姫様の仰る通りに。」
「フィン様。ふざけ過ぎです。」
なんだかペースが乱されます。

「今日は日曜日だから、マルシェに行ってみようか。人がたくさん集まるだろうし。」
「マルシェですか?私行ったことないです!きっと色んなものがありますね。ハーブティーとかもあるかな?」
噂では珍しいものも結構手に入るって聞いたことがある!
思わず目的を忘れてワクワクしてしまった。
「いいね~リアムがその姿で『私』って使うと、まるで妹君と一緒にいるみたいだ。」
しまった。すっかり地が出てしまっていた。
でも女装中だから大丈夫かな?
「変装しているので。でもそんな反応されるんじゃ『僕』の方がいいですね。誰も会話なんて聞いてませんし。」
とりあえず、平常心、平常心。
「いや、どこで誰が聞いているかわからないからね。君はそのかっこの間は妹君だ。僕もエレナと呼ぶよ。」
いつも『妹君』って呼ぶから私の名前覚えていないと思ってた。
「わ、わかりました。この間は僕はエレナになります。」
久しぶりにエレナに…なんだか変な感じだ。

「エレナ、甘いものは好きか?」
唐突にフィン様が聞いてきました。
「甘いものですか?もちろん大好きですが?」
「じゃあマルシェの名物を一緒に食べてみようか。僕もここへ来るのははじめてだから詳しくは無いけど、侍女たちが絶賛している食べ物があると聞いてきたんだ。」
そういってフィン様はにっこり笑っています。
そう言えば王子様だからきっと自由に過ごすことってほとんどないのかもしれない。私同様楽しんでいるのかな?
「そうですね。是非食べてみましょう。」




「すごいですね。」
私たちはマルシェの入り口にいます。
入り口はアーチ形になっていて色とりどりのお花が飾られている。
中に入ればとてもすごい人、人、人!
後ろをちらっと見ると、少し離れたところにハルトとアデル様がいる。
多分ここから先は人混みに紛れてしまい逸れちゃうかも?とちょっと不安が過ぎる。
「大丈夫。アデルとは連絡取れるから。」
フィン様がウインクしながら言う。
私の考えてる事わかったんだなぁ。とふと思う。
なんだかんだでフィン様はやっぱり年上の貫禄と言うか考えがあるのかな?って思った。
「エレナ、君今結構失礼な事考えてない?」
何故かジト目で見てくるフィン様。
「えっ、フィン様もしかして人の心が読めたりするんですか?」
「そんな便利なものがあるならとっくに事件解決してるだろうな。」
って。そんなに便利なものは無いですよね?


人混みの流れに乗ってお店を見ながら進みます。
結構流れが速いみたい。
普段履きなれないヒールが辛い。
「あっ!」
思わず前を歩く人に躓いてしまった!
「しょうがないなぁ。こうすれば大丈夫だろ?」
そう言ってフィン様は私の手を取り繋いできた!
「えっ、フィン様!大丈夫ですから!」
流石に恥ずかしいじゃないですか!
自慢じゃないけど、こんな体験した事ないから恥ずかしい。
「ジタバタすんな。人も多いし迷子になられても困るからな。」
そう言いながらフィン様は前に進む。
私は顔が熱くなるのを感じながらついて行く。
何が起きている?なんで私殿下と手を繋いで歩いているの?
殿方とこんなに近付くなんて…
ていうかこれっていわゆるデート?
いやいや仕事で来てるのよね。

「エレナ。百面相だね。」
笑いながらフィン様が言う。
いつの間にか私を観察していたようだ。
恥ずかしい。
そうこうしてるうちにフィン様が立ち止まり、
「エレナ。お目当てのお店があったよ。」


それはパン生地を油で揚げて、中にクリームを挟み、粉砂糖をまぶしたお菓子を売っているお店でした。

出来立てをすぐに食べる。
「なんて美味しいの!」
感動しました。温かくてふわふわで蕩けそう!
「エレナ、幸せそうに食べるね。」
「フィン様、あまり私を見ないでください!」
フィン様といると、エレナと呼ばれるせいかリアムになっている事をつい失念してしまう。気をつけなきゃ。


「ってか私普通に美味しいもの食べてマルシェを楽しんでしまいました。すみません!」
そう言うと
「良いんだよ。僕もこの瞬間を楽しんでいるから。君が楽しんでいるなら尚更良かったよ。」
なんだかフィン様が輝いてみえます。
「ではこれから頑張りますね。」
た私達はまたゆっくり歩き出します。
すると少し先で大きな声が聞こえてきました。
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