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6章:迫られた選択
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しおりを挟むその一瞬の反応を金我は見逃さず
『食いついたな』と言いたげな表情で
またニヤリと笑う。
「このビルの長である代表取締役社長様が
どこの馬の骨かもわからぬ庶民と
あろう事か婚約をするなどと…
この街に住む人々が許すはずがないでしょう。
どんな契約をしたかは知りませんが
貴方様にも直接そう言った意見は耳にしているはず」
金我の確証した物言いに
社長は肯定も否定もせず
腕を組んで黙って何かを考えている。
イトカは金我の言葉にも驚いたが
それ以上に何も言わない社長に対して
”真実なんだ”と確信せざるを得なかった。
『自分のせいで…
婚約をした事で…
社長が解任される』
そんなのダメだって思い
イトカは口を挟んだ。
「あの、私はッ」
「お前は何も言うな!」
しかし最後まで言う前に
社長に強い口調で止められてしまった。
その眼は
バーでイトカが金我に触られていたときに
止めに入ったときと同じ。
誰も触れさせない程の殺気を放ちながら
静かに怒り心頭している。
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