隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第5章 暑く熱い夏です。

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けど…
まだ好きとか言われても
気持ちの整理が出来てない…

何も応えられない…


「ご、ごめん!
 こんな事いきなり言われても困るよなッ」

「え…」

「今のは忘れてくれッ
 困らせるつもりはないんだ。
 じゃ、じゃぁテントに戻るか」


アタシの反応で察したのか
返事を聞く前になかった事にされ
そのまま前を歩き出してしまった。

忘れろなんて…
無理に決まってんじゃん…


記憶に残りすぎるよ…―――


陽向さんからの本気の告白のおかげで
アタシ達はギクシャクしながら
無言のままでテントへと戻ってきた。


すると
料理の準備をしていたはずの
早乙女さん達だったが…


「だから何度も言ってんだろ!
 なんの関係もねぇってッ」

「何もないワケない!
すっごく優しくしてたモン!」


どうやら
モメているようです。


「何…どうかしたの?」

「七星さぁぁん!」


半泣き状態で駆け寄ってきた早乙女さん。
いったいどうしたって言うんだ?


「別にたいした事じゃねぇよ」

「私以外の女のコと仲良くしてる事が
 たいした事じゃないの!?」


…そういう事か。
 
 
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