隣人はクールな同期でした。

氷萌

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第5章 暑く熱い夏です。

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嫉妬深い早乙女さんの事だ。
たぶん煌月が他の女性社員と喋っていたのが
気に入らなかったんでしょ。

女心のわからんこの男に言ったところで
そんな彼女の気持ちに
気付いてないだろうし。


「煌月~
 あんま困らせちゃダメじゃん」

「はあ?
 困ってんのはこっちの方だ!」


…確かにそうだとは思います。

が。
穏便に済ましてもらわないと
長引くのよ、いろいろと。


「だいたいなー
 仕事もそうだけど
 他の社員と話くらいするだろフツー。
 つーか、俺ら付き合ってねぇのに
 どうしてそこまで縛られるか
 マジでわっかんねぇ」

「煌月!」


『本人を目の前にして
 そこまで言うな!!
 空気を読めッ』
って、目で必死に訴えかけたのに…


「ジンくんの…
 バカぁぁ!!!」

「え、ちょッ
 早乙女さん!?」


案の定。
彼女は泣きながら走り出してしまう状況に。


「何やってんの!
 アンタって男は
 本ッ当バカ!!」


アタシも目一杯の悪意を込めて
『バカ』の一言を食らわせてやってから
行ってしまった早乙女さんの後を追い掛けた。



 
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