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◆初夜やり直し編◆
5.ついにバレた!?
しおりを挟む「ど、どうされましたか? あ、ヴァルフレッド様も一緒に眠りますか? ではどうぞお隣へ――」
「君こそどうして寝ようとしているんだ? 最初に言っただろう? 『今夜は何が来ても天変地異が起きても絶対に中断はしない。覚悟してくれ』、と」
「へ?」
それを聞き、私は目をパチクリとさせる。
「や、やだなぁ。覚悟も何も、ヴァルフレッド様のヴァル様が“精”を全て解き放って力を使い果たし、現在は後日の出番の為に英気を養い中じゃないですか」
「…………アディル? 俺のに勝手に愛称を付けるのは止めてくれないか?」
「……あっ」
しまった! 心の中でずっとヴァル様ヴァル様連呼していたからつい言葉に出てしまったっ!
「あ、あはは……。それだけ愛しい存在だってことで……。そんな愛しのヴァル様を無理させちゃダメですよ? ヘニョーンとなってるんだから、もう今晩は出来ないでしょう? ゆっくりと休ませてあげましょう?」
「…………」
ヴァルフレッド様は微笑んだまま私の手を取ると、己の中心へと導く。
そして、そこにある出しっ放しのヴァル様を握らされた。
「…………っ!?」
私は驚愕の余り言葉を失う。衝撃で眠気も彼方へと吹っ飛んでしまった。
な、な、な何で……っ!?
どうしてこんなに固く大きくなってるのっ!?
しかも脈打って熱い……! めちゃくちゃ元気じゃないっ!?
「……なぁ、アディル。君は俺の愛する妻だ。この世界で妻を一番に愛しているのは俺だという自信がある」
「へ? あ、そ、それは……ありがとうございます……?」
「そんな愛する妻が、俺のを躊躇無く口に咥え、あまつさえ俺の精液を全部呑み干したんだ。歓喜せず興奮しない夫などいる訳がないだろう?」
「え、だ、だって! 興奮したとしても、体力と筋力が無ければ回復しないでしょう!? ヴァルフレッド様は、体力も筋力も無いはずなのに……っ!」
「…………」
ヴァルフレッド様はまたもや微笑んだまま、徐ろに己の着ている服を脱ぎ始めた。
「……あ……」
全裸になった彼を見て、私はまたもや驚愕の余り言葉を失う。
衝撃で身体の震えがガタブルと止まらない。
彼の身体は細身だけどしっかりと引き締まり、無駄な脂肪は一切無く、筋肉もバッチリと付いていた。
更に腹筋が綺麗に六つに分かれており、私が想像していたホッソリと線が細い“受け”の身体とは全く違っていた。
「え……えぇ……? ど、どうして……?」
「……魔物退治は遠征もあるんだ。体力と筋力が無ければ、長旅は耐えられない。すぐに病気になったり、息が切れて同行者達の足を引っ張ったり迷惑を掛けてしまう。なので魔導師でも体力と筋力は必要不可欠だ。俺は書物を読む他に、体力と筋肉向上の鍛錬も欠かさずしていた。――なぁ、アディル?」
目と口を大きく見開き、声も出ない私の頬に手をそっと添え、ヴァルフレッド様は優しく微笑んだ。
「君が“初夜のやり直し”を拒絶する理由は何だ? 言わなければ、君の服を無理矢理脱がせるが?」
「……っ!! そ……それだけはダメッ!! “推し”にムダ毛を見られるのだけは絶対に――」
「ムダ毛?」
「あ……っ!」
慌てて両手で口を塞いだけど、時は既に遅し――
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