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第3章「創世」
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(ひとつ、朗報があるの)
香菜子の念話からは弾んだ雰囲気が感じ取れた。
(実は菜々と萌々の双子たち、チートが使えたのよ。異世界転移する時に、チートを使うって選択していたのよ)
「何だと!だったら宝物庫のタブレットを使って錬金術を覚えさせるんだ!」
と、突然、菜々と萌々の念話が割り込んできた。
(もう使っとるわ!)
(うちらも立派な錬金術師やで)
双子たちの得意げな関西弁の念話が俺の頭の中に響いた。
「関西人はずる賢いからな。お前らみたいな関西娘が、チートを選択しないはずはないと思っていたんだ。やっぱり、単にタブレットが当たらなかっただけだったんだな」
(あんちゃん、そのうち、関西人にどつきまわされるで!)
「そんなことより、お前ら、何が出来るようになった?」
(うちらの使ったタブレットは、HEAL、X-RAY、Night vision、Speed up、Mapping、Enforceのお得なセットやった)
「なんだ、つまらん!どれもこれも初級の錬金術じゃないか」
(あんちゃんも似たようなもんやろ)
(それにうちらは二人で同じ術式を使ったら、威力が何倍にも増えるんやで)
「ほほう?」
(一人でX-RAY使うたら20ブロック先しか透視でけへんけど、菜々と萌々の二人で同時に透視したら20×20の400ブロックも先まで視れたんやで!)
「なるほどな。二人で同じ術式を使うと、指数的に威力が増加するわけか。さすがは双子だな」
(どや!すごいやろ!)
「だが地底脱出の役には立たないな。俺はタブレットを使って、もっと便利な術式を憶える計画だったんだぞ」
と、またまた別の誰かの念話が割り込んで来た。
(カエル男さん!私、打って付けの新しいレシピを憶えましたよ!)
「今の念話は誰だい?」
(陸上部二年生、大塚 美乃里です。牢屋ではお世話になりました!)
「いやいや、こちらこそお世話になったね。どう、元気してる?」
(はい!おかげ様で、みなさんと合流して、仲良く暮らしています)
(カエル男には気をつけなさいよ。油断するとたちまち妊娠させられるからね)
「こら!今のは誰の念話だ?余計なこと教えるな!それより美乃里さん。新しいレシピって何だい?」
(みんながこの地底世界から脱出して、地上に戻れる乗り物を作れるんです)
「地底世界から脱出出来る乗り物?」
(熱気球です!)
美乃里が宝物庫のタブレットを使って新しく覚えたレシピの中に「熱気球」があったそうだ。
熱気球は原理も構造も単純で、空中を浮かんで地上に上がるのには最も安全な乗り物だと言える。
「なるほど!気球なら簡単に作れて、安全に空を飛ぶことができるな!」
(でも、そうは簡単には作れないんですよ)
美乃里の説明によると、熱気球を作るには3つのパーツを揃える必要があった。
球皮と呼ばれる大きな「風船」、球皮内の空気を加熱する「バーナー」、そして人が乗るため「バスケット」である。
(バーナーとバスケットは地底にある資源で作れます。問題は風船なんです。風船を作るには大量の牛革が必要になるのです。でも、地底世界には牛が一頭もいません)
「よし、わかった!俺が地上で牛革を集めて、すぐにそっちに持って行ってやる!」
(本当ですか!?ありがとうございます!)
「だから俺が行くまで、勝手に宝物庫のタブレットを使うんじゃないぞ!あれ、俺が使うんだからな!」
(――――さすが、カエル男ね。いっそ、清々しいぐらいの自己中だわ)
「今、言ったのは香菜子だな!そんなイヤミを言うなら、子供を認知してやんねぇぞ!」
(何ですって!?)
香菜子の憤激の念話が、激しく俺の頭の中をかき回した。
「ご、ごめんなさい!冗談です!俺も早く我が子をこの手で抱きしめたいです!」
俺はまたしてもその場にひれ伏し、地面に頭を擦りつけた。
(あれ?俺ってハーレムを作ろうと本能の赴くままに頑張ってきたけど、どんどん立場弱くなってねぇ?)
その様子を隣で見ていた美衣奈は、またしても深くため息をついた。
「なんだかあなた、変わってしまいましたね」
「えっ!なんのことだよ?」
「以前のあなたはもっと傍若無人で尊大で厚かましい下劣な人でした」
「す、すみません!」
「ほら!今もそうしてすぐに謝る。以前のあなたはどんな卑劣なことをしてもけっして反省したり、謝罪したりするような人ではなかったと思います」
えらい言われようである。
「な、なんだよ!俺もいろんな経験を積んで、人間的に成長したんじゃねぇか」
香菜子の念話からは弾んだ雰囲気が感じ取れた。
(実は菜々と萌々の双子たち、チートが使えたのよ。異世界転移する時に、チートを使うって選択していたのよ)
「何だと!だったら宝物庫のタブレットを使って錬金術を覚えさせるんだ!」
と、突然、菜々と萌々の念話が割り込んできた。
(もう使っとるわ!)
(うちらも立派な錬金術師やで)
双子たちの得意げな関西弁の念話が俺の頭の中に響いた。
「関西人はずる賢いからな。お前らみたいな関西娘が、チートを選択しないはずはないと思っていたんだ。やっぱり、単にタブレットが当たらなかっただけだったんだな」
(あんちゃん、そのうち、関西人にどつきまわされるで!)
「そんなことより、お前ら、何が出来るようになった?」
(うちらの使ったタブレットは、HEAL、X-RAY、Night vision、Speed up、Mapping、Enforceのお得なセットやった)
「なんだ、つまらん!どれもこれも初級の錬金術じゃないか」
(あんちゃんも似たようなもんやろ)
(それにうちらは二人で同じ術式を使ったら、威力が何倍にも増えるんやで)
「ほほう?」
(一人でX-RAY使うたら20ブロック先しか透視でけへんけど、菜々と萌々の二人で同時に透視したら20×20の400ブロックも先まで視れたんやで!)
「なるほどな。二人で同じ術式を使うと、指数的に威力が増加するわけか。さすがは双子だな」
(どや!すごいやろ!)
「だが地底脱出の役には立たないな。俺はタブレットを使って、もっと便利な術式を憶える計画だったんだぞ」
と、またまた別の誰かの念話が割り込んで来た。
(カエル男さん!私、打って付けの新しいレシピを憶えましたよ!)
「今の念話は誰だい?」
(陸上部二年生、大塚 美乃里です。牢屋ではお世話になりました!)
「いやいや、こちらこそお世話になったね。どう、元気してる?」
(はい!おかげ様で、みなさんと合流して、仲良く暮らしています)
(カエル男には気をつけなさいよ。油断するとたちまち妊娠させられるからね)
「こら!今のは誰の念話だ?余計なこと教えるな!それより美乃里さん。新しいレシピって何だい?」
(みんながこの地底世界から脱出して、地上に戻れる乗り物を作れるんです)
「地底世界から脱出出来る乗り物?」
(熱気球です!)
美乃里が宝物庫のタブレットを使って新しく覚えたレシピの中に「熱気球」があったそうだ。
熱気球は原理も構造も単純で、空中を浮かんで地上に上がるのには最も安全な乗り物だと言える。
「なるほど!気球なら簡単に作れて、安全に空を飛ぶことができるな!」
(でも、そうは簡単には作れないんですよ)
美乃里の説明によると、熱気球を作るには3つのパーツを揃える必要があった。
球皮と呼ばれる大きな「風船」、球皮内の空気を加熱する「バーナー」、そして人が乗るため「バスケット」である。
(バーナーとバスケットは地底にある資源で作れます。問題は風船なんです。風船を作るには大量の牛革が必要になるのです。でも、地底世界には牛が一頭もいません)
「よし、わかった!俺が地上で牛革を集めて、すぐにそっちに持って行ってやる!」
(本当ですか!?ありがとうございます!)
「だから俺が行くまで、勝手に宝物庫のタブレットを使うんじゃないぞ!あれ、俺が使うんだからな!」
(――――さすが、カエル男ね。いっそ、清々しいぐらいの自己中だわ)
「今、言ったのは香菜子だな!そんなイヤミを言うなら、子供を認知してやんねぇぞ!」
(何ですって!?)
香菜子の憤激の念話が、激しく俺の頭の中をかき回した。
「ご、ごめんなさい!冗談です!俺も早く我が子をこの手で抱きしめたいです!」
俺はまたしてもその場にひれ伏し、地面に頭を擦りつけた。
(あれ?俺ってハーレムを作ろうと本能の赴くままに頑張ってきたけど、どんどん立場弱くなってねぇ?)
その様子を隣で見ていた美衣奈は、またしても深くため息をついた。
「なんだかあなた、変わってしまいましたね」
「えっ!なんのことだよ?」
「以前のあなたはもっと傍若無人で尊大で厚かましい下劣な人でした」
「す、すみません!」
「ほら!今もそうしてすぐに謝る。以前のあなたはどんな卑劣なことをしてもけっして反省したり、謝罪したりするような人ではなかったと思います」
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