一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる

朝山みどり

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04 ギルド長の心配

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おれはギルド長をしている。初心者冒険者の多い、のどかなギルドだからたいした仕事はない。

一番おおきな仕事はポーション屋を守ることだと言える。

このまえ肝をひやす事件が起こった。ミーナのところの居候のフィルが男をかついでやってきたのだ。

そいつはなんでもミーナを脅迫したらしいのだ。そいつを殺さんばかりのフィルを落ち着かせて話を聞くと
こいつはミーナの過去の王都の知り合いで、過去を触れ回ると脅したんだそうだ。

王都と聞いておれは王宮とか神殿を思い浮かべ、背景のおおきな影を想像してずーーんと気が重くなったが杞憂だった。

すぐにそいつのことを調べるとただのケチな野郎だったからだ。

ミーナ、聖女であり王太子の婚約者であった彼女の護衛だったらしい。断罪の際彼女の腕をとってねじあげたのは彼だったらしい。

彼は多分はめられたのだろうが、賭け事でおおきな借金を作りその返済のためにミーナを売ったようだ。

その後、王都にいられなくなりこの地で、はやぶさ隊にはいり、なんとなくやっているときにミーナを見かけた。変わらなすぎて驚いたらしいが、ミーナだとわかるとおどして小遣いを稼ごうと思ったらしい。

やっかいな背景がないのはわかったので、釈放することにした。殺しておくほうが楽でいいが、うちで殺すと厄介だからな・・・・

釈放したが、はやぶさ隊でも懲罰として独房にいれたらしい。そして翌朝、死体でみつかったらしい。

隊にいれているスパイの報告によると、喉をつぶされて声がでない状態で、体を切り刻まれていたらしい。ただ武器の特定がまだできないそうだ。

だれかから恨まれていたようだ。だがこれ以上のことはわからない。かれは共同墓地に葬られた。

クズがひとり消えた。そう思うことにした。

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