神子の余分

朝山みどり

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23 街歩き ルーク目線

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今日は、休みだが臨時の休みだ。僕は、この町に来てのんびりした事がないのだ。いや、この町じゃないな・・・この世界に来てから、ずっとまわりをまわりの目を警戒していた。

だから、今日は町を探検しようと考えたのだ。大げさだなゆっくり散歩しようと思ったのだ。

それで、きょろきょろしながら、町を歩いた。

先ず、部屋を出るとギルドと反対方向に歩き始めた。むっ・・・神殿がある。小さいから呼び名が違うだろうな。教会?礼拝所?こんな事も知らずにここまで来てしまっている。だけどこれから覚えて行けばいいんだ。

そして、やはり気持ちが落ち着かないので、僕は神殿の前を通らずに済むように、角を曲がった。

すると診療所と看板のある建物があった。看板には、癒し魔法の使い手がいると書いてあった。

治癒魔法は神殿にいると思っていたが、町でも働いているのか・・・・あの魔獣の襲撃で怪我した人はこういった人が治したのだろうか?

そして進んでいくと広場があり、屋台がいくつか出ていた。

「かっこいいお兄さん、美味しいよ」「お兄さん、かっこいいからおまけするよ」とか声をかけられた。

随分お世辞を言うなぁと思ったが・・・・・この体、かっこいいんだった。ミツルギだから・・・・

はぁ、かっこいいのに落ち込む。

「おや、ルーク」と声をかけられた。

「ローレンス、戻ったんですか?」と返事をした。彼と一緒にいる人が、僕をじっと見てきた。

ローレンスは最近ハロルドのパーティに加わったが、ちょっと留守をしていた。それで今回は一緒じゃなかったんだ。

「あぁ、留守をしていたが知っててくれたんだ」

「えぇ、ハロルドから、聞きました。だから昨日いなかったですね」

「昨日って?いなかったって? 一緒になにかしたの?」とローレンスさんが噛み付かんばかりに、近寄ってくる。

「えぇぇその・・・・一緒に・・・狩りにハロルドと一緒にそれでローレンスがいなかったから」

「一緒に狩りに行ったの?あぁぁぁぁ一緒に・・・・」とローレンスが大声を出すから、屋台の人が呼び込みをやめて、僕たちを見ていた。

「はい、行きました」

「どうだった?」

「はい、魔獣を倒しました」

「そうだよね・・・・そうだ。ルークはいつもフェルナンドが護衛してるだろ?こんどから俺が護衛するから」

「護衛は必要ないです。それに今、森がおかしいから、僕は奥に行きません。だから護衛はいりません」


「奥に行かないってどういう事だ?おまえは冒険者だろう」とローレンスの後ろにいる人が、声を荒らげて話に加わった。

「お連れ様が待ってるようですね。それでは」と言うと僕は、引きとめようと僕の名を呼ぶローレンスの声を無視して、その場を離れた。


あれは誰だろう?感じ悪い人だ。そしてよく知ってる雰囲気の人だ。そう・・・・あの王子・・・・・

あの人がここを拠点にするようなら、僕は移動しよう・・・・・フェルナンドもいないし・・・・


僕は、この探検を始めた時の気分とは正反対の気分で、部屋に戻ったのだ。





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