わたしの運命の相手は輪廻を超えて会いに来てくれた。忘れていたけど覚えていた。

朝山みどり

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11 リチャードの思い

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帰りの馬車でステラは

「どうして、王子様の相手がわたしじゃないの?わたしの方がふさわしいですわ。どうしてですか?」と言い出した。

「わからないわ。でもこれで、これも・・・レベッカも役に立つ」と公爵が言うと

「そうよ、レベッカも公爵家の娘ですもの」と公爵夫人がレベッカを見ながら言ったが、レベッカは下を向いてなんの反応も示さなかった。

「ゴネリル先生の授業を増やさなくてはね。教科書を取り寄せて勉強しなくては」と公爵夫人が言うと

「おれも教えるよ」とリチャードが言いだした。

「ずるい、あれに教えるならわたしに」とステラが答えると

「あれではないだろう。レベッカは姉だぞ」とリチャードが言うと

「そんなのは初めて聞きました。いつもお兄様もお父様もお母様もあれとかあいつとかそれって言ってます」とステラが怒鳴った。

それを聞いた公爵はすごく驚いた顔で
「それとか、あれって呼んでいる?そう?なのか・・・」と呟いた。

夫人も
「そんな・・・こと・・・」と呟いた。

それから馬車のなかに沈黙が落ちた。

家に付いて、馬車の扉が開けられた。

公爵が降りた。ついで夫人に手を差し伸べて降ろした。

リチャードが降りるとすぐにステラが助けられて降りた。

ついでレベッカが差し出されたリチャードの手を無視して馬車から降り立った。

一行は執事が開けた玄関から家に入った。そのまま居間へ向かったが、レベッカは自分の部屋へ向かった。

それに気がついたリチャードが

「レベッカ、どこに行くんだ」と呼び止めた。

「部屋に戻ります」と顔を少しむけて答えるも歩みを止めない妹にリチャードは腕をつかむと

「居間で話そう」と言った。

「いえ、わたくしは娘でなく、妹でもありません。忘れておりませんので、ご心配なく」と言うと腕を振り払った。

「そういうことではない・・・そんなことは」とリチャードが呟いたがレベッカはさっさと歩いて行った。





ゴネリルはレベッカの部屋に来るといつものように、チトラとお茶を飲んでお喋りを楽しんだ。

「王子様と婚約ですってね。形だけの婚約なんでしょうね。王子様も気の毒に」とゴネリルが言うとチトラが
「そうなんですよ。なんと言っても生まれは良いですからね」と笑うと手に持っていたビスケットがポンと跳ねて手から落ちた。

「あら、作法がダメでしてよ」とゴネリルが教師の口調で言うと
「無能ですの、許されて」とチトラが答えて、二人はゲラゲラ笑った。
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