【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

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05 冷たい世界

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 わたしつきの侍女はリリーと言う名前でわたしをばかにしていたが、まぁ食事だけは持って来てくれた。

 頼めば侍女長に連絡をとってくれて、わたしは図書室に入る許可も庭をうろつく許可も貰えた。




 公爵家は最低限の衣食住の面倒は見てくれているけど、ここにずっといるつもりはない。お金を貯めて出て行く。

 お金の為にポーションを作りたいが、薬草をなんとかしなくては。

 とりあえず、仕事をしよう。小説なら冒険者ギルドに行くが・・・・・


 わたしは、庭をうろついていた時に見つけた塀の隙間から、外に出た。そして大通りに出ると冒険者ギルドの場所を教えて貰い、そちらに向かって歩いた。

 登録はすぐに出来た。説明によると、ちょっとしたお手伝い程度の仕事もあると言う事だ。

 お使いとか、お掃除のような仕事もあるし帳簿付けなどもあるようだ。

 あと商品棚にポーションの瓶があるので、確認すると作った物を買い取ってくれると言う事だ。


 薬草の見本を見せて貰うと、庭で見かける物がある。なんとかなりそうだと安心したわたしは、ギルドを出るとお使いの仕事をするために便利かもと思いながら、町をぶらついてから公爵家に戻った。

 部屋に戻るとお昼のお盆が置いてあったが、いつもの用意されているお茶はついていなかった。その変わりは水。ただの水があった。食べてから庭にでて隅の薬草を採集した。鮮度が落ちないようにすぐにギルドに持って行った。


 早く持って行った甲斐があって少し良い査定をして貰った。あと何度かやればポーションの瓶を買えるだろう。

 そしたらポーションを売って稼げるようになるはずだ。


 わたしはちょっとうれしい気分で公爵家に戻った。


 そして、お風呂にはいろうと思ったら、お湯が出なかった。困って誰かに言おうと使用人を探してうろうろしていたら、侍女長がいた。事情を話したわたしに向かって侍女長は

「なに贅沢な事を言ってるの。働かないで食べさせて貰っているくせにお湯が欲しいですって。呆れたわ。今日の夕食は抜きよ。反省なさい」

 そういうとぷりぷりと去って行った。

 ほんとに嘘つき、なにが大切にするよと思ったが誰に文句を言えばいいのか・・・・・なんとか、なんとかして・・・・いつかまとめてやり返してやる。


 夜、体を水で拭いた。おなかがすいて眠れない。日本の事を思い出していると泣けて来た。

 あの日、不動産屋に寄る前に、コンビニで肉まんを買ったんだ。あれはあのままあっちに、置いて来たのかな?あぁあれがここにあったら・・・・・肉まん食べたい・・・・・

 っと肉まんが出てきた。??肉まん??なんで出てきた?暖かいし!!

 これって能力って事?


 落ち着け。肉まん食べながら考えた。これって小説のアイテムボックスだよね。ってことは携帯。携帯が出て来た。

 これは買っただけの新しい携帯で・・・・充電されてる。暖かい肉まん。充電された携帯。

 ただの入れ物より機能がいいよね。中身を全部確認したい。中身を・・・と思ったら一覧表が目の前に現れた。


 トランク中身入り。バッグ中身そのまんま。お茶のペットボトル。チョコレート。のど飴。

 あちらから持って来たって事は能力は向こうからかな?考えてもわからない。ただあの魔法士は嘘つきだ。迎えが来ないことを知っていて、意地悪したんだ。


 携帯が充電出来てるって事から、魔石に充電出来るかもと浴室の空になった魔石を外すとアイテムボックスに入れた。

 魔力が補充出来てるといいけど・・・・


 いろいろ考える事があるけど、眠気に逆らえずわたしは寝てしまった。


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