【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

文字の大きさ
13 / 69

13 宿で

しおりを挟む
 お風呂から上がってきたレオンに

「犬を食堂に連れて行っても大丈夫だと思う?」と聞いたら、少し考えて

「店主の考えがあるかと」と答えた。そりゃそうだと受付で確認すると、

「おとなしくしてるなら大丈夫」と言う事なので、わたしのリュックに入れて連れて行った。


 隅に案内して貰ってレオンに向かって

「レオン好きなものをどうぞ」給仕には

「なにか、これは美味しいよって言うのはある?」

「今日は豚肉の煮込みが美味しいですよ。りんごのソースがいい出来です」

「わたしはそれを。レオンは?お肉がっつりはある?」と給仕に聞いたけどレオンは

「いや、同じものを」と答えた。

「煮込みを二つ。それから食後になにかある?」

「りんごのコンポートがあります。生クリームを添えてどうぞ」

「レオンは好き?」

「いただきます」とレオンが少し笑って答えた。

「それと犬のお皿になるようなのがあったら、お皿をゆずって欲しいんですが」と言うと

「確認してきます」と給仕はにっこり笑って去って行った。

「サミー様、奴隷と一緒の食卓でいいのですか?」

「いいけど、普通は一緒じゃないの?」

「はい。奴隷は別のものを食べます」

「そうなのね。まぁ気にしないでいいわ。いざって時。まぁいつ死ぬかわからないから。美味しいものを食べていたほうがいいわ」

 そこに料理とチャーリーのお皿が来た。

 わたしの料理からお皿にお肉を入れると、チャーリーを床に下ろしてお肉を食べさせた。

 その様子を見ていた給仕は同じお皿をもう一枚持って来て、

「これはお水を入れて下さい。このお皿はわたしどもからのおまけです」と言った。

「ありがとう、言われるまで気付かなかった。チャーリーよかったね」と言うと小さく

「ヴァオ」と鳴いた。


 食事が済むとチャーリーをリュックにいれて部屋に戻った。



「さて、レオンは戦えるんだね。武器はどれがいい?この中で使える物があれば使ってだめなら買うから」とギルドの物置を掃除した時の武器を出して、ベッドに並べた。

「サミー様・・・・その・・・」といろいろ言いたそうだったが、黙って武器を手に取って調べると

 剣を手に取ってちょっと振って見ていたが、

「わたしはこれを使わせていただきたいです」と言った。

「いいけど、それは使いやすい?重いとか軽いとかあれば」

「これで大丈夫です」

「わかったそれをどうぞ。で他のは武器として使える物?」

「はい、どれも申し分ありません」

「売れば売れる?」

「はい、一度に売るのは良くないですが、それとわたしが持って行きます。サミー様が出したらびっくりされます」


「それとこの町は長居しないほうがいいかと思います」と言い出した。うん?とみると

「チャーリーが治っているのに気づかれると面倒です」と言った顔はわたしを心配している。確かにそうだよね。わたしもそう思ったし

「そうだね、チャーリーはリュックに入れておきましょう」

「それではわたしはお風呂に入って来ます。靴はそこに置いてね。悪いけどレオンとチャーリーは床で寝てね。お休み」と言うとわたしはお風呂に入った。




しおりを挟む
感想 322

あなたにおすすめの小説

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

あなたの運命になりたかった

夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。  コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。 ※一話あたりの文字数がとても少ないです。 ※小説家になろう様にも投稿しています

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

間違えられた番様は、消えました。

夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※ 竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。 運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。 「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」 ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。 ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。 「エルマ、私の愛しい番」 けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。 いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。 名前を失くしたロイゼは、消えることにした。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...