【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

文字の大きさ
23 / 69

21 お茶の正体

しおりを挟む
 媚薬の匂いを嗅ぎたいと言うと、匂いに反応する人もいるからと、ちゃんと準備してからと止められた。

 それで、買って来たお茶を順番で試して行く事にした。

「サミー様急ぐ事はないですよ。それにサミー様が気にした薬草が、なにかわかっていますから後日買って来ます。それまではお茶とお料理を楽しんで下さい」とガイツが言うとレオンもうなづいていた。

「そうね、でも早くガイツの皮を剥きたいんだけどね。ガイツ一番得意な攻撃はなんだったの?」

「どれもそれなりに得意ですよ。剣も使えますしね」と上ずった声で答える。なにかあやしい?!



 その夜は、香りの強いきのこのオムレツときのこのグラタン。ガイツが入れたお茶を飲みながらだと、なんというか鼻が馬鹿にならずに香りの印象がずっと同じ・・・・・

 オムレツにしたきのことグラタンのきのこの香りの違いがよくわかる。なんというか香りというつかめないものがつかめるように感じると言うか・・・まぁガイツが作る料理がおいしいからなのかも?

 美味しい組み合わせを発見しただけでもよかった。

 デザートはりんごのコンポートが出た。今日はシナモン風味が加わっている。美味しい。

 ガイツはこれだけで充分もとが取れてるから、皮を剥ぐ必要はないが、買った以上充分に活用したいのだ。

 アイテムボックスに入れてみるかな! いや、失敗したらごはんが・・・チャーリーは犬だし・・・死にかけだったし・・・

 やめよう。いくらガイツの為でも・・・うん。やめるぞ!!



 翌日もお昼にわたしはにんにくを大量にいれた、野菜炒めを作ってもらった。レオンはにんにく少なめでガイツが作ってやってた。この二人、仲がいいな。

 食後に飲んだお茶でにんにくの匂いが消えた?多分! チャーリーに、ハーーーってしてみるわけにもいかないよね。聞いては見たけど。



「これって匂いが消えたの?それとも強い匂いが前の匂いを打ち消した?」って尋ねると

「ワオ・・・ん・・」と答えた。どっちだ?



 そしてある朝とてもいい天気だったので、前に行き損なった湖に行こうということになった。


 前回より今回はお弁当が豪華だ。お買い得ガイツのおかげだ。

 今回は徒歩ではなく馬車で行く。馭者は二人が交代でやると言う事で、わたしはチャーリーと並んで座り景色を楽しんだ。


 そして、先ず最初に自作の毒消しポーションはじめ、各種ポーションを取りやすい所に用意して、媚薬の蓋を開けた。

 匂いがわかりやすいように小皿に移す。

 匂いを嗅ぐと、なんとなく知ってる匂いだ。思い出せないのがもどかしい。視野に入っているのに見ようとすると消えてしまうそんな感じだ。

 ちなみに誰も変な気分にならなかった。そこでガイツに飲むように言った。

 カイツが浮かれて暴れてもレオンなら取り押さえられるし、わたしのポーションの臨床試験になるからと思ったが、

 レオンが

「サミー様、屋外では駄目です」と言ったので実験は取りやめた。

 でも屋内なら良いって事だから、こんど家で飲ませるんだ。



 それからは、お弁当を食べ、散歩をし、湖に浮かぶ鳥を観察したり薬草を探したりゆっくり遊んだ。

 今日は薬草が見つけやすい、なんというか・・・・・そう、鼻が利くのだ。くんくんと薬草を見つけた。




 おやつの焼き菓子を食べるのに、ガイツがお茶をいれた時、覚えのある匂いが漂って来た。

 小皿の媚薬は地面に捨てた。そしてその方面から吹いてきた風をお茶の匂いが混ざったのか?

 神殿のお茶の匂いだった。

 二人にどう説明すればいいのかまとまらない。もう少し検証して・・・・ガイツに使うのだ。



 帰りの馬車ではチャーリーと一緒に寝てしまった。気がついたら居間のソファで寝ていて、チャーリーは床で丸くなっていた。

 充実した疲れた一日だった。







しおりを挟む
感想 322

あなたにおすすめの小説

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

完結 貴方が忘れたと言うのなら私も全て忘却しましょう

音爽(ネソウ)
恋愛
商談に出立した恋人で婚約者、だが出向いた地で事故が発生。 幸い大怪我は負わなかったが頭を強打したせいで記憶を失ったという。 事故前はあれほど愛しいと言っていた容姿までバカにしてくる恋人に深く傷つく。 しかし、それはすべて大嘘だった。商談の失敗を隠蔽し、愛人を侍らせる為に偽りを語ったのだ。 己の事も婚約者の事も忘れ去った振りをして彼は甲斐甲斐しく世話をする愛人に愛を囁く。 修復不可能と判断した恋人は別れを決断した。

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

夫が運命の番と出会いました

重田いの
恋愛
幼馴染のいいなづけとして育ってきた銀狼族の族長エーリヒと、妻ローゼマリー。 だがエーリヒに運命の番が現れたことにより、二人は離別する。 しかし二年後、修道院に暮らすローゼマリーの元へエーリヒが現れ――!?

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

あなたの運命になりたかった

夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。  コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。 ※一話あたりの文字数がとても少ないです。 ※小説家になろう様にも投稿しています

処理中です...