31 / 69
29 公爵家で アーネスト目線
しおりを挟む
俺は侍女長の部屋へ行った。
「お前が番の面倒を見てくれたんだな?」
侍女長はまっさおになったが、
「わたくしは番さまとして大切に致しました。・・・奥様の御意向通りの事を致しました」
「なるほど、どのように大切にしたのか話してくれ。重そうな錬金鍋を持っていたそうだな」
「はい、従者が番さまのお部屋まで、運びました」
「なるほど、部屋までか・・・」
「・・・」
「そのあとはどうしたんだ?」
「番につけたメイドは誰だ?」
「リリー」
俺はリリーに会うために部屋を出た。
「アーネスト様、お待ちください」と侍女長が言ったが無視をした。侍女長を部屋から出すなと命令した。
厨房に行くと
「アーネスト様お帰りになったそうですね。今回は早かったですね。夕食はお好きな物を作りますよ。ご希望は?」とコックが笑いかけてきた。
昔から俺の好物をたくさん作ってくれるいいやつだ。
「今回ばかりは嫌気が差してね。置いて帰ってきた」
「そうですか。わたし風情が言うのもなんですが、アーネスト様は人がいいですからね。ケツまくったほうが・・・いや下品な・・・お下品な言い方をしました。尻をまくるですかね・・・まぁ早く帰ったのはいいことですよ」
「あぁ、留守の間、なにかあったかい?」
「別に・・・なにも・・・そういえば、離れに誰か来たんですがね、いつのまにかいなくなりました」
「離れに・・・それは誰だい?」
「さぁ、リリーが一応ついてんですがね。対してやることはなかったそうですよ。それが最初はそれなりの食事を出してたんですが、ある日侍女長が怒って、パンとスープだけになって、パンも残り物の固いパンでいいとかって・・・スープも一回分を薄めて二回に分けろとかって・・・ちょっと気の毒だけど言いつけは守りましたよ。一体なにをしたんでしょうね」
「ちょっと興味があるな。リリーを呼んでくれ・・・あぁ怒ってるってことはないから、話を聞きたいだけだって呼んでくれ」
「君がリリー?離れに客だなんて珍しいと思って」と言うと
「えぇどうしてあの人が公爵家の客なのか不思議でした」
「不思議?」
「そうですよ。貧相で粗末な服を着てました。まぁ食事を運ぶだけでいいから面倒はなかったけど・・・図書室に行ったり庭を散歩するくらいだから、邪魔にならなかったけど、なぜか侍女長を怒らせたみたいで、食事が粗末になったのよ。あれは気の毒かしらね。まぁ仕事もしないで食事ができてるから・・・それがある日急にいなくなったんですよ。食事が残っているから、どうしたのかなって思ったんですけど・・・」
「探したのかな?」
「さぁ、わかりません」
「部屋を見たい」
「はい。案内します」
リリーが案内した部屋は間違いなくあの部屋だった。部屋にはいるとリリーはためらいなく、クローゼットを開けると
「不思議なんですよ。ドレスが三枚ありますけど、ここにいた人、ドレスはいつもこれを着てたんですが全部置いていったんですよ。最初変わった服を着てたんですけどね。
なにも持って行ってないって不思議ですよね。お部屋に大きなお鍋とかもって来たんですけど、なくなってました。それ以外は全部もとのままです。最初に着てた風変わりな服を着て行ったのでしょうね」
「そのドレスはお客の為に用意したものかな?」
「えぇ、そうだと思います。最初からここにありました。実は侍女長から捨てるように言われてました。内緒にして下さいね」
「そのままにしてくれ、見せたいやつがいる」
リリーを下がらせて、部屋をじっくり見る。粗末な部屋に怒りが湧いて来る。そして番に会いに行きたい気持ちよりも母親を王太子を罰したい気持ちが強く、湧いてくる・・・
全部壊してやりたい。
「お前が番の面倒を見てくれたんだな?」
侍女長はまっさおになったが、
「わたくしは番さまとして大切に致しました。・・・奥様の御意向通りの事を致しました」
「なるほど、どのように大切にしたのか話してくれ。重そうな錬金鍋を持っていたそうだな」
「はい、従者が番さまのお部屋まで、運びました」
「なるほど、部屋までか・・・」
「・・・」
「そのあとはどうしたんだ?」
「番につけたメイドは誰だ?」
「リリー」
俺はリリーに会うために部屋を出た。
「アーネスト様、お待ちください」と侍女長が言ったが無視をした。侍女長を部屋から出すなと命令した。
厨房に行くと
「アーネスト様お帰りになったそうですね。今回は早かったですね。夕食はお好きな物を作りますよ。ご希望は?」とコックが笑いかけてきた。
昔から俺の好物をたくさん作ってくれるいいやつだ。
「今回ばかりは嫌気が差してね。置いて帰ってきた」
「そうですか。わたし風情が言うのもなんですが、アーネスト様は人がいいですからね。ケツまくったほうが・・・いや下品な・・・お下品な言い方をしました。尻をまくるですかね・・・まぁ早く帰ったのはいいことですよ」
「あぁ、留守の間、なにかあったかい?」
「別に・・・なにも・・・そういえば、離れに誰か来たんですがね、いつのまにかいなくなりました」
「離れに・・・それは誰だい?」
「さぁ、リリーが一応ついてんですがね。対してやることはなかったそうですよ。それが最初はそれなりの食事を出してたんですが、ある日侍女長が怒って、パンとスープだけになって、パンも残り物の固いパンでいいとかって・・・スープも一回分を薄めて二回に分けろとかって・・・ちょっと気の毒だけど言いつけは守りましたよ。一体なにをしたんでしょうね」
「ちょっと興味があるな。リリーを呼んでくれ・・・あぁ怒ってるってことはないから、話を聞きたいだけだって呼んでくれ」
「君がリリー?離れに客だなんて珍しいと思って」と言うと
「えぇどうしてあの人が公爵家の客なのか不思議でした」
「不思議?」
「そうですよ。貧相で粗末な服を着てました。まぁ食事を運ぶだけでいいから面倒はなかったけど・・・図書室に行ったり庭を散歩するくらいだから、邪魔にならなかったけど、なぜか侍女長を怒らせたみたいで、食事が粗末になったのよ。あれは気の毒かしらね。まぁ仕事もしないで食事ができてるから・・・それがある日急にいなくなったんですよ。食事が残っているから、どうしたのかなって思ったんですけど・・・」
「探したのかな?」
「さぁ、わかりません」
「部屋を見たい」
「はい。案内します」
リリーが案内した部屋は間違いなくあの部屋だった。部屋にはいるとリリーはためらいなく、クローゼットを開けると
「不思議なんですよ。ドレスが三枚ありますけど、ここにいた人、ドレスはいつもこれを着てたんですが全部置いていったんですよ。最初変わった服を着てたんですけどね。
なにも持って行ってないって不思議ですよね。お部屋に大きなお鍋とかもって来たんですけど、なくなってました。それ以外は全部もとのままです。最初に着てた風変わりな服を着て行ったのでしょうね」
「そのドレスはお客の為に用意したものかな?」
「えぇ、そうだと思います。最初からここにありました。実は侍女長から捨てるように言われてました。内緒にして下さいね」
「そのままにしてくれ、見せたいやつがいる」
リリーを下がらせて、部屋をじっくり見る。粗末な部屋に怒りが湧いて来る。そして番に会いに行きたい気持ちよりも母親を王太子を罰したい気持ちが強く、湧いてくる・・・
全部壊してやりたい。
470
あなたにおすすめの小説
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
あなたの運命になりたかった
夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。
コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。
※一話あたりの文字数がとても少ないです。
※小説家になろう様にも投稿しています
番を辞めますさようなら
京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら…
愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。
※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡
忌むべき番
藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」
メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。
彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。
※ 8/4 誤字修正しました。
※ なろうにも投稿しています。
間違えられた番様は、消えました。
夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※
竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。
運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。
「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」
ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。
ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。
「エルマ、私の愛しい番」
けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。
いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。
名前を失くしたロイゼは、消えることにした。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる