【本編完結】番って便利な言葉ね

朝山みどり

文字の大きさ
60 / 69

58 フィルさん

しおりを挟む
 即位式の案内に元王太子のフィルさんが隣国に行ったが、なんとそこで番が見つかったそうだ。

 アーネストがキューピットじゃないかと思ったが、黙っている。番さんは皇帝の姪にあたるお姫様だと言う事で即位式にはその人が出席するらしい。

 どんな人かと楽しみに待っていたら、華やかな美人だった。お互いにそつのない付き合いが出来たと思う。

 即位式の前に招待客を招いた夜会を催したが、ウィルヘルムはまだ成人前の子供なので、最初だけで、ほとんどはアーネストとわたしが、お招きした形となってとっても大変だった。ダンスの練習とか、ダンスの練習とか・・・

 それが終わると、挨拶を受けたが、笑顔で顔が痛くなったほどずっと笑っていた。疲れた。


 ウィルヘルムだが、水関連の事で平民の人気がものすごい事になっているし、下位の貴族も助かっているらしい。

 そしてわたしは、馬車でのパレードをすると思っていたが、王都に五箇所ある広場に、観覧席を作りそこを転移陣で回って挨拶というか・・・殺陣を見せるらしい・・・

 それって、アイドルがやるあれ?って思ったけど、魔石を思う存分使える魔法士たちが、いろいろ考えたそうだ。

 国威高揚とか?? 遊んでいるとしか思えないが・・・まぁ楽しいならそれでいいかって事で。

 最初の会場は招待客と貴族が観客ということで、演出も凝っているらしい!

 長いこと研究できなかった人たちが、研究にかける意欲は本当に素晴らしい。


 そして今日、フィルさんがアーネストに会いにやって来た。番の美人さんは街を見学していると言う事で一人でやって来た。

 わたしはアーネストのすすめで別室から覗き。

「やぁフィル。番とはどっちに住むの?」

「向こうだよ」

「え? マークとクロエはどうするの?」

「面倒見るのは無理だ。彼女のお世話だけしかできない」とフィルさんは答えた後、

「アーネスト。その・・・あんまり好きじゃなくても番になるのだろうか?君は・・・」とためらいながら、尋ねている。

「大好きですよ。俺は・・・でも俺は最初離れていましたよね・・・いえいえ恨んでいるとか、そういう次元の問題はもう終わってますよ。今、最高に幸せですし・・・だけど今は離れるなんて考えられらないですね。

 多分、フィルもだんだんそれがわかると思いますよ。なんせ番ですからね」とアーネストが意味ありげに言うのをフィルさんは顔を引きつらせて聞いている。

「彼女は悪い子じゃないし、でもなんか違うような気がして・・・番だからかな?」とフィルさんは自分に言い聞かせるように言っている。

「もし、マークを迎えに行かなかったら、君はすぐに番に出会えて・・・僕たちの関係は変わらなかったと思うかい?」

「そうですね、わたしはなにもしなかったでしょうね。のんきなブルーリードの跡取りで、たまにマークとクロエの面倒を見ていたでしょうね」とアーネストが答えた。

「はーーーーそれは・・・そうだろうね・・・でも君はマークを迎えに行ってくれた」とフィルさんが言った。

「フィル、一つ確認したいのだが、神殿の鑑定士に嘘を言わせたのは君かい?」

「嘘?いやなにもしてないぞ・・・鑑定士が嘘を言ったのか? え?サミーは能力があるのか?そうかシャンプーとかそんなのを・・・」

「そうだ。能力はある。それを能力なしと言われてせいで苦労した・・・母も悪いが」

「いや、なにもしていない。クロエと結婚させたいと夫人に言っただけだ」とフィルが答えるのを

「そうか・・・わかった」とアーネストが答えた。


 そうだよ。あの鑑定士は嘘を言った。その事にアーネストが、気づいてくれた。さすがは番だ!!


「そろそろ行くよ、街歩きの途中でばったりあってお茶をしたいらしいから」と言うとフィルさんは出て言った。

 フィルさんの番さんは、番に夢を見てるのかしら!!

 わたしは、アーネストに後ろから近づくと、ぎゅっと抱きついた。




しおりを挟む
感想 322

あなたにおすすめの小説

逃した番は他国に嫁ぐ

基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」 婚約者との茶会。 和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。 獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。 だから、グリシアも頷いた。 「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」 グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。 こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。

あなたの運命になりたかった

夕立悠理
恋愛
──あなたの、『運命』になりたかった。  コーデリアには、竜族の恋人ジャレッドがいる。竜族には、それぞれ、番という存在があり、それは運命で定められた結ばれるべき相手だ。けれど、コーデリアは、ジャレッドの番ではなかった。それでも、二人は愛し合い、ジャレッドは、コーデリアにプロポーズする。幸せの絶頂にいたコーデリア。しかし、その翌日、ジャレッドの番だという女性が現れて──。 ※一話あたりの文字数がとても少ないです。 ※小説家になろう様にも投稿しています

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

忌むべき番

藍田ひびき
恋愛
「メルヴィ・ハハリ。お前との婚姻は無効とし、国外追放に処す。その忌まわしい姿を、二度と俺に見せるな」 メルヴィはザブァヒワ皇国の皇太子ヴァルラムの番だと告げられ、強引に彼の後宮へ入れられた。しかしヴァルラムは他の妃のもとへ通うばかり。さらに、真の番が見つかったからとメルヴィへ追放を言い渡す。 彼は知らなかった。それこそがメルヴィの望みだということを――。 ※ 8/4 誤字修正しました。 ※ なろうにも投稿しています。

間違えられた番様は、消えました。

夕立悠理
恋愛
※小説家になろう様でも投稿を始めました!お好きなサイトでお読みください※ 竜王の治める国ソフームには、運命の番という存在がある。 運命の番――前世で深く愛しあい、来世も恋人になろうと誓い合った相手のことをさす。特に竜王にとっての「運命の番」は特別で、国に繁栄を与える存在でもある。 「ロイゼ、君は私の運命の番じゃない。だから、選べない」 ずっと慕っていた竜王にそう告げられた、ロイゼ・イーデン。しかし、ロイゼは、知っていた。 ロイゼこそが、竜王の『運命の番』だと。 「エルマ、私の愛しい番」 けれどそれを知らない竜王は、今日もロイゼの親友に愛を囁く。 いつの間にか、ロイゼの呼び名は、ロイゼから番の親友、そして最後は嘘つきに変わっていた。 名前を失くしたロイゼは、消えることにした。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

運命の番?棄てたのは貴方です

ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。 番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。 ※自己設定満載ですので気を付けてください。 ※性描写はないですが、一線を越える個所もあります ※多少の残酷表現あります。 以上2点からセルフレイティング

処理中です...