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第六話 終わって始まる
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「それは、さすがですね」と書類を手に取ってその場でじっくりと見た。
「これは気になる文言ですね。わたくしからの接触を禁止しているのに、そちらからの接触は不問ですよ」とテリウス様を見ると
「だから可愛げがないんだ」と返って来たので
「籍を抜くだけですので、わたくしが役所に行って手続きを済ませますので」と言って玄関を出ようとすると
「わたしも行くよ」とテリウス様が動き、ラーラも
「一緒に行きたい」と言ったがすぐに
「あっ着替えないと」と言うと二階に上がって行った。
「先に役所に行って待っています。一時間後に」と先に屋敷の門を出ようとして気がついた。
アドレー様の車が止まっていた。
「エリザ様」と言いながら近寄って来たのは、ダイスだった。
「あぁダイス。会えてよかった。首になったんですって、ひどいわね」
「いえ、かまいません」と話していたらアドレー様が車から降りて来た。
「二人とも乗って、こんな所で話すのは迷惑だよ」
「どうぞ、エリザ様」
「あっ・・・はい」とわたしは車に乗った。
「ダイスはわたしが送り込んだ」とアドレー様が言った。
「そんな気が・・・ありがとうございます。その役所へ行く所です」
「承知しました」とアドレー様がふざけて返事をしてくれた。
役所王城の敷地内だ。車を止めた。
「こちらへ」とアドレー様に手を取られてベンチに座ると
「もっと、ちゃんとして所で言いたかったが、わたしはエリザ様に一目惚れしました。だから、もっともっと助けたかった。でもあなたは一人で立っていた。それも美しかった。そしてこの状況だ。腹が立つが、歓迎したい気持ちもある。あなたの意志を尊重します。わたしをそばに置いて下さい」
「ありがとうございます。助けていただいて感謝しております」
「わたしの事務所で働いて下さい。能力はダイスから報告が・・・」
「ありがたいです。どこに行こうかと思ってましたので。そのアドレー様のおそばで学べるのは嬉しいです」
一時間待った。テリウス様だけやって来た。
わたしは、持ち出した荷物をテリウス様に見せて確認して貰ってその旨署名を貰った。
平民になってもわたしの名前は変わらない。エリザ・マリアンヌ・シスレーのままだ。
以前は貴族だけに家名があった。平民は生まれた所から移動しないからそれで区別が出来ていたが、物や人が移動するようになると名前だけだと、誰が誰やら・・・そこで平民にも家名が出来たのだ。
わたしはアドレー様の所で雇われた。アドレー様のそばで補佐をする仕事をすることになった。
先ず、自動車の運転を習いに行った。
自分がこの重い乗り物を動かしていることが。そして機械なのに上手く繋いでやらないとぶるぶる震えて抗議をすることが。抗議された後もたもたしているとエンジンが止まることが。あたりまえだけど、なんだか不思議だった。
この無骨で無機質な自動車を可愛く思うことが不思議だった。
難関のタイヤ交換をこなして合格した。
「これは気になる文言ですね。わたくしからの接触を禁止しているのに、そちらからの接触は不問ですよ」とテリウス様を見ると
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「わたしも行くよ」とテリウス様が動き、ラーラも
「一緒に行きたい」と言ったがすぐに
「あっ着替えないと」と言うと二階に上がって行った。
「先に役所に行って待っています。一時間後に」と先に屋敷の門を出ようとして気がついた。
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「あぁダイス。会えてよかった。首になったんですって、ひどいわね」
「いえ、かまいません」と話していたらアドレー様が車から降りて来た。
「二人とも乗って、こんな所で話すのは迷惑だよ」
「どうぞ、エリザ様」
「あっ・・・はい」とわたしは車に乗った。
「ダイスはわたしが送り込んだ」とアドレー様が言った。
「そんな気が・・・ありがとうございます。その役所へ行く所です」
「承知しました」とアドレー様がふざけて返事をしてくれた。
役所王城の敷地内だ。車を止めた。
「こちらへ」とアドレー様に手を取られてベンチに座ると
「もっと、ちゃんとして所で言いたかったが、わたしはエリザ様に一目惚れしました。だから、もっともっと助けたかった。でもあなたは一人で立っていた。それも美しかった。そしてこの状況だ。腹が立つが、歓迎したい気持ちもある。あなたの意志を尊重します。わたしをそばに置いて下さい」
「ありがとうございます。助けていただいて感謝しております」
「わたしの事務所で働いて下さい。能力はダイスから報告が・・・」
「ありがたいです。どこに行こうかと思ってましたので。そのアドレー様のおそばで学べるのは嬉しいです」
一時間待った。テリウス様だけやって来た。
わたしは、持ち出した荷物をテリウス様に見せて確認して貰ってその旨署名を貰った。
平民になってもわたしの名前は変わらない。エリザ・マリアンヌ・シスレーのままだ。
以前は貴族だけに家名があった。平民は生まれた所から移動しないからそれで区別が出来ていたが、物や人が移動するようになると名前だけだと、誰が誰やら・・・そこで平民にも家名が出来たのだ。
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先ず、自動車の運転を習いに行った。
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難関のタイヤ交換をこなして合格した。
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