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第七話 ラーラ 01
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ラーラ目線
ある日、ママが変わった。
「ラーラ、これからはわたしのことをお母様と呼びなさい」
「え?ママ。どうしたの?」
「お母様でしょ。今、言ったじゃない」
それからママは口うるさくなった。
お肉と手で食べるなとか、りんごを齧るなとか、自分だってこっそりしているくせにわたしに注意する。
「そんなことでは、あの子に負けるわ」お母様が日に何度もこれを言う。
あの子?どこにいるの?負けるって?
そして、たまに来ていたパパがこう言った。
「終わったから迎えに来たよ」
「あぁ、やっとね」とお母様は言うとお父様に抱きついた。
新しい家は、お屋敷は大きくて静かで、なんだか大声で話してはいけない感じの場所だった。
初めてお屋敷入った日はいろいろあったようだが、いろいろな人や形が入り混じっていてよく思い出せない。そのなかでくっきりと覚えているのは、お姉様だった。
「エリザと申します」とだけ言うとその子はお姫様みたいにドレスの端をつまんで挨拶をした。
わたしは憧れた。その子になりたいと思った。そして負けていけないのがエリザ、お姉様。勝てるわけないじゃない!
だんだん、大きくなっていくうちにお姉様とわたしは三ヶ月しか違わないと知った。
ただ、学院の始まりが間に入っていて、わたしはお姉様の下の学年になった。
わたしがお屋敷に行った時、すでにお姉様は家庭教師からいろいろと習っていた。
わたしにもすぐに家庭教師が手配されて、字を習った。自分の名前を習って驚いた。
お母様が教えてくれていたわたしの名前はスペルが間違っていた。
家庭教師は
「妻ある人を誘惑したとか・・・教養もない粗雑な育ちですものね」と言った。
その時、彼女が浮かべていた表情は、その後いろいろな人の顔に見た。
やがて、わたしは学院に入学した。入学式の翌日、生徒会主催の歓迎会があった。
お姉様が生徒会の一員としてわたしたちの世話をしてくれた。
「あぁ、エリザ様だ」「姉がいつも話してくれた人だ」「凛としてかっこいい」
「あの方がほら・・・」「あぁあの方・・・婚約者を見張らなきゃ」「そうね。気をつけなくちゃ」
あの方と言うのがわたしだと気づいた。わたしの母は卑しい生まれで、父を騙してわたしと言う子を設けた。そう噂されていた。
確かにお母様はわたしの名前をきちんと書けなかった。それがなんだと言うの。わたしは「ラーラ」それが「ヲーヲ」と書かれていてもわたしはわたしだし、今はお母様もちゃんと書けるわ。
学院の勉強は思ったより、むずかしい。家庭教師の言っていたことは本当だった。嫌味で言っていると思っていたんだけど。
ただ、学院ではみなが親しくはしてくれなかったけど、わかりやすく外されることもなかった。
お誕生日のお茶会にはみなが呼んでくれた。まぁクラス全員を呼ぶんだけど。
「ラーラ様、カップはそっと置くように注意なさって見て、音を立てない!と思えば動作がもっと綺麗なりますわ」
親切に教えてくれたと思ったけど違っていた。
「お母様はそういうことを教えて下さらないの?」
「だめよ。この方のお母様は平民上がりよ」
「この前、わたくしのお母様のお茶会にお呼びしたら、賑やかだったんですって」
「えぇ、あの時ですねって、わたくしも母が聞いただけですけど、オホホホって感じで笑うんですって」
「オホホホホホですか?」
「えぇ実際にオホホホホホって笑う人を始めて見たって母が」
「あなたのお母様は真面目な見た目と違って面白がりですってね。うちの母が・・・同級生で楽しく過ごしたって」
「そうですわね。この学院は代々同窓生、同級生だから油断ならないのよね」
「ほんと、お祖母様が転んで花壇に転げ込んだ話を何度聞かされたことか?」
「あっごめんなさい。ラーラ様。あなたにわからない話をしてしまって。今日はカップの置き方を学んで下さいませ」
「お代わりをどうぞ」と侍女がお茶を注いでくれた。
ある日、ママが変わった。
「ラーラ、これからはわたしのことをお母様と呼びなさい」
「え?ママ。どうしたの?」
「お母様でしょ。今、言ったじゃない」
それからママは口うるさくなった。
お肉と手で食べるなとか、りんごを齧るなとか、自分だってこっそりしているくせにわたしに注意する。
「そんなことでは、あの子に負けるわ」お母様が日に何度もこれを言う。
あの子?どこにいるの?負けるって?
そして、たまに来ていたパパがこう言った。
「終わったから迎えに来たよ」
「あぁ、やっとね」とお母様は言うとお父様に抱きついた。
新しい家は、お屋敷は大きくて静かで、なんだか大声で話してはいけない感じの場所だった。
初めてお屋敷入った日はいろいろあったようだが、いろいろな人や形が入り混じっていてよく思い出せない。そのなかでくっきりと覚えているのは、お姉様だった。
「エリザと申します」とだけ言うとその子はお姫様みたいにドレスの端をつまんで挨拶をした。
わたしは憧れた。その子になりたいと思った。そして負けていけないのがエリザ、お姉様。勝てるわけないじゃない!
だんだん、大きくなっていくうちにお姉様とわたしは三ヶ月しか違わないと知った。
ただ、学院の始まりが間に入っていて、わたしはお姉様の下の学年になった。
わたしがお屋敷に行った時、すでにお姉様は家庭教師からいろいろと習っていた。
わたしにもすぐに家庭教師が手配されて、字を習った。自分の名前を習って驚いた。
お母様が教えてくれていたわたしの名前はスペルが間違っていた。
家庭教師は
「妻ある人を誘惑したとか・・・教養もない粗雑な育ちですものね」と言った。
その時、彼女が浮かべていた表情は、その後いろいろな人の顔に見た。
やがて、わたしは学院に入学した。入学式の翌日、生徒会主催の歓迎会があった。
お姉様が生徒会の一員としてわたしたちの世話をしてくれた。
「あぁ、エリザ様だ」「姉がいつも話してくれた人だ」「凛としてかっこいい」
「あの方がほら・・・」「あぁあの方・・・婚約者を見張らなきゃ」「そうね。気をつけなくちゃ」
あの方と言うのがわたしだと気づいた。わたしの母は卑しい生まれで、父を騙してわたしと言う子を設けた。そう噂されていた。
確かにお母様はわたしの名前をきちんと書けなかった。それがなんだと言うの。わたしは「ラーラ」それが「ヲーヲ」と書かれていてもわたしはわたしだし、今はお母様もちゃんと書けるわ。
学院の勉強は思ったより、むずかしい。家庭教師の言っていたことは本当だった。嫌味で言っていると思っていたんだけど。
ただ、学院ではみなが親しくはしてくれなかったけど、わかりやすく外されることもなかった。
お誕生日のお茶会にはみなが呼んでくれた。まぁクラス全員を呼ぶんだけど。
「ラーラ様、カップはそっと置くように注意なさって見て、音を立てない!と思えば動作がもっと綺麗なりますわ」
親切に教えてくれたと思ったけど違っていた。
「お母様はそういうことを教えて下さらないの?」
「だめよ。この方のお母様は平民上がりよ」
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「えぇ、あの時ですねって、わたくしも母が聞いただけですけど、オホホホって感じで笑うんですって」
「オホホホホホですか?」
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「あなたのお母様は真面目な見た目と違って面白がりですってね。うちの母が・・・同級生で楽しく過ごしたって」
「そうですわね。この学院は代々同窓生、同級生だから油断ならないのよね」
「ほんと、お祖母様が転んで花壇に転げ込んだ話を何度聞かされたことか?」
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「お代わりをどうぞ」と侍女がお茶を注いでくれた。
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