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第八話 ラーラ 02
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その次のお茶会でも、ラーラの母の行状が話題になった。
「ラーラ様、お召し物ですが、少し襟あきが大きいですわ。それだと夜のドレスになります」
「ケイト様は親切ですが、物言いが直接過ぎませんか?」
「あら、平民に理解しやすいようになさったんですよね。わたくしはわかりますわ」
「まぁそうだったのですか?わたくしとしたことが、ご無礼いたしました・・・ふふっふ」
「「「ハハハハ」」」と三人は笑うと
「ラーラ様、お茶の飲み方がまだ下手ですね。練習なさって」と言うとそばに来ていた侍女に場所を譲った。
侍女はお代わりを注いだ。
わたしのマナーがどんなによくなってもママのマナーが悪いから馬鹿にされる。ママが結婚せずにわたしを生んだ事実をみんなは忘れてくれない。
心配している振りで馬鹿にして来る。見てなさい。必ず見返してやるし、仕返ししてやる。
なのに、ママがちゃんとしてないから、わたしの婚約が決まらない。伯爵令嬢なんですもの。伯爵以上じゃないといやだわ。
そう思っていて気がついた。わたしが後継になればいいんだって。テリウス様は王宮の文官だから、お仕事はちゃんと出来る。
わたしは伯爵夫人として社交をすればいいんだわ。ママの娘だから馬鹿にされるけど、れっきとして伯爵夫人になれば馬鹿にする人はいないわ。
そう思って、テリウス様が声をかけやすいように、庭を一人で散歩していたら向こうからやって来た。
思っていた通り、前から思し召しがあったのようで、随分、性急に口説かれた。
「やっぱり、思ってた通りあなたは可愛い。あなたと婚約したかったのに、家の為だと言われて。
そんなに我慢しているのにあの人と来たら、夫になるわたしを蔑ろにして・・・
もしかしてあなたにも辛い思いを?」と言われたから、黙って下を向いた。
「やはり、そうなのか・・・もしかしたらと思っていたが・・・わたしがあの人をもっと抑えられたらいいのに。すまない」と言うなり強く抱きしめられた。
「あなたのように可愛い人を巻き込みたくなかったら、抑えられない。実はお祖父様とも話をしていて、お祖父様はあなたを後継にと思っておられて・・・でもあなたのように可愛い人をそんな場に」
「大丈夫ですわ。この家はわたしにとっても大事な家です。お義姉様の好き勝手にはさせません。わたしだってお父様の娘です。お義姉様には負けません」とテリウス様をしっかりと見て拳を握って言って、はっと口を抑えて
「いや、わたしったら、こんなことを・・・怖くなって来ました」と両腕を抱えた。
すると
「わたしがついています。お祖父様も。親戚も。皆が可愛いあなたの味方になります。守ります」とテリウス様がわたしの頭をなでてくれた。
そして、お義姉様に廃嫡と婚約解消と告げた。
お姉様は泣いた。いい気味だ。そして自分の部屋へ行くと、カバンひとつ持って出て行った。
廃嫡の書類は一緒に行って出すみたいだ。可愛げないとテリウス様がこぼしていた。
わたしも行こうとしたが、着替え間に合わないのでやめにした。
「お利口で待っていておくれ」とテリウス様は出かけた。
テリウス様が戻って来ると、両手を広げた。
わたしはその腕に飛び込んだ。
「この家が綺麗になった。女系などいらない。シスレー伯爵家を支配するのは男子の後継だ」とテリウス様が晴れやかに言った。
それから、テリウス様との結婚式の話になった。
これからは、伯爵家としての格式を守った生活にすると言うことで、結婚式は派手にすることになった。
そしてこれはお祖父様の顔を立てることにもなる。
ただ、わたしは隣りで笑い声を立てる母を見て、決心した。
この下品な女と縁を切ると。
この女がいる限り、わたしが庶子であることを皆が思い出す。
思い出して馬鹿にする。だから、この女はいらない。
「ラーラ様、お召し物ですが、少し襟あきが大きいですわ。それだと夜のドレスになります」
「ケイト様は親切ですが、物言いが直接過ぎませんか?」
「あら、平民に理解しやすいようになさったんですよね。わたくしはわかりますわ」
「まぁそうだったのですか?わたくしとしたことが、ご無礼いたしました・・・ふふっふ」
「「「ハハハハ」」」と三人は笑うと
「ラーラ様、お茶の飲み方がまだ下手ですね。練習なさって」と言うとそばに来ていた侍女に場所を譲った。
侍女はお代わりを注いだ。
わたしのマナーがどんなによくなってもママのマナーが悪いから馬鹿にされる。ママが結婚せずにわたしを生んだ事実をみんなは忘れてくれない。
心配している振りで馬鹿にして来る。見てなさい。必ず見返してやるし、仕返ししてやる。
なのに、ママがちゃんとしてないから、わたしの婚約が決まらない。伯爵令嬢なんですもの。伯爵以上じゃないといやだわ。
そう思っていて気がついた。わたしが後継になればいいんだって。テリウス様は王宮の文官だから、お仕事はちゃんと出来る。
わたしは伯爵夫人として社交をすればいいんだわ。ママの娘だから馬鹿にされるけど、れっきとして伯爵夫人になれば馬鹿にする人はいないわ。
そう思って、テリウス様が声をかけやすいように、庭を一人で散歩していたら向こうからやって来た。
思っていた通り、前から思し召しがあったのようで、随分、性急に口説かれた。
「やっぱり、思ってた通りあなたは可愛い。あなたと婚約したかったのに、家の為だと言われて。
そんなに我慢しているのにあの人と来たら、夫になるわたしを蔑ろにして・・・
もしかしてあなたにも辛い思いを?」と言われたから、黙って下を向いた。
「やはり、そうなのか・・・もしかしたらと思っていたが・・・わたしがあの人をもっと抑えられたらいいのに。すまない」と言うなり強く抱きしめられた。
「あなたのように可愛い人を巻き込みたくなかったら、抑えられない。実はお祖父様とも話をしていて、お祖父様はあなたを後継にと思っておられて・・・でもあなたのように可愛い人をそんな場に」
「大丈夫ですわ。この家はわたしにとっても大事な家です。お義姉様の好き勝手にはさせません。わたしだってお父様の娘です。お義姉様には負けません」とテリウス様をしっかりと見て拳を握って言って、はっと口を抑えて
「いや、わたしったら、こんなことを・・・怖くなって来ました」と両腕を抱えた。
すると
「わたしがついています。お祖父様も。親戚も。皆が可愛いあなたの味方になります。守ります」とテリウス様がわたしの頭をなでてくれた。
そして、お義姉様に廃嫡と婚約解消と告げた。
お姉様は泣いた。いい気味だ。そして自分の部屋へ行くと、カバンひとつ持って出て行った。
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そしてこれはお祖父様の顔を立てることにもなる。
ただ、わたしは隣りで笑い声を立てる母を見て、決心した。
この下品な女と縁を切ると。
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