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01 会いたくて早く帰ったのに カオリ目線

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土地の買い上げが完了した。最後まで反対していた地主さんと趣味の仏像めぐり先で出会って話をしたのが、きっかけで話がすすんだ。

その後は、やり手の部下がちゃっちゃと手続きを済ませてくれて、予定より一週間も早く部屋に帰った。

同棲相手も今週は出張の予定だから帰っても一人だ。

ビールとつまみを適当に買い込んで家路を急ぐ。今日は帰るだけだからと楽なジャージで移動した。

ちょっと寒くなってきたから、トレンチを上に羽織った。絶対知り合いに会えない格好だ。


普段ヒールの音を響かせて歩く道をクロックスでどたどた歩く。

鍵をあけて中にはいる。うん?ヒールの高いサンダル!わたしこんなの持ってたかな?

スーツケースを玄関に置いて奥へ行く。なにこの音。テレビつけっぱなしで出張に行った?・・・・たく

リビングのドアをあけて・・・・・・あけて

お尻が。・・・・足が・・足が・・・1・2・3・3・4・・・・四本・・・上下運動。誰?てか誰と誰!

尻の向こうの頭がこちらを向いた。トオル・・・・ミナちゃん

この尻、トオルの尻を蹴飛ばした。うわーーと言いながら倒れた所に蹴りをいれる。どこに当たったかわからない。

裸だってことはわかる。下の尻はすでに移動済み・・・・

テレビ見ながらしてたの?

「くたばりやがれ」と言うとわたしはクロックスを履いて外にでた。

すぐに引き返してスーツケースとサンダルを手に持って外にでた。


マンションロビーのゴミ箱にサンダルを放り込んで気がついた。ビールおいて来ちゃった。


ロビーから出てしまったと思った。携帯の充電が切れてた。いいや、とりあえず駅までと思ったら横に車が止まった。


「カオリ?やっぱカオリだ。どうしたんだ?」

「男に浮気されたところ」

「浮気?家出か・・・・乗れよ」

「乗れよ。俺って紳士だから・・・・レディを助けたい」

そういうと、車から降りてスーツケースを後部座席に押し込むと助手席を開けて押し込むようにわたしを乗せた。

運転席に戻ると

「俺んちでいいな」というと車を出そうとして、もう一度車を降りた。助手席のドアを開けて

「コート窮屈そうだな、一度降りて脱いで」



もう一度助手席に戻ったわたしにコートをかけた。


「ありがとう、助かった」わたしはお礼を言った。頭がぼーっとしてきた。


ドアが開いて気づいた。差し出された手を無意識にとった。


今になって涙が出そうになってる。アサトの前で・・・いや誰の前でも泣きたくない・・・・


「さっ、今のレディに必要なのは、ちょっとのアルコールと休息だ」


差し出されたグラスをぐいっとやった。なかの液体が喉を通った時気づいた。梅酒だ・・・・覚えていたの?





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