黙ってすっこんどいたら良かったのに

朝山みどり

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10 相談 ミナ目線

 今日は会社に着くとすぐトイレで主任に小声で相談した。主任が一番法律とか知っていそうだから。

「トオルさんの部屋の家具とか電気製品をカオリ先輩が勝手に売っちゃったんですよ。それって犯罪ですよね。人に言ったら駄目ってトオルさんが言うんですよ。だから主任絶対に内緒ですよ。それでトオルさんわたしの部屋に来てます。いっそわたしの部屋で同棲でもいいかな。カオリ先輩に暴力の慰謝料とか、泥棒のお金貰ったりすれば・・・・謝ってくれたら警察にも会社にも内緒にしてあげるつもりです。じゃ主任、内緒でね」


 その後、あまり話した事がない人からも

「大変だったね、がんばって」とか「応援してるよ」とか声をかけられたし、食堂ではカレンとキヨミとお喋りした。
「内緒だからね。だって犯罪だから言いふらしたくないってトオルが言うのよ」

「でも、みんな知ってると思うよ」

『みんな知ってるってどういうこと?そうか、主任だ。わたしは内緒ってちゃんと言ったからこれは主任のせいだ』

「内緒だって言って置いてね」


「それよりも、これ見て」とカレンがスマホを見せて来た。

 それはカオリ先輩だった。お金持ちそうな、おじさん。アパレル?マスコミ?わかんないけど、お金持ちでおしゃれなおじさんと腕を組んで歩いている。

「これって?」

「見かけたから、写メっといたの」とカレンちゃんが得意そうに言った。君は最高だよ!



 これから、カオリ先輩にいっぱい仕返しできると思うと、笑いたくなって我慢、我慢と自分に言い聞かせたのだ。




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