黙ってすっこんどいたら良かったのに

朝山みどり

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08 最悪だ カオリ目線

 アサトのマンションは会社に近いので朝が楽だ。アサトが作る朝食をたっぷり食べて部屋をでた。

 久しぶりの会社だ。有給の最終日に部屋の解約や荷物の整理をしたのは正解だった。休みが終わって仕事って切り替えできた。

 断捨離したらスッキリって本当だ。たとえ、半強制でも・・・・



 ??いつもならあちらから挨拶が来るのに無言で、視線だけ。しかもそれが離れない。つまりじろじろ見られている。

 あわてて、自分を見た。大丈夫よね・・・・・とりあえず

「おはようございます」とだけ言うと化粧室にはいった。

 鏡の前でたむろしていた女の子たちが、場所は空けてくれたがじろじろ見てクスっと笑ったりした。

 服装も化粧も問題なし。これはわたしへの虐めが始まっているという事。多分、ミナちゃんが始めた。

 寝取られたのは悲しい、愛していた。部屋を片付けて手料理を作って彼を待ちたかった。

「聞いてますか?だから、最低って言ってるんです」とカレンちゃんが腰に手をあてて話しかけていた。

「わたしが最低?」

「そうですよ。女の子みんな言ってますよ」

 ため息が出た。出張から帰ってとんでもないものをみて・・・・・アサトに拾って貰ったからまだなんとかなったけど・・・・自分の部屋なのに逃げ出して・・・着替えだってクローゼットを弄った痕跡があったから全部捨てた。
 これから買い足すのよお金かかるのよ・・・・なのに最低呼ばわりとは・・・・ミナちゃんの靴を見て、思わず

「それ、わたしの・・・・」

「トオルが良いって言ったもん」とミナちゃんがわたしだけに聞こえるように言った。



 わたしのデスクはいつも通り片付いて・・・・いなかった。紙コップ、お菓子の包み紙などが乗っていた。

 周りをみるとにやにや笑っている。仕方なく、片付けた。


 部下のコバヤシ氏と一緒に部長の元は報告に行ったら、わたしのやった仕事が全部、課長のナガヤマさんのやったことになっていた。

「それはおかしいですね。ナガヤマさんは現地に行ってないですよ」

「カオリさんはそういう融通の聞かない所が嫌われるんですよ。そうでなくても暴力事件を起こしてますね」

「暴力事件とはなんですか?」

「聞いてますよ。被害者から・・・・惚けないで下さい」と部長が大声で言った。

「被害者とは誰ですか?」

「まったく、居直るとは・・・・」と部長がため息混じりで言った。

「それには、理由が・・・・」

「理由があれば暴力を奮っていいと言うのかね、君は・・・・」

「いえ・・・・」しまったつい言い返した。セックスのことを言えないよね、いくらなんでも・・・・

「もう、いい・・・・次のプロジェクトは暴力女を入れるわけにいけない。外したから」

「あそこは・・・」

「なんだね。しつこいよ」

「申し訳ありません」と頭を下げて席に戻った。

 席に戻るとコバヤシ氏からメールが来ていた。

『どうもです。次のプロジェクトの概要を下さいね。カオリさんの事だからキーパーソンとか把握済みですよね。よろしくお願いしますね』

 事前に得た情報をを収めたフォルダ毎、メールした。

 不覚にも涙が出た。
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