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13 胸を借りました カオリ目線
会社から少しの所の待ち合わせ場所に行くと、もう車が止まってた。わたしが気づくとさっと降りて助手席を開けてくれた。
「お疲れ様・・・・なにか、あった?」
「疲れた。でも分かるの?」と聞くと、
「そりゃ、付き合いが長いから、レディの事はすぐにね」
「そっか」と横目で見ると向こうも横目で見てた。
「あの男?」
「うん、正確には女の方」
「厄介だな、夕飯の後でよかったら話して。聞きたい」とアサトが優しく言った。
「今日はなに?」
「俺の味・・・・」
「コロッケ?ハンバーグ?」
「正解、コロッケ。しかもポテトとクリームの二本立て」
「やったーーーー・・・・ありがとう」
「レディの為になって光栄です」
着替え終わってキッチンに行くとアサトはお皿を並べていた。
「座ってて。あっ飲むか?」
「うん、飲む」と言いながら冷蔵庫を開けてビールを取り出し
「これ」っと見せると
「缶ごと飲め」と・・・・・わかってるじゃないの。プシュッ
早速、コロッケにお箸を伸ばす。
「美味しい、味変わらないね。ほっとする」
お行儀悪く、すぐクリームコロッケも口に入れる。
「美味しい」
気がついたら一口毎に、美味しい、美味しいと言っていた。
涙がポロポロ出てきた。
アサトがそばに来て黙って抱きしめてくれた。気がついたらアサトの胸にしがみついてわぁわぁ泣いていた。
浮気されたわたしがどうして責められるの。仕事してない人が仕事したことになって全部持って行くってなによ。
プロジェクト外すとかなによ!!とか言ったような気がする。
せっかくのおかずが冷めていた。それに気づいたとき、涙が止まった。
「レディ、ご飯食べようか」とアサトが笑いながら言った。
「食べる、おいしいもん」と答えた。わたしの笑いは泣き笑いだった。
食べ終わってから、今日の出来事を報告する。
「そしたら、泥棒って言われたの。泥棒はあっちよね。人の恋人寝盗ったのよ。だのに・・・」
「確かにおかしいね」とアサトも首をひねっている。
「まぁ相手の言い分を聞くしかないね」
「うん、そうだけど、女の子がついてくるかもだから面倒。あっもしかしたら明日遅くなるかもだから、お迎えはいらない」
「うーーん心配だからお迎えはしたいな。車だし、仕事しながら待てるから。すれ違いはいやだからちゃんと言うよ。待ってるから、遅くなっても必ず来て」
「了解です」
あの時の状況を詳しく書き留めた。皆にいろいろ言われている時に唐突に頭にあの時の光景がお尻の背景が蘇ったのだ。
彼らが見ていたのは『笑撃大作戦』お笑い芸人が芸と人気で一位を目指す番組だ。あの日は歴代一位が集って、グランプリ芸人を決める日だったのだ。
そしてわたしがトオルを蹴ったのがそのまさに発表の瞬間だったのだ。
わたしは意識してなかったが、わたしの視界はたしかにテレビに映った優勝者、驚くミナちゃんの口がなにやら動いたのを見ていた。
今日、その映像がそっくり頭に浮かんだのだ。そう、上下ではなく前後運動。毛が生えていた事。蹴った瞬間トオルの息子さんがシュポンと抜けた所とか・・・・
きちんと書き留めると読み返して抜けがないことを確認して保存した。アサトにも忘れずに送った。
アサトからも今日のわたしの話をまとめたファイルが届いていた。
「お疲れ様・・・・なにか、あった?」
「疲れた。でも分かるの?」と聞くと、
「そりゃ、付き合いが長いから、レディの事はすぐにね」
「そっか」と横目で見ると向こうも横目で見てた。
「あの男?」
「うん、正確には女の方」
「厄介だな、夕飯の後でよかったら話して。聞きたい」とアサトが優しく言った。
「今日はなに?」
「俺の味・・・・」
「コロッケ?ハンバーグ?」
「正解、コロッケ。しかもポテトとクリームの二本立て」
「やったーーーー・・・・ありがとう」
「レディの為になって光栄です」
着替え終わってキッチンに行くとアサトはお皿を並べていた。
「座ってて。あっ飲むか?」
「うん、飲む」と言いながら冷蔵庫を開けてビールを取り出し
「これ」っと見せると
「缶ごと飲め」と・・・・・わかってるじゃないの。プシュッ
早速、コロッケにお箸を伸ばす。
「美味しい、味変わらないね。ほっとする」
お行儀悪く、すぐクリームコロッケも口に入れる。
「美味しい」
気がついたら一口毎に、美味しい、美味しいと言っていた。
涙がポロポロ出てきた。
アサトがそばに来て黙って抱きしめてくれた。気がついたらアサトの胸にしがみついてわぁわぁ泣いていた。
浮気されたわたしがどうして責められるの。仕事してない人が仕事したことになって全部持って行くってなによ。
プロジェクト外すとかなによ!!とか言ったような気がする。
せっかくのおかずが冷めていた。それに気づいたとき、涙が止まった。
「レディ、ご飯食べようか」とアサトが笑いながら言った。
「食べる、おいしいもん」と答えた。わたしの笑いは泣き笑いだった。
食べ終わってから、今日の出来事を報告する。
「そしたら、泥棒って言われたの。泥棒はあっちよね。人の恋人寝盗ったのよ。だのに・・・」
「確かにおかしいね」とアサトも首をひねっている。
「まぁ相手の言い分を聞くしかないね」
「うん、そうだけど、女の子がついてくるかもだから面倒。あっもしかしたら明日遅くなるかもだから、お迎えはいらない」
「うーーん心配だからお迎えはしたいな。車だし、仕事しながら待てるから。すれ違いはいやだからちゃんと言うよ。待ってるから、遅くなっても必ず来て」
「了解です」
あの時の状況を詳しく書き留めた。皆にいろいろ言われている時に唐突に頭にあの時の光景がお尻の背景が蘇ったのだ。
彼らが見ていたのは『笑撃大作戦』お笑い芸人が芸と人気で一位を目指す番組だ。あの日は歴代一位が集って、グランプリ芸人を決める日だったのだ。
そしてわたしがトオルを蹴ったのがそのまさに発表の瞬間だったのだ。
わたしは意識してなかったが、わたしの視界はたしかにテレビに映った優勝者、驚くミナちゃんの口がなにやら動いたのを見ていた。
今日、その映像がそっくり頭に浮かんだのだ。そう、上下ではなく前後運動。毛が生えていた事。蹴った瞬間トオルの息子さんがシュポンと抜けた所とか・・・・
きちんと書き留めると読み返して抜けがないことを確認して保存した。アサトにも忘れずに送った。
アサトからも今日のわたしの話をまとめたファイルが届いていた。
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