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第18話 筋肉痛
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「アリス、そろそろ時間だね」と横を歩いているアレクに言われて
「あと少し歩きたいです」とアリスは答えた。
「アリス、一度馬車に戻って、ちょっと確認しましょう」とデイビスが合図を送ると馬車が止まった。
三人が馬車に乗り込むと、ラズベリーがお茶を用意していた。
「アリス、血色が良くなりましたね。お茶が終わったらちょっとだけ診察します」
「大丈夫ですね。好きなだけ歩いていいですよ」とデイビスが言うとアレクが
「おい!好きなだけって」と非難がましく言った。
「大丈夫ですよ。無理しても」とデイビスが二人を見ながら言った。
そしてアリスは今、歩いている。アレクがどうしても譲らないので五十分歩いて休憩といった歩き方をしている。
「それにしてもアレク様。外を歩いて日に当たって風に吹かれるっていいですね」とアリスは笑い続けて
「わたくしの遅い歩みに合わせていただいてありがとうございます。迷惑かけてますね。必ずこの御恩」と言いかけたところで
「アリス。君が楽しむのが大事だ。それに体が丈夫だと言っていただろう。証明して貰ったほうがいいしね。まだ歩くんだろ。水を飲んでこれを食べて」とデイビスが言った。
この日アリスはたくさん歩いた。足が棒になるの意味がわかった。それに一日を通して歩いたので、夏の暑さのなかで歩く厳しさ。冬の寒さは、案外歩きやすいといったことを体験した。
デイビスの気遣いで夕食はあっさりしたものだった。
食べながら眠ったアリスの足をマッサージするつもりのラズベリーをデイビスは止めた。
「このままではアリス様は明日」とラズベリーが抗議すると
「いいんだよ、それで、経験したほうがいい。大事なのはそれを見て笑わないことだ」とデイビスが言うと
「お前は・・・だが正しい・・・だが。まぁいい」とアレクが笑いながら言うと
「本当にお二人は」とラズベリーは言うと下がって行ったが、肩が震えていた。
翌日、起き上がろうとしたアリスはびっくりした。体中が痛い。
あちこちをかばいながら、ゴロゴロしているところにラズベリーがやって来て
「アリス様、今日もいい天気ですよ」と言って
「どうしたのですか?具合が?」言うとおでこに手を当てた。
「いや、体中が痛くて・・・」とアリスが返事をするとラズベリーはちょっと考えて
「あっ昨日、たくさん歩いたから。筋肉痛ってこと?まぁ、だから歩くのは。デイビス様を呼んで来ます」と棒読みで言うと
「おはよう、アリス。痛いって?」
「痛い、全部痛い」としかめっ面で答えるアリスを見ると笑えるがデイビスは真面目な顔を維持して
「そうか、こうなったら仕方ない。痛いのを我慢して少しずつ動くしかないね。まずは起き上がって、手伝うからね」とアリスの体を起こした。
「うっ痛っあっ」とか我慢するアリスが可愛くもおかしくてデイビスはことさら怖い顔を作り、ついにはアリスを立ち上がらせた。
「あとはゆっくり歩いて、へんな歩き方になるけど、そこはいいから。食事はここに運ぶから。手で食べられるものがいいかな。病気じゃないから馬車移動はできるけどどうする?ここに今日も泊まってもいいけど・・・」
「がんばって馬車で移動します」とアリスが答えると
「わかった。今日は馬車でおとなしくしてね。休憩のとき少し歩いたらいいから」とデイビスが出て行くとアリスはよちよちと部屋を歩き回った。
やがてラズベリーが食事を持ってくると、苦労してテーブルについて食事を済ませた。
何度目かの休憩ではさほど苦労せずに歩けるようになっていたが、アリスは気がつかなかった。
たが、ホテルへ着いて馬車から降りたとき、痛みが減っていることにやっと気がついて
「体が痛くない。よかったぁ」と喜んだ。
「今日は到着が早かったから少し歩きますか?」とアレクが誘うと
「はい、歩きます」とアリスは元気に答えた。
歩き始めはぎこちなかったアリスも、だんだんちゃんと歩けるようになった。
『明日はまた歩きたがるな。天の山も見え始めるし喜ぶだろうな』とアレクは思った。
「あと少し歩きたいです」とアリスは答えた。
「アリス、一度馬車に戻って、ちょっと確認しましょう」とデイビスが合図を送ると馬車が止まった。
三人が馬車に乗り込むと、ラズベリーがお茶を用意していた。
「アリス、血色が良くなりましたね。お茶が終わったらちょっとだけ診察します」
「大丈夫ですね。好きなだけ歩いていいですよ」とデイビスが言うとアレクが
「おい!好きなだけって」と非難がましく言った。
「大丈夫ですよ。無理しても」とデイビスが二人を見ながら言った。
そしてアリスは今、歩いている。アレクがどうしても譲らないので五十分歩いて休憩といった歩き方をしている。
「それにしてもアレク様。外を歩いて日に当たって風に吹かれるっていいですね」とアリスは笑い続けて
「わたくしの遅い歩みに合わせていただいてありがとうございます。迷惑かけてますね。必ずこの御恩」と言いかけたところで
「アリス。君が楽しむのが大事だ。それに体が丈夫だと言っていただろう。証明して貰ったほうがいいしね。まだ歩くんだろ。水を飲んでこれを食べて」とデイビスが言った。
この日アリスはたくさん歩いた。足が棒になるの意味がわかった。それに一日を通して歩いたので、夏の暑さのなかで歩く厳しさ。冬の寒さは、案外歩きやすいといったことを体験した。
デイビスの気遣いで夕食はあっさりしたものだった。
食べながら眠ったアリスの足をマッサージするつもりのラズベリーをデイビスは止めた。
「このままではアリス様は明日」とラズベリーが抗議すると
「いいんだよ、それで、経験したほうがいい。大事なのはそれを見て笑わないことだ」とデイビスが言うと
「お前は・・・だが正しい・・・だが。まぁいい」とアレクが笑いながら言うと
「本当にお二人は」とラズベリーは言うと下がって行ったが、肩が震えていた。
翌日、起き上がろうとしたアリスはびっくりした。体中が痛い。
あちこちをかばいながら、ゴロゴロしているところにラズベリーがやって来て
「アリス様、今日もいい天気ですよ」と言って
「どうしたのですか?具合が?」言うとおでこに手を当てた。
「いや、体中が痛くて・・・」とアリスが返事をするとラズベリーはちょっと考えて
「あっ昨日、たくさん歩いたから。筋肉痛ってこと?まぁ、だから歩くのは。デイビス様を呼んで来ます」と棒読みで言うと
「おはよう、アリス。痛いって?」
「痛い、全部痛い」としかめっ面で答えるアリスを見ると笑えるがデイビスは真面目な顔を維持して
「そうか、こうなったら仕方ない。痛いのを我慢して少しずつ動くしかないね。まずは起き上がって、手伝うからね」とアリスの体を起こした。
「うっ痛っあっ」とか我慢するアリスが可愛くもおかしくてデイビスはことさら怖い顔を作り、ついにはアリスを立ち上がらせた。
「あとはゆっくり歩いて、へんな歩き方になるけど、そこはいいから。食事はここに運ぶから。手で食べられるものがいいかな。病気じゃないから馬車移動はできるけどどうする?ここに今日も泊まってもいいけど・・・」
「がんばって馬車で移動します」とアリスが答えると
「わかった。今日は馬車でおとなしくしてね。休憩のとき少し歩いたらいいから」とデイビスが出て行くとアリスはよちよちと部屋を歩き回った。
やがてラズベリーが食事を持ってくると、苦労してテーブルについて食事を済ませた。
何度目かの休憩ではさほど苦労せずに歩けるようになっていたが、アリスは気がつかなかった。
たが、ホテルへ着いて馬車から降りたとき、痛みが減っていることにやっと気がついて
「体が痛くない。よかったぁ」と喜んだ。
「今日は到着が早かったから少し歩きますか?」とアレクが誘うと
「はい、歩きます」とアリスは元気に答えた。
歩き始めはぎこちなかったアリスも、だんだんちゃんと歩けるようになった。
『明日はまた歩きたがるな。天の山も見え始めるし喜ぶだろうな』とアレクは思った。
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