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第45話 いつのことか?
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この国は海に囲まれた小さな国だったが、海からの恵み。大地からの恵みをみなで分け合って穏やかに暮らしていた。
何か、問題があると、みなから、おばあ様と呼ばれる女王がよく話を聞いて解決していた。
おばあ様は一人の女性を自分の後継として選んだ。まだ若い女王はおばあ様と呼ばれることはなく、尊敬されて平和が続いた。次の女王に選ばれたのも若い女性だった。
彼女はがんばった。平和は続いたがみなの心に少しずつ不満が溜まっていった。
わたしはもっとうまくやれるわと声をあげたものが、一人出てきた。
女王は二人で相談して解決に当たった。するとすぐにもう一人、もっとうまくやれるわと言う者が現れた。
すると三人が主張して譲らぬようになった。そして三人は争うようになった。
それぞれに賛同者が加わり、争いは大きくなった。それまでは、誰も気にしないことでも争いになった。
気が付くと海も大地も荒れた。
ある日、がちゃんと皿が割れた音で頭に血が上った男が、剣を持って三人を殺してこう言った。
「これから女は引っ込んでろ。おれたちが引き受ける」
それからは大地の恵みも海の恵みも、もとに戻った。
メニリーフ王国に住む者はよく知っている話だ。
◇◇◇
その日、メアリーが部屋に入ると国王夫妻。エドワード。宰相が既に席に着いて待っていた。
「遅くなりました。ライラがぐずぐずしてるから」とメアリーが言っていると
「そうかい。それはいいから席について。もう何回も説明を聞いたと思うがもう一度説明する。これはメニリーフ王国との縁談を断るための説明だ。何度も説明したがおまえは誤解しているようだから、もう一度全員が話をする。みなで話をすれば、おまえが誤解している所がわかるだろうから、そこから正しい理解につながると思う。
メニリーフ王国との話は『こんなのもあるけど・・・こんなのしかないけど・・・だから王族との婚姻は無理』そんな意味合いで添えられた話だ。それをおまえが飛びつくとは思わなかったのだ。理解できないなら忘れて欲しい」とエドワードが言うと
途中、何度か口を挟みそうになるのをライラに止められながらメアリーは最後まで聞いた。
「どうして王族との婚姻を止めるのかわかりません。王族は王族同士わかり会えます」とメアリーが言うと王妃が
「あそこは特別なのよ。悪い意味で特別よ。確かに宝石が出る鉱山はあるわ。宝石の種類は多いわ。だけど加工技術がなってないわ。大きいほどいいって考えだから周りの濁った色の部分を残した研磨よ・・・いいえ、研磨というより切り出しただけよ。妻の地位も低いわ。こちらの侍女より低い。それに独特の詩作をする。下手だと馬鹿にされる。そこだけでも無理。それに親戚も口出しする。それに」
「もう、お母様、脅かしても無駄よ。わたしが遠くに行くのが寂しいからって・・・大丈夫。船に乗ればすぐよ。王女が嫁ぐのよ。あちらだって気を使うわ」と王妃の言葉を遮ってメアリーが言うと
「なに言ってるんだ。船だってそんなにないぞ。だいいち船を出して貰えないと帰ってこれないぞ」とエドワードが言うと
「出すように言うわよ。わたしは王女よ」
「婚姻すれば関係ない」とエドワードが言った。
「いいか、メアリー。この話は断る」と国王が言うと
「いやよ、アリスが王族に嫁ぐのよ。わたしだって嫁ぐわ。・・・それはそうとアリスはどこで遊んでいるの?」
「孤児院に慰問だよ。今日は僕が行かないから一人だけど。問題はないよ。僕とバーバラが下見しておいたからね」とエドワードが答えた。
「ほらね、王族に嫁ぐってこういうことでしょ!そりゃ、うちはアリスに甘いけど・・・わたしだったら、下見なしで簡単にこなすわ」とメアリーが言うと
「確かにあの国は半分鎖国してるから詳しいことはわからないのよね。メアリーの言うことが正しいかも知れないわ」と王妃が言うと
「母上、いい加減なことを言わないで下さい。メアリーが嫁ぐと言い出してから、調査をしております。噂で判断しているのではありません。メアリーが苦労します。メアリーは一日も耐えられません」とエドワードが言うと宰相も
「そうです。王妃殿下、王女殿下。調査書はお読みになったと思います。わたくしの娘でしたら嫁がせたりしません」と言った。
「うるさい、うるさい、うるさい。わたしは王族なの。普通に嫁ぐのとは違うの。その調査書の通りにはならないわ」とメアリーは怒鳴った。
「いい、絶対行くから。あとは威信を見せつけるために支度は豪華にしてね。わたしは国を代表して行くのだから」
「だめだ。行かせない。厄介なことになるのが目に見えてる」とエドワードが言うと
「エドワード、妹にそんな言い方はないわ。陛下あなたからも注意して下さい」と王妃が言い出した。
「そうだな、エドワード。その言い方は良くない」と国王は言うと
「エドワードとアリスの予算を少しメアリーに回そう」と独り言のようにつぶやいた。
「いいですか?お兄様。邪魔してもわたくしは嫁ぎますから」とメアリーが言ったが宰相とエドワードはため息をついて無言だった。
後、アリスとエドワードの婚約は解消され、その予算はそっくりメアリーに回された。
何か、問題があると、みなから、おばあ様と呼ばれる女王がよく話を聞いて解決していた。
おばあ様は一人の女性を自分の後継として選んだ。まだ若い女王はおばあ様と呼ばれることはなく、尊敬されて平和が続いた。次の女王に選ばれたのも若い女性だった。
彼女はがんばった。平和は続いたがみなの心に少しずつ不満が溜まっていった。
わたしはもっとうまくやれるわと声をあげたものが、一人出てきた。
女王は二人で相談して解決に当たった。するとすぐにもう一人、もっとうまくやれるわと言う者が現れた。
すると三人が主張して譲らぬようになった。そして三人は争うようになった。
それぞれに賛同者が加わり、争いは大きくなった。それまでは、誰も気にしないことでも争いになった。
気が付くと海も大地も荒れた。
ある日、がちゃんと皿が割れた音で頭に血が上った男が、剣を持って三人を殺してこう言った。
「これから女は引っ込んでろ。おれたちが引き受ける」
それからは大地の恵みも海の恵みも、もとに戻った。
メニリーフ王国に住む者はよく知っている話だ。
◇◇◇
その日、メアリーが部屋に入ると国王夫妻。エドワード。宰相が既に席に着いて待っていた。
「遅くなりました。ライラがぐずぐずしてるから」とメアリーが言っていると
「そうかい。それはいいから席について。もう何回も説明を聞いたと思うがもう一度説明する。これはメニリーフ王国との縁談を断るための説明だ。何度も説明したがおまえは誤解しているようだから、もう一度全員が話をする。みなで話をすれば、おまえが誤解している所がわかるだろうから、そこから正しい理解につながると思う。
メニリーフ王国との話は『こんなのもあるけど・・・こんなのしかないけど・・・だから王族との婚姻は無理』そんな意味合いで添えられた話だ。それをおまえが飛びつくとは思わなかったのだ。理解できないなら忘れて欲しい」とエドワードが言うと
途中、何度か口を挟みそうになるのをライラに止められながらメアリーは最後まで聞いた。
「どうして王族との婚姻を止めるのかわかりません。王族は王族同士わかり会えます」とメアリーが言うと王妃が
「あそこは特別なのよ。悪い意味で特別よ。確かに宝石が出る鉱山はあるわ。宝石の種類は多いわ。だけど加工技術がなってないわ。大きいほどいいって考えだから周りの濁った色の部分を残した研磨よ・・・いいえ、研磨というより切り出しただけよ。妻の地位も低いわ。こちらの侍女より低い。それに独特の詩作をする。下手だと馬鹿にされる。そこだけでも無理。それに親戚も口出しする。それに」
「もう、お母様、脅かしても無駄よ。わたしが遠くに行くのが寂しいからって・・・大丈夫。船に乗ればすぐよ。王女が嫁ぐのよ。あちらだって気を使うわ」と王妃の言葉を遮ってメアリーが言うと
「なに言ってるんだ。船だってそんなにないぞ。だいいち船を出して貰えないと帰ってこれないぞ」とエドワードが言うと
「出すように言うわよ。わたしは王女よ」
「婚姻すれば関係ない」とエドワードが言った。
「いいか、メアリー。この話は断る」と国王が言うと
「いやよ、アリスが王族に嫁ぐのよ。わたしだって嫁ぐわ。・・・それはそうとアリスはどこで遊んでいるの?」
「孤児院に慰問だよ。今日は僕が行かないから一人だけど。問題はないよ。僕とバーバラが下見しておいたからね」とエドワードが答えた。
「ほらね、王族に嫁ぐってこういうことでしょ!そりゃ、うちはアリスに甘いけど・・・わたしだったら、下見なしで簡単にこなすわ」とメアリーが言うと
「確かにあの国は半分鎖国してるから詳しいことはわからないのよね。メアリーの言うことが正しいかも知れないわ」と王妃が言うと
「母上、いい加減なことを言わないで下さい。メアリーが嫁ぐと言い出してから、調査をしております。噂で判断しているのではありません。メアリーが苦労します。メアリーは一日も耐えられません」とエドワードが言うと宰相も
「そうです。王妃殿下、王女殿下。調査書はお読みになったと思います。わたくしの娘でしたら嫁がせたりしません」と言った。
「うるさい、うるさい、うるさい。わたしは王族なの。普通に嫁ぐのとは違うの。その調査書の通りにはならないわ」とメアリーは怒鳴った。
「いい、絶対行くから。あとは威信を見せつけるために支度は豪華にしてね。わたしは国を代表して行くのだから」
「だめだ。行かせない。厄介なことになるのが目に見えてる」とエドワードが言うと
「エドワード、妹にそんな言い方はないわ。陛下あなたからも注意して下さい」と王妃が言い出した。
「そうだな、エドワード。その言い方は良くない」と国王は言うと
「エドワードとアリスの予算を少しメアリーに回そう」と独り言のようにつぶやいた。
「いいですか?お兄様。邪魔してもわたくしは嫁ぎますから」とメアリーが言ったが宰相とエドワードはため息をついて無言だった。
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