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02 新学期
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弟はわたしについて来て他の四人にもお金を稼ぐ方法を考えろと言うと威張り腐って山を降りて行った。
「ほんとにアイツは何様なんだ。ちゃんと躾なよ」とカスミに言われて、三人も賛成した。
新学期は先生も新しくなる。この学校はろくなのが来ない。今年来たのは珍しく若い女の先生だ。
おしゃれな服を着て髪の手入れが行き届いていた。
先生の名前はツナシマ・エリカ。名前まで都会風だ。担当は英語で、昼休みに音楽室でピアノを弾いていた。
放課後、いつもの場所に集まった。今日は天気が良くて湖がきれいに見える。
この地の産業が盛んだった頃、積出の為に港を作った。たくさん荷物を積める船の為に港を深く掘り下げた。
長い工事が終わってさぁこれからって時に、山の資源が底をついた。たまたま調査した場所だけが豊富だったそうだ。
港は手入れをしなくなると、浅くなったが、困ることはなかった。港から出て行くのは人だけだったから。
儲けがでなくなった山を捨てて移動して行った。移動と行っても大半の者は同じ湖の対岸に行っただけだし。
ここから見える夜になっても明るいその地へ行った。わたしたちも先ずそこに行く。それから都会へ行く。
夏になると湖にはお金持ちの豪華な船が、行き交うが、今の季節は地味な釣舟が、波に揺られるだけだ。
だが、その姿は平和で眠くてこの町のようだ。
「ねぇ、どうやってお金を稼ぐ?やっぱバザー? ドーナツとか野菜を売る?」とヒバリが言い出すと
「バザーかぁ、古着とか・・・倉庫に落ちてるなんか?」ミヨコが自身無げに言うと
「バザーするんなら、どっかでバイトしてそれを寄付する方が楽だよね」とカスミが馬鹿にした口調でミヨコに言った。
「問題はどこでバイトをするかってこと!」とわたしが言うと
「じゃぁ、あんたが考えなさいよ」とカスミが噛み付いてきた。じゃあってなに?なにがじゃあよ。と腹が立ったのでこう言ってしまった。
「歌を歌おうよ。体育館でも借りて、チケット売ってそれを寄付しよう」
「キリコ、いいね」とヒバリが言うと
「あんたの歌はお金払って聞いて貰わないと」とカスミが言った。ヒバリが悲しげに下を向いた。
「あと、ミヨコはさぁ、誕生日ネタで笑いを取ればいいよ。子沢山で名前を考えるのが面倒になって三月四日生まれの、ミヨコでーすって」カスミは人が傷つくことを言うときが一番生き生きしてる。
ミヨコとレイナ、わたしもカスミを非難がましく睨んだけど、なにも言わなかった。
「ちょっとこの考えを煮詰めてみよう」とレイナが言った。
「さすがキリコだよ。これクラスで提案しよう」とレイナが重ねて言うと
「そうだね、楽器をやる人とかも必要だし」とミヨコがヒバリに向かって言った。
それから、わたしたちはやりたい事をどんどん口に出した。楽しい想像がお互いを煽り、夢を理想を語って言った。
学校の体育館は、素晴らしく豪華な舞台となり、音響が素晴らしく、わたしたちは豪華な衣装に身を包んだ大スターとなっていた。
カスミはひとり白けた顔をしていたが、わたしたちは彼女を置き去りにして、夢を語り合った。
夕方の寒い風がわたしたちを現実に戻した。
わたしたちは山を降りて、いつもの順路で家に戻った。
カスミの別れ際の言葉は
「はぁ、あんた、自分の姿を鏡で見た事ある?自分の声実際に聞いた事ある?」
「・・・・」
「ないよね。知らないって強いね。羨ましい・・・始めてキリコのことが羨ましいと思った」だった。
「カス」と口のなかで毒づいた。
夕食後、片付けをしながらマサトにこの話をした。
「なるほど、能天気ですねぇ」と感心された。くやしい。
「ほんとにアイツは何様なんだ。ちゃんと躾なよ」とカスミに言われて、三人も賛成した。
新学期は先生も新しくなる。この学校はろくなのが来ない。今年来たのは珍しく若い女の先生だ。
おしゃれな服を着て髪の手入れが行き届いていた。
先生の名前はツナシマ・エリカ。名前まで都会風だ。担当は英語で、昼休みに音楽室でピアノを弾いていた。
放課後、いつもの場所に集まった。今日は天気が良くて湖がきれいに見える。
この地の産業が盛んだった頃、積出の為に港を作った。たくさん荷物を積める船の為に港を深く掘り下げた。
長い工事が終わってさぁこれからって時に、山の資源が底をついた。たまたま調査した場所だけが豊富だったそうだ。
港は手入れをしなくなると、浅くなったが、困ることはなかった。港から出て行くのは人だけだったから。
儲けがでなくなった山を捨てて移動して行った。移動と行っても大半の者は同じ湖の対岸に行っただけだし。
ここから見える夜になっても明るいその地へ行った。わたしたちも先ずそこに行く。それから都会へ行く。
夏になると湖にはお金持ちの豪華な船が、行き交うが、今の季節は地味な釣舟が、波に揺られるだけだ。
だが、その姿は平和で眠くてこの町のようだ。
「ねぇ、どうやってお金を稼ぐ?やっぱバザー? ドーナツとか野菜を売る?」とヒバリが言い出すと
「バザーかぁ、古着とか・・・倉庫に落ちてるなんか?」ミヨコが自身無げに言うと
「バザーするんなら、どっかでバイトしてそれを寄付する方が楽だよね」とカスミが馬鹿にした口調でミヨコに言った。
「問題はどこでバイトをするかってこと!」とわたしが言うと
「じゃぁ、あんたが考えなさいよ」とカスミが噛み付いてきた。じゃあってなに?なにがじゃあよ。と腹が立ったのでこう言ってしまった。
「歌を歌おうよ。体育館でも借りて、チケット売ってそれを寄付しよう」
「キリコ、いいね」とヒバリが言うと
「あんたの歌はお金払って聞いて貰わないと」とカスミが言った。ヒバリが悲しげに下を向いた。
「あと、ミヨコはさぁ、誕生日ネタで笑いを取ればいいよ。子沢山で名前を考えるのが面倒になって三月四日生まれの、ミヨコでーすって」カスミは人が傷つくことを言うときが一番生き生きしてる。
ミヨコとレイナ、わたしもカスミを非難がましく睨んだけど、なにも言わなかった。
「ちょっとこの考えを煮詰めてみよう」とレイナが言った。
「さすがキリコだよ。これクラスで提案しよう」とレイナが重ねて言うと
「そうだね、楽器をやる人とかも必要だし」とミヨコがヒバリに向かって言った。
それから、わたしたちはやりたい事をどんどん口に出した。楽しい想像がお互いを煽り、夢を理想を語って言った。
学校の体育館は、素晴らしく豪華な舞台となり、音響が素晴らしく、わたしたちは豪華な衣装に身を包んだ大スターとなっていた。
カスミはひとり白けた顔をしていたが、わたしたちは彼女を置き去りにして、夢を語り合った。
夕方の寒い風がわたしたちを現実に戻した。
わたしたちは山を降りて、いつもの順路で家に戻った。
カスミの別れ際の言葉は
「はぁ、あんた、自分の姿を鏡で見た事ある?自分の声実際に聞いた事ある?」
「・・・・」
「ないよね。知らないって強いね。羨ましい・・・始めてキリコのことが羨ましいと思った」だった。
「カス」と口のなかで毒づいた。
夕食後、片付けをしながらマサトにこの話をした。
「なるほど、能天気ですねぇ」と感心された。くやしい。
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