ある王国の王室の物語

朝山みどり

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公爵令嬢のいけない日々

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予定通り、わたしは公爵の家に引っ越した。

公爵家ではわたしについた二人の侍女は、髪の扱いも丁寧だし翌日髪を結ってもらっても痛い思いをせずに・・・・・我ながらすごくほんとにすごーーく可愛くしてもらった。


公爵の屋敷にはキャサリンの部屋がまだ残っていた。本宅ではなく庭にある別宅だったが。

本宅ではなく別宅ってことは事情がいろいろあるってことだろうが、そこは見ないほうがいいだろうし、知りたくないかな。

そのキャサリンの部屋に『白銀湖の畔』という桃源語でかかれた本が残されていたのだ。

パラパラと見て驚いた。前世で習っていた言語だ。読めたのだ。

キャサリンはどんな人だったのだろう・・・・会って話したかった。

わたしは養女になってよかったと心から思った。

これを訳して広めよう、王太子の手伝いをやらなくなって時間はあるし、大好きな話だ。広めたい。


公爵家でのわたしの生活はひまの一言だが、今まで忙しく働いていたから・・・・なんせ侯爵家の家政と王宮の執務をやっていたんだよ・・・・


ただ、どう遊べばいいのかわからなくて部屋で本ばかり読んでいた。

すると遊びの先生を見繕ってくれた。

それは遠縁のアンドリューと言う、すごくかっこよくて、女性の扱いにも慣れた男性だった。
最初、婚約者候補かと思ったがそれは違うらしい。

なんせ、アンドリューの相手はジェラルドという男性だ。一族では公認の仲だと言うことで・・・・確かに安全パイだよね。

女性の扱いに慣れているおかげでどこに行ってもエスコートは完璧だし、案内してくれる所もおしゃれな場所ばかりだった・・・・公爵曰く護衛としても安心らしい。

それでわたしは、今までの分を取り返すように遊び歩いた。

着るものもキャラウェイ夫人というドレスメーカーにすべておまかせで作ってもらった物をとっかえひっかえして出かけている。

ちなみに侯爵家で着ていたものは、一目みた侍女たちが庭で燃やしてしまった。たしかにひどかった。侯爵夫人より老けたドレスだったんだよ。ミンチン先生とかロッテンマイヤーさんとか・・・・髪型も・・・

寄付ってつぶやいたわたしの言葉は黙殺された。こんな物が公爵家から出るということに耐えられないらしい。

おもしろいことに最近王都にあるうわさが広まっている。

マクバーディ公爵に若い愛人・・・わたしの事よ・・・・ができたが公爵は愛人に付き合えないので愛人に愛人をあてがって・・・・アンドリューのことね・・・・好きに遊ばせているって・・・・

確かに遊んでいるよ・・・お菓子を食べに行ったり、遠乗りに行ったり、この前は公園でボートに乗ったり、そうだ、ジェラルドも時々一緒に過ごすから・・・それも、うわさを過激にしているかも・・・

公爵は愛人を持ったと言われるのは嬉しいけど、ついていけないという説に少し傷ついて・・・・けっこうデリケートね・・・・この前は劇場に連れて行ってくれた。

あの個室でふたりきりで過ごして、幕間に舞台の感想を熱く語ったら翌日には熱愛のうわさになってました。それもわたしが公爵にお熱ってなっていて、公爵の機嫌がよくなっていた。

わたしも公爵が元気だというのは嬉しいので、人気のカフェに誘って見た。

外に並ぶのよって覚悟を決めて出かけたけどお店の支配人が飛んできて、先に入ってくれって拝まれて、周囲の人にごめんって先に入ってテラス席に座った。

公爵が言うには昔はこんな場所がなかったそうで、今はいい時代になったしわたしを引き取らなかったらこんな経験はできなかったって喜んでもらった。今度悪友に会ったら自慢するそうだ。

今までの分を取り戻すべく遊んでいるわたしの元へ王宮からの迎えが正式に来た。

きちんと文官として働いてもらえないかという内容だったが断った。今までの働きの給料を寄越せって言いたいよ。

わたしは領地があるからそちらをやりたいしね。

ということで、ジェラルドも含めた四人で領地を見に行った。

王都から馬車で三時間と日帰りで遊べるし、旅気分も味わえるいい立地だ。

まだこの世界の庶民は娯楽に縁遠いが、裕福な階層を相手になにかできそうだ。

ただなにもしなくてもこの領地は黒字なので、老後の心配もないのがうれしい。

贅沢はしても庶民感覚は抜けないもんだな。
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