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26話 お叱り、お節介

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※今後は少し投稿時間を変更します。


「あのぉ、そろそろ腕を離して頂けませんか?ノア様」
と僕が聞くと、ノア様は
「離しても良いですけど、1つ条件が有ります」
と言ってきた
「その、条件とはいったい何でしょうか?」
と一刻もこの状況を何とかしたい為、僕は急いで訊くとノア様少し顔を赤らめ
「そ、そのっ、2人きりの時は……前みたいな雰囲気で話して欲しいです」
と言われ、僕……俺はため息をつきながら
「これで良いかな?ノア」
と聞くと、ノアは顔を真っ赤にし
「は、はいっ!!満足です」
と言い、やっと俺の腕を解放してくれた。


「それにしても、母様への用って何なのですか?師匠」
と聞かれ
「うん、そう言えば僕ってメリーのクラス知らないって思って、ソフィア様に聞こうと思ってね」
と言うと、ノアは小さくため息をはき
「師匠って、そういう所が抜けてますねよ」
と言われてしまい
「ははは……全くその通りです」
と反省していると、学園長室に着いた。


コンッコンっ


「どうぞ」
と凛とした声で言われ、僕達は学園長室に入った
「あら?珍しいわね、ノアとアルカ君が2人っきり、、、、、で来るなんて」
とあからさまに2人っきりの部分を強調しながらソフィア様が言う
「えぇ、母様実は私達────」
「実は、偶然、、ソフィア様に用が有りまして」
と、ノア様が場をややこしくする前に僕が言うと
「あらっ?そうだったの…私はてっきりルーク君がノアに仲良く、、、なったのかと」
と言われ
(何で、仲良くを強調して言うのですか?ソフィア様)
「そんな事をしてしまってはメリーに怒られてしますしね」
と僕が言うと、ノア様は
「そうやっていつもメリーばか……もういいです」
と言い、学園長室から出ていってしまった。


「さて、ノアが居なくなった訳だし……本題に入りましょうか?」
と言われ
「本題とは?」
と聞くと、ソフィア様は少し不機嫌になりながら
「模擬試合」
と呟いた。それを聞いた瞬間理解し
(やり過ぎたかな?)
「軽率な行動を取ってしまい、申し訳ありません」
と頭を下げると
「まぁ、分かっているなら良いけど……次からはくれぐれも注意して頂戴ね」
と注意を受け
「はい、分かりました。それとソフィア様もう1つ宜しいでしょか?」
とメリーの事を聞こうとソフィア様に言うと
「あぁ、メアリーちゃんのクラスよね?それならBクラスよ」
と言われ
「そうですが、なんで分かったのですか?」
と疑問に思っている事をソフィア様に訊くと
「だってアルカ君、そういう所抜けてるから」
と言われてしまった
(あれっ?さっきも言われた気が……気のせいか)
「そんなに僕って抜けですか?自分では分かりませんので」
と改めてソフィア様に聞くと
「まぁ、しっかり|は(、、)しているわよ……でもたまに何も考えず行動する所だけは直した方が良いわね」
と言われてしまい僕は
「はい、気をつけます」
としか言え無かった。
「で、話を戻すけどメアリーちゃんのクラス何だけど……今後は余り行かない方が良いわね」
と言われ、僕はソファから立ち上がり
「何でですか!!だって僕は…メリーの従者ですよ!?」
とソフィア様に言うと、ソフィア様は少し怒気を込めながら
「そうさせたのはいったい誰だと思っているの?アル君?」
と言われ
「それはっ!!……僕です」
とそれを素直に認めると、ソフィア様はまた、ため息をつきながら
「はぁ、君があんな事をしたせいで、メアリーちゃんの顔を泥を塗ったのよ。その意味をもう少し理解出来ないほど、愚かでは無いでしょ?君は」
と言われ、僕は自分自身の不甲斐なさを恥じた。
(そうだ、僕が問題を起せばその責任は僕ではなく主やメリーにいくんだ。クソッ!!何でそんな事も忘れていたんだ!!僕はっ!!……やっぱり僕には……出来ないのかな?)
「僕にはやはりメリー……いやっ……そもそも従者失格でした。」
とボソッと言うと、それをソフィア様は聞き逃さず
「それは違うわよ、アルカ君」
と言ってくれたが、それでも僕が納得出来ていなかった。
「分かりました。今後は成るべく……絶対にメリーとの接触はしません。」
と言うと、ソフィア様は
「あらっ?アルカ君はそうやって拗ねるのね?」
と見透かされたように言われ
「いえっ、これでメリーの安全が保証されるなら、僕は迷わずそうします」
と言い、僕は学園長室から出た。


「やっぱり僕って駄目だな」
と1人静かに呟くと
「どうしたんだ?」
とカラルに声を掛けられ、僕は一瞬ハッとして
「今の口に出てた?」
とカラルに恐る恐る聞くと
「おう、だだ漏れだったぞ」
と言われ、また、少し落ち込んでいると
「まぁ、深くは聞かねぇけど、そろそろ教室戻らねぇとディーン先生に怒られるから急ぐぞ」
と言われ、僕達は急いで教室に戻った。


「間に合ったかな?」
とカラル訊くと
「多分間に合ったと思うぞ」
と言い、僕達は席に着き午後からの授業を受けた……が全くと言っていい程
授業が頭に入ってこなかった。


「では、これで本日の日程は終了です。では解散」
とディーン先生が言うと、皆一斉に寮へと向かった。
「なぁ、アル、学園長室で何かあったのか?」
と寮に向かう途中カラルに聞かれ
「ううん、模擬戦の事でちょっとね」
と肝心な事は言わずに言うと、カラルは
「そっか、でも困ったりなんかあった時には相談位なら聞いてやるから」
と言ってくれ
「ありがとう」
と素直に礼を言い僕達は寮へと入った。


「なぁ、一緒に飯行こうぜ」
と私服に着替えた、カラルに誘われたが
「ごめん、何だか食欲無くて……今日は遠慮するよ」
と言い、カラルの誘いを断った
「そっか、でも腹減ったら来いよ!!待ってるから」
と言いカラルは部屋から出て行った。


カラルが居なくなり、部屋は静寂に包まれている
「ごめん」
と暫く経ち僕は静かに呟き、昼にあった事についてまた考える
(やっぱり、僕よりアリアに任せた方が……)
そんな事を考えていると
「ただいま」
と言い、カラルが食堂から帰ってきた。
「おかえり?早かったね……カラル手に持ってるのって────」
と僕が言うと、カラルは手に持っていたサンドウィッチを僕に渡してきて
「作ってもらった。流石に何も食わないのは駄目だと思ってよ」
と言い、カラルからサンドウィッチを受け取り、僕は黙々と食べ始める
「それでさ……アル……今はまだ言わなくて良いから言いたくなったら、今お前が悩んでる事……教えてくれよ」
と言い、カラルはベットに入りすぐに寝息を立て始めた。


「全く、お節介だなカラルは…でも……ありがとう」
と言い、僕もサンドウィッチを食べ終わった後、ベットに入り静かに眠りについた
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