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3話 メイソン家

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4落ちこぼれは最強を目指し魔法剣技を極める
「ルーク君、すまないが、もう1回水晶を触ってくれないか?」
とウィリアム様に言われ僕はまた、水晶に触れた、やはり反応が無い
「これで満足ですか?」
呆れながら言うと、ウィリアムさんは
「じゃあ、今度は頭の中に雷をイメージしながら、やってごらん」
と言われ、どうせ何も変わらないのにと思いながらも、頭に火のイメージをしながら水晶に触った。
「う、嘘だ!ありえない、な、何で今更」
と言い僕は咄嗟に水晶から手を離した

何と、水晶の色が黄く染まっていた。

「やはり、そうだったか、ルーク君、君はあの色決めの儀式の時、何を考えていたかな?」
とやや興奮気味に聞かれたか
「あの時は、ただただ上手くやろうと、父さんや母さんを失望されないようにと」
僕が言うと、ウィリアムさんは少し悲しそうに笑い
「あの時、水晶が光らなかったのは、君がそれを望んでいなかったからだよ」
と今度は優しい笑顔で言われたが
「そ、そんなはずはありませんっ!!」
と少し声を荒らげて言ってしまい、直ぐに
「申し訳ありません」
と謝罪すると、ウィリアムさんは
「何、気にしてなんかないよ、それで君はこれからどうするんだい?」
と訊かれ、僕はその質問の意味が分からず
「どう言う意味ですか?」
と聞き返すと、ウィリアムさんは
「今なら、まだアレキサンダー、元の君の家に戻れるが戻りたいかな?」
と訊かれ、僕は正直悩んだ
(確かに、今なら父さんに何も言われずに戻れる……だけどそれはウィリアムさんのお陰でもある……それにもう…あの家には戻りたくないなぁ)
「いえっ、僕は帰りません。今は奴隷なので」
と僕が笑いながら言うと、ウィリアムさんは
「でも……分かったよ、では歓迎しよう。ようこそ我がメイソン家へ」
と言い、優しく僕を抱きしめてくれた。その瞬間、目の当たりかは何かが零れ落ちたが、今はそんな事は気にせず、感情のままに、ウィリアムさんに抱きしめられ、泣いた。


「そろそろ、落ち着いたかな?」
と背中を擦りながらウィリアムさんに訊かれ
「もう、大丈夫です。すいません」
と謝ると、ウィリアムさんは
「良いよ、気にしないで、それに何だか私に息子が出来たみたいで少し嬉しかったからね」
と言い、僕達は一緒に笑い出す。


「それでは無属性の説明に移ろうか」
と言われ無属性の説明を聞いていた。
「まず、無属性とは、簡単に言えば何も無い場所から何かを生み出すと考えてもらえば良い、そして、最大の利点はイメージ力次第では火、水、風、土、雷、闇、光の全属性が使えると言う所だ。だから君は多分世界でたった1人だけの7属性セブンだと思うよ。それから────」
と説明がされるが、正直理解出来なかった。


「説明不足だね、それなら直接試した方が良いな、ルーク君、まずは頭の中で雷をイメージして、魔法を使ってごらん」
と言われた、僕は父さんがよく詠唱していた魔法を唱えた

『我が雷は、地を粉砕する物なり サンダーボルト』

と唱え、掌を壁に向け中級魔法のサンダーボルトを放った
何と、壁に穴が空いた
「す、すごいな流石はアイツの息子だ」
と言われ褒められたが、余り良い気はしなかった。
「でも、私の屋敷に穴を開けたのは関心しないな」
と少し怒られてしまった。


僕は慌てて
「も、申し訳ありません、弁償します」
と言うと、
「いや、気にしなく良い、それにこれからは此処で働いてもらうんだし、それで返して貰えば良いよ」
と言いながら、ウィリアム様は笑った
「え?ちょっと待ってください、此処で働く?という事は僕は......」
と続きを言いかけた時
「合格だ、それに元々君は絶対に合格させた、けどね」
と言われ、僕は
「何で僕の事をそんなに思ってくれるんですか?」
と尋ねると、ウィリアム様は
「君はメアリーの友達だからね。娘の友達を助けるとは親として当然だよ」
と言い、僕を抱きしめた。
「これで、何と言おうと君は私の家族だ!」
と言いまた、強く僕を抱きしめた
「で、でも、こんな僕でも良いんですか?」
と恐る恐る聞くとウィリアム様は
「私そんな君だから良いんだ」
と言ってくれた
「ほ、本当に、僕は此処に居ても良いんですか?」
と訊くとウィリアム様は
「本当に君は心配症だな、歓迎するよ、ルーク」
と言い笑ってくれた
そんな彼に僕は目に涙を溜めながら「はいっ!こちらこそお世話になります」
と言った。
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