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2話 買い手

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僕と、アリアさんは奴隷商の馬車に乗り2ヶ月程を掛けて今、リーベと言う街に来た。
街は綺麗で、人々も生き生きしていてとてもいい街だ、だが、今から僕達は此処で奴隷として売られるのだ、そう思うと、憂鬱になる
「本当に短い間だったね」
と僕は馬車に揺られながら言った。
「そうですね、本当に短い間でしたが楽しかったです、私、ルークさんに会えて本当に良かったです」
とアリアが涙を流しながら言われ
「でも、これでさよならって訳じゃ無いからね?だから泣かないで」
と言っているが、僕も泣きそうなのを我慢して、アリアさんの背中を摩った


そして、日が沈み出した頃に遂にその貴族の屋敷に着いた。
(あれっ?このお屋敷、どっかで見た事ある気がするんだよなぁ~)


「おらっ!さっさと出ろ!」
と言われ僕達馬車から降り、僕達を買いたいと言う貴族の前に立った。
1人は何だか凄く優しそうな顔をしている女性そしてとても綺麗な金髪だった。そしてもう1人の男の人は僕と同じ髪が黒くて何故か僕を見てとても驚いていた。


「どうですか?ウィリアム様今回はなかなか良い者がはいっておりますが」
と奴隷商が悪そうに笑った。
「あぁ、そうだな、すまないがそこの彼と話がしたいのだが出来るか?」
と黒髪の男の人が急に僕を見ながら言った。
「それは可能ですが、何故ですかい?」
と奴隷商人不思議そうに聞いたが
「何、ただ彼の目が気になってた」
と言い男の人は笑いながら言った。
「あっ、そうだエマはこの娘を見てやってくれ」
と言うと、エマと言われた金髪の女性は
「分かりましたよ、貴方」
と言って笑っていた。


そして、僕は黒髪の人に案内され、屋敷の中に入った(流石は貴族と言った様な内装だけど前に居た家とは感じが違うな)そんな事を思いながら男の人に案内され部屋に入った。


そして、僕は男の人と話をしている
「久しぶりだな、ルーク君」
と男の人が悲しそうに笑いながら言った
「僕は、面識は無いと思いますが」
と正直に僕が言うと
「無理も無いよ、だって君と会ったのは君がまだ、7歳の頃だからね」
と言われ、僕は相槌を打つしか出来なかった。


「それで、話は変わるが、何でレイドは君を|売る(、、)ようなことをした」
目つきを変えながら言った、だが一つだけ分かる事はこの人が怒っている事
「レ、レイドって誰ですか?ぼ、僕は知りませんよ、そんな人」
と僕は誤魔化そうとするが
「無理しなくて良い、元々私はアイツの旧友でな、だから君の事を知っていると言う事だ」
と僕の誤魔化しすぐにバレて笑いながら言った。
「あ~もうどうにでもなれ!はい、僕はルーク アレキサンダーです、レイド アレキサンダーの息子です」
と、笑いながら言っているつもりだか多分出来てないと自分でも分かったが途中で止めたら溢れる気がして僕は何とか言い切った
「それで、話を戻すが、何故アイツは君を売るようなことをしたのか心当たりはあるかい?」
と言われ僕は心当たりがひとつしか無かった。
「多分、色決めの儀式だと思います」
としか、言えなかった、色々思い出してしまうから、もう何も思い出したくなかったから
「そうか、でも色決めの儀式の結果が悪かったのかい?」
と聞かれ、黙っていると
「安心していい、私は絶対に君の味方だ!」
と、僕の肩を掴みながら真剣な表情で言った。その言葉を聞いて、僕は少し安心して
「反応が無かったんです」
と、僕は正直に答えた
「え?反応が無かった?それはどうゆう意味だい?」
とやはり疑問形で返された
「実際に見た方が早いかと、ウィリアム様、申し訳ありませんが水晶を貸していただけませんか?」
と言い、水晶を準備して貰った。


そして、そのまま水晶に手を置いた
やはり変化は無かった
「お分かり頂けましたか?僕は何属性にも属さないのです」
と言うと、ウィリアムは
「いやっ、これはまさか......面白くなりそうだ」
と笑いながら言った
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